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ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・2〉

続き。

北方民族植物標本園

標本園、すごく面白かった。
アイヌ、ウィルタ、ニブフのそれぞれの民族が生活の中で使ってきた植物を、全部で約200種類展示している。

ただ、行ったのが11月だから残念なことにほぼ枯草だったので、春になったらまた来ようと思う。

標本園の植物配置図
すごい種類

ツルウメモドキの繊維も衣服に使われるそう
調べたところ、色が白いのでアットゥシではなく
テタラペ(レタルペ)になるようです

アシㇼパさんが着ているのがテタラペ

「飼い熊の病気に食べさせる」という果実は
マルベリーというスーパーフードらしい

現代では漢方のイメージだけど、
主な用途は悪疫に対抗する杖のよう

シナノキもアットゥシの材料のひとつ

ハリギリで舟を作るのがOKの地域と
タブーの地域があるそう

アイヌ語でペロニ
ペロ:ミズナラのどんぐり、ニ:木

どんぐりの総称はニセウ
コナラのどんぐり:チカㇷ゚
カシワのどんぐり:トゥンニ

アシㇼパさんが唄う
「ニセウ トゥイ ナー フィー♪」
(どんぐりがおちてるよ)は13巻

樹液のつららを杉元とアシㇼパさんが
食べるのは3巻
杉「天然の氷菓子か」
ア「先っぽが一番甘いんだ」

名前の由来は諸説あるそうですが、
トチの実を『トチ』・トチノキの幹を『トチニ』
と呼んだアイヌ語由来説も有力のようです

マロニエのこと

アイヌ語でクネニ
ク:弓、ネ:〜になる、ニ:木
弓以外にもいろいろ多用途
オンコの実、昔食べた気がする

アイヌ語でスンク
用途が多い
北海道の木に指定されている

アイヌ語でシケㇾペニ
シケㇾペの実がなるニ(木)
ウポポイで食べたカボチャのラタㇱケㇷ゚に
多分シケㇾペが入ってて、
山椒のような柑橘のような風味だった

キハダの木で作ったイナウはカムイモシㇼで
金に変わる最高位のものという

調べると、魔除けや病気祓いといった事が
たくさん出てくる

ライラックの同属で、初夏に白い花がつく
ハシドイは在来種だけど、ライラックは
明治23年にアメリカから持ち込まれた外来種

幹があまり枝分かれせず真っ直ぐ伸びる木
だから柱や丸木舟に向いてるのか

ミズキの木で作ったイナウも、カムイモシㇼで
金や銀(地方による)に変わる最高位のものという

アシㇼパさん!!

インカㇻマッが白石にイケマの根を
70銭で売るのは7巻

キロランケの煙草の葉もエゾユズリハなのかな

アシㇼパさんが蔓を切って樹液を飲むのは3巻
アシㇼパさんのかんじきもサルナシの蔓製
実(クッチ)を杉元にいっぱい食べさせようと
するのは13巻

サルナシの蔓
これを切って、アシㇼパさんと杉元は
水分補給してた

アシㇼパさんがオハウに入れてた
撮影時は秋なので跡形もなし

アイヌ語でチライアパッポという呼び方があって
チライ:イトウ、アパッポ:花
イトウが獲れる頃に咲く花

というのをアシㇼパさんが説明してるのは5巻
そのあと白石が人魚になる

北海道には竹がない
(ただ道南の一部地域には存在するようです)
ので、道民にとって山菜採りのタケノコといえば
このネマガリダケの細いタケノコのことです

アイヌ語でトゥレㇷ゚
10巻の偽アイヌ村事件解決の後、コタンの
女性が振る舞ってくれたのがトゥレㇷ゚の料理

ウポポイのキャラクターの「トゥレッポん」
はオオウバユリの女の子だそうです

千島アイヌの工芸品で使われているのをよく見る
テンキグサのテンキは天気の意味ではなく、
この草で作る入れ物や袋を「テンキ」と
いうからだそうです

用途の項目を見ると、「食べる」とか「道具を作る」以外にも、薬にしたり魔除けにしたり墓標にしたり、福寿草みたいに猟や漁のタイミングのお知らせにしたり、植物の存在は生活そのものだ。
それぞれの植物に、アイヌ(人間)の役に立つ長所がある。
それがきっとその植物に与えられた「役目」なのだろう。

カント オㇿワ ヤㇰ サㇰ ノ アランケㇷ゚ シネㇷ゚ カ イサㇺ
天から役目なしに降ろされた物はひとつもない

を、すごく実感した。

2023.11.3

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