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総合型選抜ってどんな感じ? ―合格した先輩に聞いてみた―

取材・文=かめた(N高6期・ネットコース)

N/S高に限らず、全国の高校生を悩ませる1つの関門。
それは、進路選択である。
進路という言葉を前にすると、私と同じくその言葉の抽象さに漠然とした不安を抱く方もいるのではないだろうか。
今回は、そんな不安を少しでも前向きな方向に変えるべく、実際に総合型選抜入試で大学に合格した先輩にその体験談を伺った。

CHICHI(ちち)さん
S高2期3年生・通学コース名駅キャンパス
2022年度、総合型選抜において、立命館アジア太平洋大学国際経営学部に成績優秀者として合格をされた。
趣味は創作活動で、プロフィール画像はCHICHIさんが描いたもの。

総合型入試を志したきっかけ

ーー統合型選抜入試を受けようと思ったきっかけは何でしょうか。

学力面以外の強さを測る入試を探していく中で、総合型選抜を見つけました。
僕は小学生のときにアメリカに3年間住んでいたので、自分の考え方が日本の方々と違うなって思うことがよくあったんですよね。
その考え方の違いを強みとして活かしたいなと思ったので、総合型選抜入試を受けようとしました。

ーーなるほど。その考え方の違いというのは、アメリカでの生活のどのような部分が影響したのでしょうか。

学校教育の違いですね。日本とはかなり違っていました。
アメリカの僕がいた小学校の授業では、みんながとにかく意見を言いまくっていたんですよね。
手を上げて、先生が指名するっていう感じとはまた違って、クラス全体でヒートアップするというか、競い合って意見を言うというような感じです。
先生もその競争を促していました。
そのような環境で過ごしていたので、自分の意見や考えを積極的に述べるようになりました。

アメリカで撮られた小学生のCHICHIさん

志望大学を決めるにあたって

ーーCHICHIさんが立命館アジア太平洋大学への入学を志した理由は何でしょうか。

自分がアメリカに住んでいたというのもあって、国際色豊かな大学がいいなと思っていたからです。
立命館アジア太平洋大学はすごく国際的で、学生の半分ほどが海外からの留学生なんですよね。
海外経験ができるプログラムもたくさん用意されています。
また、自分は将来経営に携わりたいと思っていて、それも加味して大学を調べたら立命館アジア太平洋大学の国際経営学部にヒットしました。

ーーCHICHIさんにとって、国際色が豊かなことのメリットは何ですか?

さまざまな国の方々と交流できることです。
自分とは違う国の方と交流することって、すごく勉強になると僕は思うんですよね。
自分と同じ意見だったとしても、その意見に辿り着くまでの道筋が全く違うというようなことがよくあります。
そのような交流によって、新しい発見がたくさんできるんですよね。

最初は自分を知ることから

ーー総合型選抜の準備はどのように行いましたか?

高校1年生の冬ごろから始めたのですが、最初はインターネットで社会のさまざまな問題について調べたり、過去の自分の経験を思い起こしたりしました。
それをする中で自分が感じたことを基に、自分の好きなことや興味のあることを見つけていきましたね。

ーーその中で見つけた、CHICHIさんの興味は何でしょうか。

経営ですね。将来、自分がやりたい事業を起こすことを目標としています。

ーーそれはどのような事業ですか?

僕が将来やっていきたいなと思うのは、伝統工芸品とスポーツを掛け合わせることです。
伝統工芸品にあまり興味を持っていないようなスポーツファンの方々に、伝統工芸品の良さを広めつつ、伝統工芸品とスポーツという今までにない組み合わせのグッズの提供を目指しています。
そのために、総合型選抜対策の実績作りも兼ねて、その分野に携わっている人やコミュニティを訪れたり、インタビューを実施させていただいたりしました。

ーーそのような自分のやりたいことを見つけることに、どれぐらいの時間をかけましたか?
高校一年生の冬から高校二年生の中頃までなので、だいぶ時間をかけましたね。これを総合型選抜の準備として含むのであれば、他の対策と比べて圧倒的に時間がかかった段階と言えます。

本格的な入試対策

ーー志望理由書などの、総合型選抜に直結する準備はどのように行いましたか?

そのような準備は、総合型選抜入試に特化した塾のサポートを受けつつ行いました。
僕は複数の入試方式で受験をしたのですが、1次選考として志望理由書やエッセイの提出、小論文の試験があり、2次選考として面接がありました。
そのため、文章を書く練習や、志望理由書の作成にはかなり時間をかけましたね。
もちろん、志望理由書には自分がしてきた経営に関するインタビューなどの活動についてもしっかり盛り込みました。
また、大学のアドミッションポリシー※を深く理解して、そのイメージを持っておくこともかなり大事です。
僕は塾を活用して準備を行いましたが、N/S高でも書類の添削などのサポートを受けることができるので、それを活用してみてもよかったなと思います。

※アドミッションポリシー
大学の入学者受け入れ方針。自校の特色や教育理念などに基づき、どのような学生像を求めるかをまとめたもの。

(デジタル大辞泉より引用)

ーー小論文の執筆は多くの大学の総合型選抜入試として課されますが、小論文の対策を行う上で気をつけたほうがいいことなどはありますか?

小論文で課されるお題は、当たり前ですが難しいんですよね。
主には今の社会に深く関連したものがテーマとなるので、普段からニュースを見たりなどして、社会についての知識をつける必要があると思います。

ーー2次選考の面接対策はどのように行いましたか?

2次選考の面接では、1次選考で提出した志望理由書やエッセイを踏まえての質問がされるため、自分が書いたそれらの資料についてはどんな質問が来ても答えられるように理解を深めました。
もちろんですが、模擬面接はたくさんやりましたね。
これは個人的な感覚ですが、面接中は会話のキャッチボールをするように心がけることが一番大切だと思っています。

N/S高の後輩へのアドバイス

ーー進路に迷っているN/S高の後輩へ、アドバイスをお願いします!

N/S高という素晴らしい環境があるので、是非とも総合型選抜を考えてみてほしいです。
自分は3年生からN/S高に転入したのですが、N/S高ほど総合型選抜に向いている学校ってないなと思ったんですよね。
調査書などの書類の集めやすさや、志望理由書の添削などのサポートがいつでも受けられることはもちろんですが、自由な時間の多さが一番の強みだと感じています。
自分の興味ややりたいことを探したり、それに向けて活動をしたりする時間がすごく取りやすいんですよね。
だから、進路に迷っているのであれば、総合型選抜を一度は考えてほしいと後輩に伝えたいです。

ーーありがとうございます。それでは、総合型選抜入試の受験を考えたときに、最初に何をすることをおすすめしますか?

総合型選抜についてより詳しく調べるのはもちろんですが、今実際に自分が興味のある分野に取り組んでいるのであれば、さらにそれを深めるのがいいと思います。
もしも今の時点でそれが見つかっていなければ、普段自分が考えていることや体験を思い起こしたり、社会について知ったりする中で自分の興味を見つけて、それをさらに深めることが大切ですね。

終わりに

今回のCHICHIさんへのインタビューを通して、総合型選抜は自分の興味や関心を出発点として準備ができる素晴らしい入試制度であると感じた。
進路に迷っている方は総合型選抜の受験を考えてみるのもいいのではないかと思う。
私自身も、進路選択に迷っているため、今回のインタビューはすごくありがたい機会であった。
また、CHICHIさんがおっしゃっていたように、腰を据えて自分の興味や関心を探したり、深めたりするのもいいだろう。

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