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【ワンランク上の看護】酸素投与はなぜ必要?【救急看護師はこう考える】

みなさんこんにちは。

救急看護師で呼吸療法認定士のこむぎ看護師です。

✔︎ 自己紹介
・3次救急病院救急看護師
・呼吸療法認定士、心電図検定1級、ACLS−EP、PEARS、PALS、PEEC、JTAS、JPTEC、JNTEC、AMLS、PHTLS、FCCS多数の資格保持
・新人教育、院内急変チーム、部署内勉強会の企画・運営をしています。
・Twitterで救急・心電図・呼吸療法の情報発信しています。

✔︎ 目次
□Googleの健康アップデートについて
□今は”根拠に基づいた看護”Evidence- Based Nursingが主流
□ある日の病室での出来事
    ーーーーーーーー以下から有料記事ですーーーーーーーー
□呼吸とは
□酸素投与とは
□酸素運搬量と酸素消費量のはなし
□動脈血酸素含量のはなし
□まとめ

□はじめに

2017年Googleは健康アップデートを実施しました。医療者の方はあまり馴染みのない言葉だと思いますが、簡単に言うと医療や健康に関することをGoogleやYahooで検索した時に、一般の方たちにもよりわかりやすく、より信頼性のある医療や健康の情報を届けられるようにGoogle社がアルゴリズムを改定しました。

つまり、医学的根拠のある情報が皆様の元に届きやすくなったと言う事です。

元来、看護師は教科書や参考書での勉強が主流でありました。僕自身も机に向かって教科書の内容をノートに書き写すような勉強を何時間も何時間もやっていたことを覚えています。

Googleの健康アップデートが行われた今、医学的根拠のある情報が調べやすくなった事に実感した人も少なくないのではないでしょうか?

みなさんの元に根拠のある情報が届きやすくなり、医療従事者の方もインターネットからわからない事を調べることも可能な時代になったのです。


□今は”根拠のある看護”Evidence- Based Nursingが主流

今日の医療はEvidence-Based Medicine(EBM)の概念が強調され、看護業界においても”根拠に基づいた看護”Evidence- Based Nursing (EBN)の考え方が主流となっています。

しかし、医療系の教科書や参考書ははっきり言って値段が高いです。

例えば、”酸素投与の根拠”について調べたいとします。

そうすると呼吸器の教科書や、”酸素投与の根拠について徹底解説!”なんていう看護雑誌を買ったりすると思いますが

調べたかったこと以外の本の内容にもお金を払っていることに気づいてますか?

これからは

必要な情報を、必要な分だけ、必要な時に、手に入れましょう!


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この記事は以下の方々に大変おすすめです!


・救急に興味のある方
・プリセプターや新人指導の機会がある方
・新人看護師
・呼吸療法認定士に興味のある方
・急変対応に不安がある看護師

この記事を読むことで
・呼吸困難感を訴える患者の対応方法がわかる
・どのような原因で呼吸困難になるかわかる
・呼吸困難の原因がわかり医師指示の根拠がわかる
・なぜ人は呼吸をしなければならないのかわかる
・酸素投与の目的がわかる
・呼吸療法認定士の試験で出題される内容なので理解を深めることが出来る
・新人教育や急変時の看護の根拠を確認することが出来る


            ・・・

毎年呼吸療法認定士の試験でも出題されている酸素供給量と酸素消費量、動脈血酸素含量についてかなり詳しく噛み砕いて説明しています。

   ”よくある教科書的な内容”ではなく

   ”医療現場の考え方”で解説しています。

部署内勉強会でも使用したスライドの内容から一部を抜粋して記事にしています。

            ・・・


こんなことありませんか?

呼吸状態が悪くなった患者に対して医師から

「酸素投与して!」と指示があった。

酸素飽和度の低い患者に酸素投与することは当たり前のように思えますが
その”根拠”を考えたことありますか?

根拠もなしにルーチンで仕事をするのは大変危険ですし怖いですよね。


□これは、ある日の病室の出来事です。

             ・・・・・

 ピコン ピコン

ナースステーションのセントラルモニターから酸素飽和度が低下したアラームがなりました。

モニター画面を見てみるとSpO2が88%まで低下。

担当看護師は患者の元に駆けつけました。

患者はぐったりしており、なんだかぼーっとしています。

汗もかいており呼吸も荒いです。

担当看護師はバイタルサイン測定を行いました。

体温38℃ 血圧90/50mmHg 脈拍110回/分 呼吸数24回/分

患者は80代男性、肺炎で入院2日目。抗生剤と点滴にて加療中。昨日まではリハビリも積極的に実施できており食事も摂取出来ていました。

本日夜勤帯で明らかに様子がおかしい患者を見て担当看護師であるあなたは医師に報告をしました。

 プルル プルル

「先生、お時間よろしいですか?患者のことで相談です。肺炎で入院中の方の呼吸状態が悪化しています。室内気でSpO2が88%で呼吸促迫しておりじっとりとした汗もかいています。発熱と頻脈、血圧の低下も認め敗血症性ショックを疑います。」

担当看護師は医師に診察に来てもらい、その後は酸素投与、輸液負荷、抗生剤の変更、昇圧剤の使用にてバイタルサインは安定し画像検査で肺炎の増悪による呼吸状態の増悪と敗血症性ショックが原因だと考えられました。

            ・・・・・

当直医の指示と担当看護師が実践した行為のEvidence(根拠)が分かりますか?

このような一連の流れを教科書や参考書は教えてくれません。先輩看護師は教えてくれるかもしれないし、自分で調べてね^^と言うかもしれません。

安心してください。

先ほどもお伝えしましたが、医療従事者にも必要な情報はネットで検索しやすいようになっています。

それではいよいよ本編です。ご覧ください。

(本編は約2100字で解説しています!)


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