見出し画像

よくあるQ.カンボジアの教育問題の現状を教えてください。

よく頂く質問に答えていきます!

(回答は、あくまでNPO法人HEROで活動している一個人としての経験や知識をもとにしています。他団体や情報とは異なる場合がありますので、お好きな情報を選んで頂ければと思います。)


Q.カンボジアの教育問題の状況を教えてください。

カンボジアでの学校建設の活動や、ボランティア募集が多いので、カンボジアではまだまだ学校に通えていない子がたくさんいると思われていますが、実際は

90%以上の子ども達が学校に通えているという調査結果があります。

(データはググってください)

意外と高い数字に驚く方も多いのではないでしょうか。(実際私はそうでした。)それでも、まだ1万人以上は学校に通えていません。


学校に通えていても、まだまだ問題はあり、私の観点からすると大きく3つあります。

カンボジアの教育事情も含めながら説明していきます。


①教室が足りていない。老朽化してボロボロで使えない。

これが、我々がカンボジアで学校建設をしている理由になります。

多くの方は、学校が全くない場所に新しく学校をつくってると思われているのですが、(私も働く前はそうでした)

実際には、学校が全くないという地域は非常に少ないです。

なので、我々が建設している学校は、既に学校がある土地に増築や改築という形で校舎をつくる場合がほとんどです。


なぜ、校舎があるのに新しくつくるかというとこんな状況だからです。

画像1

画像2

何十年以上前につくられた校舎で、ボロボロになっていたり、雨をしのげなかったり、いつ壊れてもおかしくないような校舎で勉強している場合もあります。

さらに、カンボジアは子どもが毎年多く生まれており、生徒数が増えることによって教室に入りきらず高学年の子たちは炎天下の下で授業を受けているなんてこともあるのです。


この環境での勉強は非常に大変ですし、雨期では毎日必ず雨が降るのでやむを得ず授業を中断することもあります。


快適な環境で勉強をしてもらうためにも、安全な校舎を建築することがとても大切なんです。

画像3

NPO法人HEROが建設した学校


②小学校を卒業できるのは半分以下

入学率は9割を超え非常に高いのですが、実際に小学校を卒業できるのは半分以下です。

これには、カンボジアと日本の教育制度の大きな違いが関係しているのですが、

カンボジアの小学校では学年ごとに進級テストがあり、それに受からないと上の学年にいけないのです。

普通に授業を受けていれば受かるテストですが、落ちてしまう子も多く1年生だけど10歳という子もいます。

そうすると、自分よりも年下の子達だらけの中で授業を受けるのが嫌になって学校をやめてしまうという子も多くいます。


テストに落ちてしまう子が不真面目かというと、そうではありません。

授業に出たくても、いけないのです。

例えば、お母さんが病気になったから家事を手伝わなくてはいけなかったり、タイまで出稼ぎにいかなくてはいけないから半年学校にいけなかったりなど家庭の事情により学校に行けないという場合はほとんどです。

(これには、貧困や健康の問題も大きく関わっているので、NPO法人HEROでは学校建設以外でも別のアプローチで対策をトライアンドエラーしている最中です。)


③中学校、高校がそもそもない

最後は、そもそも進学の選択肢がないという問題です。

先ほども言ったように、カンボジアでは小学校はほとんどの地域にあります。

ただ、中学校になると数は減り、高校になるとさらに減り、大学は街の中心にいかないとありません。

場合によっては、小学校5,6年生がないという地域もあります。


街の近くに住んでいる子達や、たまたま近くに中学校がある子達は中学校に通えますが、それでも親の理解を得られずに進学をあきらめるという子達も多いです。

(将来は家庭の手伝いや農業をやるから学問はいらないと考える親もたくさんいます。彼らも自分自身は教育を受けられていない場合がほとんどなので、教育の重要性が理解できないのは致し方ないことです。)


NPO法人HEROでは、今後中学校や高校の建設にも活動を広げていきたいと考えています。


以上が簡単にカンボジアの教育に関する問題点でした。


色々問題山積みですが、それでも10年前、20年前に比べれば状況は毎年どんどん良くなっています!

我々NPO法人HEROも、全ての子ども達に教育の機会を与えられるよう活動を続けていく限りです。


引き続き応援をよろしくお願いいたします!!


NPO法人HERO


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?