全国15拠点で子どもの「やりたい!」を応援!放課後チャレンジプロジェクト
近年、「放課後」という時間と、そこでの体験活動が注目されています。
学校が終わり、子どもたちが自由に活動できる放課後だからこそ、子どもたちの「あれをやってみたい!」という声に応えたい、と考えている方は全国の放課後現場にも多くいるのではないでしょうか。
しかしそれと同時に、スタートするにあたってのやり方やノウハウ、道具、お金がなくどう始めたらいいのか……すぐに実現することが難しいというお声も聞きます。
そこで、放課後の居場所を運営する団体の中から、希望する拠点を全国規模で募り、子どもの「やりたい!」を一緒に応援する「放課後チャレンジプロジェクト」が始動しました。
※前年度行った支援「放課後STEAMプロジェクト」の活動の様子はこちら
始動編:https://npoafterschool.org/archives/blog/2022/08/36926
夏休み編:https://npoafterschool.org/archives/blog/2022/10/37890/
ふりかえり編:https://npoafterschool.org/archives/blog/2023/01/38600/
■「放課後チャレンジプロジェクト」とは?
「放課後チャレンジプロジェクト」でのサポート内容は2つ。
➀子どもたちのやりたいを実現するきっかけになる材料を封入した「活動スタートBOX」の配布
➁子どもたちが主体的に活動できるような環境設計を考える「プロジェクトサポート」
「活動スタートBOX」は、ソーイングBOX、こうさくBOX、お祭りBOX、外あそびBOXの4種類から1つを選択することができ、さらに放課後NPOアフタースクールのスタッフ(以下、放課後NPOスタッフ)がオンラインで、活動の工夫や事例を紹介するサポートを行っています。
▼放課後チャレンジプロジェクトの詳細はこちら
https://npoafterschool.org/archives/news/2023/07/39796/
今回のnoteでは、こうさくBOXの活動にスポットを当ててご紹介します。
■活動スタートBOX-こうさくBOXの中身は?
支援拠点へ配布したこうさくBOXの中には、割り箸やプラコップ、ビーズをはじめとした材料に加えて、工作にあると便利な木工用ボンドやヤスリといった道具も入っています。
当団体のアフタースクール拠点で、日々子どもたちの様子を見守っているスタッフらの意見を基に、中身をセレクトしました。
色々な工作に取り入れやすく、汎用性の高い素材を中心に、普段の活動ではなかなか常用できないボタンや木材などの「ちょっと特別な材料」も入っています。
■プロジェクトサポートは全3回-9月には実際にBOXを使ってみての報告会を実施
初回のプロジェクトサポートは7月中頃。全国各地の支援拠点の皆さんと、放課後NPOスタッフがオンラインで集まり、活動の始め方についてお話しました。その後、到着したBOXの中身を活用して、各拠点で活動にチャレンジしていきました。
9月の中間報告会では、活動開始時のお話や夏休みに来室した子どもたちがどんな工作をしていたかなどを発表いただきました。
■活動に対する悩みや課題の声
活動をスタートするときに、こうさくBOXへ興味をもってもらうための取り組みとして、様々な工夫が…!
大人が実際に作業をしてみせることで「何をしているんだろう」と子どもの興味を引いた拠点や、なんとこうさくBOXを開封する際、子どもたちの前で人形劇をして紹介したという拠点もありました!
それぞれの方法で声掛けをしたり環境を整えて、スタートを切ったプロジェクト。プラコップを使ってプリンを模した作品を作ったり、木材で汽車を組み立てるなど、子どもたちが目を輝かせて工作に取り組んでいる様子をご紹介いただきました。
その一方で、報告会では様々なお悩みも寄せられました。
こうさくBOXを見ても興味がなさそうに反応が薄かったこと、作品づくりを何からどうやればいいのか分からない子がいたこと、BOXを開封して以降、継続して取り組めていないこと……。
実施して直面した課題の声に、ほかの参加者の皆さんも「うんうん」と共感を示しながら耳を傾けていました。
しかしそういった課題や悩みをサポートするのが「放課後チャレンジプロジェクト」!
