「どんな人でも創作はできる。」ゲーム制作をするS高生にインタビュー!
取材・文=石田(N高6期・ネットコース)
画像提供=CHICHIさん
まえがき
創作活動やゲーム制作、一度はやってみたいと感じた方も多いと思います。
以前、総合型選抜についての取材に協力してくださったCHICHIさんからゲーム制作についても取材させていただけることになりました。
CHICHIさんがゲーム作成の上で「S高生ならでは」と感じているものがあるとのことで、創作活動について、そして創作活動とN/S高の関係について詳しくお聞きしようと思います!
CHICHI(ちち)さん S高3年生
以前取材に協力してくださった記事
【https://note.com/nshigh_newspaper/n/nbda332042495】にもCHICHIさんの人柄が出ています!
ゲームを制作するということ
ーー今回はゲーム制作についての取材ですが、どのようなゲームを作られていますか?
「考古学者ジン」という、ストーリー重視のアドベンチャーシュミレーションゲームを作りたいと考えています。
僕がシナリオメイン、ごーぐるさんがゲームのシステムをメインで担当しています。
ーーなぜ小説や漫画の執筆ではなく、ゲームを作ろうと思ったのですか?
過去に一度、ゲームを作りたいと思っていた時期があったのですが、当時は1人で技術力がなかったというのもあり頓挫してしまったんです。
頓挫したことにより、良い意味でのゲーム作成に対する執着があったこと、そして、ある方を通じてごーぐるさんという方に出会い、その方に自分の創作について話してみたところ「一緒に作ってみないか?」と誘われたことがきっかけです。
ごーぐるさんが過去にゲームを制作した経験のある技術を保持している方なので、再びゲーム制作に挑むことができました。
また、「MadteaClub」という同人グループが作っている「鍵の国のアリス」というフリーゲームに出会って、「ゲーム制作って凄く面白そう」とゲームを作りたい気持ちが高まったのもきっかけですね。
ーー共同で制作をする上で、大変なことをお聞きしたいです。
ごーぐるさんが社会人で、社会的立場の違う人との共同制作なので、打ち合わせのスケジュールを合わせることが難しいですね。
しかも自分の卒業が間近であるということや、ごーぐるさんのお仕事の関係で定期的な打ち合わせでも来月はわからないなど不透明な部分があります。
あと、打ち合わせで、自分の脳内にあるものがしっかりと相手に伝わっているのか、もし仮に伝わっていなければ段々乖離してしまって良くない方向に進んでいってしまうので、そこをきちんと確認します。
実は僕、ほとんどゲームをしたことがなくて。ゲームに対して理解があるごーぐるさんと、理解がない僕みたいな、ゲームに対する角度の違いが問題を複雑化させることもあります。
いわゆるソシャゲというスマートフォンのゲームは遊んだことがあったんですけど、今回制作するゲームはテレビゲームのような「終わりのあるゲーム」なので、理解を深めるのが最初は少し大変でしたね。
ーー「考古学者ジン」をストーリー重視の「終わりがあるゲーム」にしたのは、元々あった創作物をベースにゲームを作られているからですか?
そうです。自分のストーリーを生かそうと思った上でごーぐるさんに提案をしてもらい、今回の形になりました。
ーー逆に、楽しいことは何ですか?
打ち合わせが凄く楽しいです。(笑)
ごーぐるさんとの今後の展望に関するお話や雑談を通して、相手を知っていくことが
凄く楽しいと感じています。
その楽しさが、ゲーム制作に対する熱意に変わりますね。
ーーモチベーションについてもお聞きしたいです。
シンプルなものになりますが、ゲーム制作に対する熱量ですね。
打ち合わせのなかでどんどん形にしていくことで、自分がごーぐるさんといっしょにゲームを作れているんだなという気持ちになり、作ることに対する熱意が常に注がれているように感じています。
僕にとって、今行っているゲーム制作は凄く人生にとって大きな節目になると考えていて、そんな中でごーぐるさんと形にしていくことで感じられる熱意が、モチベーションになっています。
S高生である自分とゲーム制作の関係性
ーー総合型入試の記事を拝見しました。昨年6月にS高に転校してこられたとのことで、この活動はS高生だからこそできたといった感じですか?
