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大事な「友」の使い切り方

以前、学生時代以来お世話になっているスペイン語の先生が、こんなことを言っていた。

「家族でスペインに数年住んだ時、スーツケース1つ分の日本食を持って行った。ふりかけなどを用意した。」

ふりかけをわざわざ持っていくのか、と私は思い、妙に印象に残っていた。子どもが白米を好んで食べなかったのかもしれないけれど、それなら、ごはんを食べなければいいのでは?

でも、メキシコに1年近く住んでみて、ふりかけのありがたさが身にしみる。

米が、日本のものほどおいしくないのだ。
カリフォルニア産のジャポニカ米は、スーパーで売られている。でも、それを普通の炊飯器で炊くと、ポソポソした食感で今ひとつ。水を増やしても、べちゃつくだけ。
もち米を4分の1ほど加えるとか、圧力鍋で炊飯するとか、工夫の余地はある。でも、手軽にいつでもおいしいごはん、というわけにはいかない。そして、炊き上がりは上出来でも、冷やごはんにおいしさを求めるのは難しい。

それでも、ごはんは食べたくなる。

そこで活躍するのが、ごはんの友。ふりかけ、漬物、お茶漬けの素……。
日本から送ってもらったり、一時帰国の際に購入したりした。

子どもたちも私も好きな「友」の1つが、ゆかり(しそ)。

ただ、ゆかりの問題点は、塩の粒が袋の底にたまりがちで、使っていくうちに塩っぱくなってくること。
日本では、少しもったいないが、最後は処分していた。でも、せっかくの日本食、ここでは捨てるわけにはいかない。

そこで、調味料として使うことにした。

例えば、冷やごはんを使って、毎日のように作る炒めご飯。


塩の代わりにゆかりを加え、醤油で味を整える。具材は、刻んだきゅうりの味噌漬けと炒り卵。
これが、やけにおいしい。ポロポロパラパラごはんの本領発揮。
ゆかりを無駄にすることもなく、大満足。

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