放課後NPOスタッフの運営する拠点の話を含めて、参加者全員で課題について話し、解決へのヒントを模索しました。
■報告会で「こんな時、どうしてる?」を意見交換
どうやればいいのか分からない子のために、見本を置いておいたり、工作が得意なスタッフが付き添っているという放課後NPOスタッフ。
見本を置くと、工作が苦手な子はその通りに再現して満足でき、得意な子もパーツを増やすなど発展させることで楽しく遊べるとのこと。
実際に、見本を参考に作品を作り始めた子どもがいたという報告もいただきました。
また、工作エリアをつくる際の工夫では、放課後NPO拠点で設置している工作素材ラックを紹介。
段ボールやプラスチック系を入れておく棚の他、特殊な素材を入れる「スペシャル」棚を設置しているのが特徴です。
「スペシャル」には、ホースを細かく切ってビーズのようにしたものや、おまけでついてきたシールなど、様々な材質のものが入っています。中でも、使わないなわとびを細かく切ったものは大人気だったそう。
今日は何が入っているかな?と子どもたちが棚を覗くそうですよ。
活動にあたり、「子どもたちで一つの大きな作品を作ってほしい」という目標がある、とお話くださった拠点もありました。放課後の居場所に来ることで、一人ではできない大きなことをやり遂げるという体験をしてほしいと語る先生。
いつか隠れ家をつくるなどやってみたいが、まだ個々人で作品をつくるところで止まってしまい、どう共同作業をスタートさせるか悩んでいるとのことでした。
その素敵な想いを受け止め、放課後NPOスタッフからは個人の作品があつまって一つの作品にする方法と具体例をお伝えし、共同作業への段階的な進め方や、子どもたちとの企画方法について意見を深めました。
この他にも、子どもたちの「やりたい」を引き出す環境にするために何ができるのか、こうさくBOXの素材や道具の置き方、出来上がった作品の展示方法など、大人にできる運営にかかわる部分の工夫を、時間いっぱいまで意見交換をした報告会になりました。
■子どもの「やりたい!」を叶えたい方々へ-最終報告会も予定しています
「子どもたちをまんなかに、やりたいことをやってもらいたい」「子どもたち自身で主体的に活動できる環境にしたい」と願っている現場の皆さんにとって、痒い所に手が届くような支援ができればと「放課後チャレンジプロジェクト」は企画されました。
実現への一歩を踏み出したい方と、共に悩み、喜びながら進めているこのプロジェクトも、いよいよ今月11月には最終報告会が実施されます。
「やりたい!」実現のために各拠点でどんなことを試みたのか、どんな形で実を結ぶのか。そして、子どもたちの様子は…?
今後、最終報告会を含めた記事の公開も予定していますので、「放課後チャレンジプロジェクト」にご興味のある方は、是非続報をお楽しみにお待ちください!
■オンラインフォーラム-未来にむけて「いまできること」とは
放課後NPOアフタースクールは、11月14日(火)にオンラインフォーラム「こどもまんかなでつなぐ学校と放課後~いま地域と自治体ができること~」を開催します。
こども家庭庁や、東京都三鷹市・北海道安平町のご担当者など、有識者をお招きし、地域や自治体、国がこどもまんなか社会に向けてできることを考えます。
こどもまんなか社会とはどういう形のことなのか、今日の日本全国でどのような取り組みがされているのかなどのお話を通して、これからのために「いまできること」を一緒に考えてみませんか?
放課後事業に関わる方や、その他ご興味のある方はどなたでもお申込みいただけます。(11月13日(月)17:00申込〆切)
お申込み者の方を対象に、後日アーカイブ動画の配信も予定しているので、当日リアルタイムでのご参加が難しい方も、ぜひご検討ください◎
詳細・お申込みは以下のURLをご確認ください。