そうですね。
自分は受験生なので、本来ならば勉強している立場なんですけど、転校してS高生になったことにより転校前より時間が出来たので、趣味に時間を割くことが出来て、趣味の先で共同制作者であるごーぐるさんに出会うことができたといった感じですね。
ゲームを作成するきっかけになった配信者の方やゲームを知り、共同制作している方に出会えたため、人とつながる時間ができたという意味でもS高だからこそできたことだと考えています。
ーー趣味が一緒でも自分の考えたものを共同制作してくれる仲間に知り合うことって少ないじゃないですか。出会った経緯についてお聞きしたいです。
ウォッちさんという配信者がいて、僕もごーぐるさんもその方のリスナーだったんです。
「鍵の国のアリス」という作品を通して、自分もゲームを作ってみたいと感じたことがきっかけとなり、ウォッちさんの配信の中で「いつかゲームを作ってみたいなw」という、呟き程度のコメントをしたんですね。
ウォッちさんは僕の趣味が創作活動だということ、ごーぐるさんがゲームを制作していたことを知っていて、僕とごーぐるさんがコメント欄にいたときに、「じゃあ一緒に作ればいいじゃん」と言ってくださったことがきっかけで、共同制作をすることになりました。
ーーCHICHIさんが創作活動をする上で感じている、N/S高生だからこその利点を聞きたいです。
まず一つ目に、普通の高校生より時間があること。
何かを形にするというのは非常に時間がかかることで、結果として普通の高校だと時間が足りずに頓挫してしまうことが多いと思います。
N/S高だと、趣味に時間をかけることが出来る、という利点があると思います。
二つ目は、色々な体験ができて、様々な人に出会えるということですね。
N/S高生は合わせて二万超いるので、様々な人に出会うことで創作のアイデアが貰えたり、実際話したりすることで、作品を奥深くすることができるという利点があると思います。
あと、様々な体験も出来ますしね。
ーーそうですね。今このようにお話できているのも、N/S高校ならではですもんね。
実際、創作作品を考えていても形にすることが出来ていないということが多いんですよね。
僕が人と出会い創作を形にできたように、N/S高には様々な手段や方法で創作を形にできるチャンスがあると感じています。
創作をしたいと考えている方にとって、N/S高はそのような面でも利点がありますね。
勉強と創作活動
ーー勉強と創作の両立はどのようにされていましたか?
僕は受験勉強の結果、創作が深まったように感じていて、両立というよりも同時進行していった感じが近いです。
受験勉強を通して社会について色々と調べていくうちに様々なことを学べ、それを創作に落とし込むことが出来るので、結果として創作の内容が奥深くなる、といった感じです。
勉強も様々なものがありますが、どれも創作に生かすことが出来ると思います。
ーー勉強したことや視野の広さが生きてくる......といった感じなんですね。
そうですね。また、総合型選抜だと視野が広くなれたり社会的なことを知れたりするので、今日学んだものをここにいれようかな、とできるのが強みでした。
ーー学生ならではのメリットですね。
学生だからこそ組み込める創作のストーリーもありますし、大人だからこそできる知識や社会経験を元に作る人もいますし、学生でも社会人でも、どんな人でも創作はできるものだと思います。
ただ、自身が持っている経験や知識をどのように落とし込むかが重要だと考えています。
ーー色々な体験をすることが創作には大事なんですね。
最後に、CHICHIさんからお伝えしたいことはありますか?
よろしければですが「考古学者ジン」と、僕とごーぐるさんのことを応援していただければと思います。
そして、N/S高は非常に人と出会うチャンスであったり、様々な経験を積むチャンスが多いと感じています。
創作活動に興味があったり、頭の中には浮かんでいるけれどまとまってはいないという人などは、時間を使って様々なものを学び、視野を広げていきながら創作活動をしていくと良いのではないかなと感じています。
あとがき
「学生でも社会人でも、どんな人でも創作はできるものだと思います。ただ、自身が持っている経験や知識をどのように落とし込むかが重要だと考えています。」
取材内でのCHICHIさんが仰っていた言葉です。
今回の取材を通して筆者は、何を経験した上で何を得るか、どのような手段で何を作成するかは人それぞれだと感じました。
自分は何を経験し何を得られるか。
その経験が、得たものが、いつか何かを作る際の糧になるかもしれない。
筆者自身がいつかのために、いまたくさんの経験を積もうと感じることのできる取材となったように、この記事が、みなさんの経験を積むきっかけや創作活動を始める後押しになれば幸いです。
関連URL
こちらでは、未経験でゲームを制作することや共同で制作する方と知り合った経緯についてCHICHIさんご自身から詳しく話されています。
今回取材内でお話しをしていただいた方々のURLはこちら
活動中の同人団体のurl(ごるCHICHI)
鍵の国のアリスシリーズのホームページ
共同制作者:ごーぐるさんのTwitter
CHICHIさんがごーぐるさんと共同制作するきっかけとなったウォッちさんのTwitter