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High Jumpの読書記録~六人の嘘つきな大学生~(ネタバレあり)

High Jumpの読書記録のコーナー!

今回読了したのはこちら!!!

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浅倉秋成先生の「六人の嘘つきな大学生」です!!

「伏線の狙撃手」というめちゃめちゃかっこいい異名を持っている浅倉秋成先生の作品を初体験しました!

もう恒例かもしれませんが、大好きなYoutubeチャンネル「ほんタメ」の「伏線がスゴイ小説3選」という動画の中で紹介されていました。

「ほんタメ文学賞」2021上半期の候補作にも入っています。

自分が就活を行うということもあり、「就活をしたくなくなる」という感想をちらほら見ましたが、ミステリー好きとして読まずにはいられず、気づけば書店で購入していました(笑)

話の概要です。(本の帯より引用)

ここにいる六人全員、とんでもないクズだった。
成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った六人の就活生。一ヵ月後までに最高のチームを作り上げ、ディスカッションをし、その結果次第では全員に内定が出るという。波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を開けると「○○は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
すべての伏線を、見破れ。

読了後の感想としては、最高でした!!
どんな小説でも基本的に中だるみというか、物語が落ち着く瞬間が存在します、そのときにいったん読むのを休憩することが多いので「一気読み」はあまりしないんですが、この作品は展開がめまぐるしく変わり、文字通りページをめくる手が止まらず、気づけば読了していました。
ミステリー要素はもちろんのこと、メッセージ性も強く、自分にぐさっと刺さる瞬間もありました。読み応え抜群!!
いやミスでもなく、読後は気分が少し晴れます
しかし、就活は確かにやりたくなくなりました(笑)

印象に残ったところを1つ紹介します。
最後に、いろいろな事件の真相を知った嶌衣織が、最後に思いふけっているところです。

おそらく完全にいい人も、完全に悪い人もこの世にはいない。
犬を拾ったからいい人。
信号無視したから悪い人。
募金箱にお金入れたからいい人。
ゴミを道ばたにポイ捨てしたから悪い人。
被災地復興ボランティアに参加したから絶対に聖人。
健常者なのに優先席に遠慮なく腰かけていたから極悪人。
一面だけを見て人を判断することほど、愚かなことはきっとないのだ。

この部分が個人的には著者の浅倉先生がこの作品を通して一番伝えたかったのではないかと思うと同時に、自分にも刺さった部分でもあります。
「一面だけを見て人を判断していませんか?」
してません。とはっきり言えない自分がいます。
自分が人に嫌な気持ちにさせられたとき、その人の粗探しのようなものをして「こんなことする人だからきっとこうだ」と決めつけてしまった経験があります。しかし、それはその人の一面に過ぎないのです。確かに少し悪いことをしたのかもしれませんが、誰にだってそのようなことはあります。その一面だけを見てその人のすべてを知ったかのように判断してしまうのは愚かなことなのです。気をつけようと思わされると同時に、就活はほとんど人を判断できていないのでは?とも思わされました。危ない思考ですね(笑)

確実に今年読んだ本の中では個人的には今のところ1番でした!
まだ未読の方は是非読んでみてください!
ではまた次回、ばいばーい

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