点検班

 そこはアクアリウムのようだった。壁は黒くて、水槽がたくさん置かれていたから、そう思った。

 背の低い水槽の上に、水草が並べられている。それらはすこしずつ束にされていて、小さな小さな値札がくくりつけられていた。

 私にはA4の用紙が数枚渡されて、「よろしく」なんて声をかけられた。水草と値段が合っているか、点検してこいということらしい。

 さっそくとりかかる。

 もじゃもじゃの水草、500の値札、まるっこい水草、300の値札、半熟卵、バツ印のシール。

 必死に見ていたら夢から覚めていた。

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