非マネジャーが『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』を読んでみた。後編

前編はこちら

後編も前編と同じような感じで書き綴っていきます。
よろしくお願いします。

ちなみに、私の読書スタイルは、基本的には「うんうん、なるほど」「あ、これわかる」などと言いつつ自分の経験と照らし合わせながら読んでいます。
経験したことがない話が出てきたら、自分ならどうしてたか想像してしまうタイプなので、この本のボリュームの割には読み終わるのが遅かったです。

第4章 〝一瞬〟で差をつける「チーム時間」の使い方

・よい集合知を得るには、完璧主義ではなく、「実験主義」でなければならない
・心理的安全性があれば、挑発だってできる
・チームメンバーとの会話を通じて、自分自身をアップデートする
・話し合いで大事なのは、量よりも質
・計画主義では生産性を高められない
・「クリエイティブ・カオス」を目指す
・「カオス重視」と「ルーティン重視」は矛盾しない
・マネジャーによるコーチングは「ゲームで高得点を取る」ための教育
・「フィードバック」から「フィードフォワード」へ
・マインドフルネスの状態にあれば、会話の一瞬一瞬に集中できる
・一瞬一瞬の働きかけが、チームの「柔軟性」を高める
・自分の「判断基準」を前もってチームメンバーに伝える
・「一瞬一瞬の学び」を続けるには「アンラーン」が必要
・行動前、行動中、行動後。「振り返り」は3回行う
・チームで考えた「働きやすくなること」をどんどん実行する

4章は"節"が多いですね。
『よい集合知を得るには、完璧主義ではなく、「実験主義」でなければならない』から見ていきます。
そこには、誰にも正解のわからない時代だからスピードが大事で、試作品についてみんなでディスカッションすれば、よりよいものが素早く出来上がるわけだ、というようなことが書かれています。
これが筆者の言う集合知のようです。
この本を読む前から私も同じ考えなので共感できました。自分の中では完璧に仕上がったと思っているものも、間違っている可能性があるわけなので、それを早い段階で修正できると無駄が減りますね。

次の節の『心理的安全性があれば、挑発だってできる』ですが、これはちょっと私としては否定的というか共感しづらい主張でした。
言いたいことは理解できるものの、実践したりされたりするとちょっと困るな、という感じ。心理的安全性があればと前置きされてはいますが、挑発できるほど仕上がっているチームなら挑発する必要もなさそうではあるし、安全性が確立されていると勘違いしたマネジャーが煽りだしたらびっくりします。

『「フィードバック」から「フィードフォワード」へ』というのはとても重要だと感じました。何かを始める前にみんなでフィードフォワードを行っておけば、それぞれの持っている知識も活かせるでしょうし、前述の集合知という動きに繋がってくるのではないでしょうか。
ただ、これをやり過ぎると完璧主義に傾倒しかねないとも感じるので、そのあたりのさじ加減は難しそうです。

『自分の「判断基準」を前もってチームメンバーに伝える』というのも大事だなぁ、と思います。メンバー視点で言えば、マネジャーが何を考えているのか、判断基準価値観がなんなのか、それらが判らなければ、自律的に動きづらいです。何をやるにしてもいちいち確認しないといけなくなります。
判断基準を伝えないマネジャーは、メンバーを成長させたいからなのか、単に言わなくてもこれくらいわかるだろうと思っているのかわかりませんが、いずれにせよ伝えておくほうがいいと感じます。
これを伝えられない人は、何をやってほしいかという細かい指示(マイクロマネジメント)と判断基準を同一視してしまっているのかも知れないな、と個人的には思っています。

第5章 「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法

・チームメンバーの「個性」に応じて接し方を変える
・1人のマネジャーに対し、チームメンバーは7人以内
・タイプの異なる3人のチームメンバーを組み合わせる
・チームの日常業務もする「プレイング・マネジャー」になってはいけない
・固定化されたチームは弱い
・「カルチャー・フィット」よりも「カルチャー・アド」
・前例をつくって、自分が手本になっていく
・フェイスブックと似た世界を体現する
・メンバー同士のつながりは「遊び仲間」に似ている
・「引き算の評価」で好ましい結果や行動を引き出す

本のタイトルにもある章題が出てきました。
さっそく『チームメンバーの「個性」に応じて接し方を変える』ですが、メリット・デメリットありそうだなぁ、というのが個人的な見解です。
自分の失敗談で言えば、年齢や先輩後輩関係なく敬語で接するのが良いと思っていたので年下の新人にも敬語で話していたのですが、あるとき「ずっと敬語で話されているから嫌われているのかと思いました」と言われたことがあります。
このときから意識的に接し方を変えるようになったので良い経験でした。
それから、この"節"の最後に、意欲と能力に応じて「委任する」「手を取る」「励ます」「指揮する」という四象限でわけられるシチュエーショナル・リーダーシップについて書かれてあり、参考になりました。文字数が多くなるので詳細は割愛します。

