中小企業支援の備忘録として③
課長ヒヤリング
工場長から支援要望がありコンサルタント的な活動をすることとなった。
支援するにあたり最初に役職者4名に個別ヒヤリングを実施した
【ヒヤリング内容】
・事前に書いてもらった自己紹介文
・将来の夢はありますか?
・やりたいこと/やっていることありますか?
・今の現実はどうですか?
・業務の中であなたの役割は何ですか?
・貴方の問題点はありますか?
・職場の問題点はありますか?
・どうすれば解決できますか?
・貴方は日々、何を目的に仕事をしていますか?
課長
現在、品質管理課と生産技術課を兼務する課長職
社歴、入社以来30年、50代半ばである
自動機工程に配属され装置プログラム作成並びに設備メンテなど経験し今に至っている
品質管理課長として毎週月曜日に品質会議を実施している
ヒアリングした感想
一昔前の気合と根性で仕事しているタイプ、絵に描いたような人物である
論理思考は感じない
本人曰く、現場内の士気が低い為、強い口調で発言してしまい空回りしている
孤軍奮闘している状況
幾つか質問して分かってきたこと
自分は、流出不良を減らすために品質会議を開催している
何をどのように誰がやるのか具体性がない
数値化表現をしていない
どうして職場のメンバーは協力しないのかわからない
どうして行動しないのかわからない
どうしてやる気がないのかわからない
どうしてこのような状況になっているか理由がわからない
自分は品質管理課長であり会社方針に則り正しいことをしている
自分は正義、だからメンバーが行動するのが当たり前と考えている
これまで取引先に指導されてきたので、それらを守ることが正義として仕事してきたことが背景にある
本など含め新しい品質管理など情報収集はしていない
特に自分の行動全般的に変化を求めていない
年齢的に向上する気持ちは持っていない
その他
課長としての職務知識が不足している自覚がない
分析、解析、原因、対策やPDCAの何をどうしていいか分からない
コントロール出来るものと出来ないものを理解していない
発生都度、不良対策を実施している
そもそもppmレベルのものを、QC七つ道具で解決できると考えている
新しい管理手法など研究していない
問題点を捉えることが出来ない
目標目的など狙って行動していない
一番の問題は、原因が自分以外の所にあると考えている
今後時間経過後尋ねたいこと
自分が一般職のころ、上司であった課長をどのように見ていたか?
⇒自分がその当時考えていた課長像となっているのか?
人望があるのか?
⇒人望を得るには何が必要なのか?
課長職とはなにか?
⇒役職になるための準備(教育)がされてきていない
具体的な行動をとれる指示か?
⇒何をどのように相手に行動させるのか具体的な指示があるのか?
目標に対する取組が一般職にまで理解させているか?
⇒目標達成するための具体的行動が提示されているのか?
重要な問題点は3項
1項
会社から組織なり役職の業務とは何か説明なり教育がされていない
課長に昇格したことだけを伝えて、課長業務を具体的に伝えていない
⇒本人自身もこれといった努力をしていない
2項
本人に内省をする意識がない
⇒出来ないのは周囲のメンバーが悪いと結論付けている
3項
企業文化として数値化表現の業務を行っていない
⇒指示を数値化 回答を数値化