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High Jumpの読書記録~invert~(ネタバレあり)

High Jumpの読書記録のコーナー!

今回読了したのはこちら!!!

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相沢沙呼先生の「invert」です!!!

ミステリー小説の賞を総なめにしたあの「medium」の続編になります。
この本を思いっきり楽しみたいがタメに、購入してから、一度前作である「medium」を再読して、その後読み始めました(笑)

再読した際の感想等は記事にもしてあるので、興味のある方は一度見てみてください。下に貼っておきます。

本音を言うと、あのみんなの大好きな「翡翠ちゃん」にもう一度会えるのは楽しみだったんですが、前作の「medium」が最高だったこと、さらに今回は倒叙ミステリーであることから、「medium」を超えるなんて可能であるのか、倒叙ということは、ミステリー小説の醍醐味の一つである、犯人が最初に分かってしまうのは、内容が退屈になってしまうのではないか、と少しネガティブな印象を抱いて読み始めました......

しかし!!!

そんなものは、完全に杞憂で、読んでみると印象がひっくり返りました!
読了前の自分を殴ってやりたいです(笑)
まさに"invert"だったのです!

懸念していた倒叙ミステリーの部分ですが、よくよく考えてみると前作の「medium」でも、犯人が誰かは序盤に分かってしまう構成であったし、まだまだミステリーに対する目が肥えていない自分にとっては、最初に犯人の犯行の様子の描写があることで、「これ、のちのち鍵になってくるんじゃない?」などと自分で考える手助けになるので、個人的には前作よりも楽しめました。また、この犯罪を「翡翠ちゃん」はどのように解決していくのか?と「翡翠ちゃん」の言動にも注目して読み進めるようになり、より小説の世界に入り込みやすくなっているなぁと感じました。

今回も印象に残ったところを一つ紹介したいと思います。
これは、まさに「完全犯罪」を実行したと思っている犯人が、天才、城塚翡翠の様々な策にはまり、犯罪が露呈してしまった際の犯人と「翡翠ちゃん」との会話です。(以下本文より引用)

「僕は最初から騙されていたのか......。女性というのは、恐ろしいですね」
翡翠はちらりと天井を見上げて、いたずらっぽく笑う。
「女性が恐ろしいのではありません。私からすれば、男性が愚かなのです」
「そうに違いない」

男性諸君、だそうです(笑)
自分も男なんですが、どこかで、「いや、そんなことはない」と思っています。しかし、自分を振り返ったり、周りを見てみても、男が愚かである、ということを裏付ける事象が沢山あるんですよね、悔しいですけど(笑)
ことの真理なのは分かっているけど、認めたくない、そんな気持ちです。
分かってもらえますでしょうか?
ただあの「翡翠ちゃん」が言うのであれば認めるしかありませんね(笑)
「自分は愚かである」と自覚するのが、愚かであることから抜け出すための第一歩なのかもしれません.......そう思って自覚をすることから始めます(笑)

この他にも、「勘のいいミステリ読みなら、冒頭を読んだだけで気づいてもらわなければ困ります」や「あなたは探偵の推理を推理することはできますか?」など読者を試すようなセリフに、受け身になって読んでいると、ハッとさせられる瞬間もあり、どんどんのめり込まされます。

著者の相沢沙呼さんは、僕の大好きなYoutubeチャンネル「ほんタメ」のインタビュー動画で続編について、倒叙集と長編の2つを考えているとおっしゃっていました。どちらもとても楽しみです。
以下に動画のリンクを貼っておきます。

まさにすべてがひっくり返る「invert」な1冊でした!!
まだ未読の方は、是非前作の「medium」から読んでみることをオススメします!
早くまた翡翠ちゃんに会いたいです(笑)
ではまた次回、バイバーイ


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