次に『タイプの異なる3人のチームメンバーを組み合わせる』ですが、面白い考え方だなぁ、と思ったので触れておきます。
タイプの異なる三人というのは「夢想家」「現実主義者」「批評家」のことを指すようで、ミーティングのテーマによってそれぞれが活躍したり貢献したりするのが良いみたいです。
一言でいえば、「メンバーのマインドセットの多様性が、チームの集合知を高めてくれる」そうです。ただし、このようなチームではファシリテーションが大事だとも述べられているので、注意が必要とのこと。

『前例をつくって、自分が手本になっていく』に話を移します。
言い換えると「Lead by example」で、リーダーシップの話のようです。
自分が手本になっていくような行動をしていけば、おのずと一緒に働きたい、サポートしたいという人が出てきてくれるでしょう、ということらしいです。
確かにそうだなぁ、と考えさせられました。
今よりも良くしようとすると、これまでとは異なる方法などに挑戦しないといけないでしょうし、それをしないマネジャーが上司だと自分が新しいことをやりたくなっても協力してくれなさそうな気がしてしまいます。

第6章 劇的に生産性を上げる仕組みのつくり方

・「お仕着せの仕組み」には意味がない
・「自動化・パターン化」でチームの心理的安全性を高める
・まずは、ちゃんとしたものでなくていい。とにかくやってみる
・はっきりした「チームのゴール」があるから、仕組みが生まれる
・「OKR」で各メンバーの自発的なゴールを設定する
・「だれが何を達成したか」をみんなでシェアする
・「報・連・相」はやりすぎぐらいでちょうどいい
・他のチームとの接点を増やせば、「思いがけない発見」も増える
・いまの自分の仕事をなくしていくのが、マネジャーの仕事

『「自動化・パターン化」でチームの心理的安全性を高める』で「グーグルはうまくいかない仕組みを改善するスピードも速かった」と書かれていました。それの一例としては、経理部で使っている会計ソフトが面倒くさいのならすぐに検証して人の行動やシステムを見直しているらしいです。
一度試してみてだめなら別の方法を試す、というのは合理的だと私は思います。意固地になって無理やり使いづらいものを使い続けたり、非効率なやり方を続けていったりするのはしんどいです。

自分の弱い部分だなぁと思うところは『はっきりした「チームのゴール」があるから、仕組みが生まれる』という節で感じました。書いてあることは理解できるけれど、いまいちピンとこないのは経験だったり知識がなかったりで想像がつかないからだと思っています。
文中に『マネージャーは「私たちはこういうアウトプットのためのチームなのだから、みんながこういうふうに働いたら、結果が出る」ということを判断しなければいけない』とあり、ここまではまだ考えたことがなかったな、と。
アウトプット、言い換えればゴールを決めなければならないわけですが、それは「会社のビジネスモデル」の把握が必要不可欠だそうです。

『「だれが何を達成したか」をみんなでシェアする』、グーグルではこれが仕組み化されていたそうで、こういうのいいなぁと思う反面、なかなか面倒くさそうでもあるなぁ、と感じました。
グーグルほどの大企業で数えきれないチームがあるからこそ、このような仕組みが生まれたのでしょう。
グーグルでの評価はチーム単位で行われるようで、さらに個人評価はないらしいです。そのかわりなのか、ペア制度というチーム単位での行動を促す仕組みがあるようです。
同じくらいの実力同士でペアを組むのがいいのかな?と感じました。詳しいことは書籍を読んでもらえればと思います。

最後に『いまの自分の仕事をなくしていくのが、マネジャーの仕事』です。
これ自体はそうなんだろうと思います。マネジャーとは?みたいな記事だったり情報だったりで「自分の仕事を部下に任せていきましょう」みたいなことが書かれてあります。
が、メンバー視点から意見を述べると、だからといってろくな説明などもなしに丸投げだけをするのは辞めてほしいです。自分もマネジャーの立場になるときがきたら、しっかりと説明してからお願いするようにしようと思いました。
そして、「自分が持っているスキルやポテンシャルを十分に発揮できる環境は、いまや世界中どこにでもあるのですから」と勇気づけられる言葉で締めくくられています。


以上です。
前編は少し気合いれて書いていたのですが、後編はだれてしまったのと共感できる部分が減ってしまったので、ひねり出した感があるかも知れません。
単純に経験不足だからかと思います。

あくまでも自分がこの本を読んでみてこう思ったよというものなので、ご承知おきを・・・。
ここまで読んでいただけた方、ありがとうございました。

たぶんよろこびます。よろです。