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心と思考「独り言」

「難題に臨む」

『思考が浅いと「感情」優しい、怖い、好き、嫌い、などの感情で物事を考えるようになるのでしょうか。』という、コメントを頂いた。鋭いご指摘で、「感情と心」についての相関関係は、私にとっても課題の一つでもある。ただ、物事を考える場合、その先にあるのが「判断」だ。そして、人の判断に、感情が勝ることもあれば、冷静な思考力を持って臨むことが正しいこともある。しかし、多くの場合、感情的判断はその答えは既に決まっていることが多い。「好きか嫌いか」「損か得か」という二者選択で決まる。ここには冷静な判断は無く、深く考えることもないだろう。感情的な見方、判断は、ものの本質を見誤る事が多い。まずは、問題の本質を見ることが出来るか否か、その人の人間力が問われることになると思う。

昨日、楽天イーグルスが勝利し幕を閉じた日本シリーズだが、私はこのシリーズが始まる前から大きな疑問を持っていた。これは、真の日本シリーズではなく、既に勝者は決まっていたのだ。これにも感情的見方と冷静な見方の2通りが存在する。日本人はとかく情が絡むと冷静な判断が出来ないと言う。私は大の野球好きだ。少年野球のコーチや審判をしていた。審判は公正なジャッジが求められる。当たり前のようだが、これが実に難しい。息子が出ている試合の審判はいつも以上に緊張する。ミスジャッジは許されないからだ。常に公正を遵守することを改めて心に刻み試合に臨む。では、今回の日本シリーズはどうであったろうか。試合中継前から、東日本大震災を取り上げ、あたかも楽天イーグルスが、被災された方々の応援団長のように扱われていた。そうではない。日本中誰もが悲しみ苦しんだ、だから、多くの人達が被災された方々に手をさしのべた。冷静さを欠いたマスコミは日本シリーズに「情」を持ち込んだ。これは、マナー違反だ。こんな事を言うと今の状態では皆さんに怒られるかも知れないが、私は、純粋に野球を、日本シリーズを楽しみたかった。申し訳ないが、「被災された方の為に!」という事は、試合後に言って欲しかった。マスコミの、世間の皆が楽天イーグルスを応援しているかのような盛り上げ方に疑問を持ったのだ。もっと冷静に、この試合を楽しむことが何故出来ないのだろうか。この感情的なとらえ方は怖い。非常に危険なマスコミの行為だと思う。

私の妻は福島生まれだ、「私も東北生まれだけど、あの震災を出汁にして欲しくない。」とつぶやいた。「心と思考」難しいテーマを頂き、ふと先ほど述べた今回の日本シリーズを思い出した。感情は、時として単純な二者選択で物事を解決しようとする。好きか嫌いか、正か悪か、思考とは、時に心のブレーキの役割をすることがある。また、逆にアクセルの役目をする事がある。つまり、まずは冷静に見ることができる心の安定が必要なのだと思う。また、煽るマスコミに対し冷静に判断できるだけの基礎的知識と思考力を持たなければならないと思う。私は、やはり「心と思考」を切り離して考えることはできない。感情は、人間にとって最も大切なものだ。その感情は多くの愛で支えられるべきで、心の核であると思う。その核は、その後の学習によって高まる思考力によってより確かなものへと成長する。つまり、思考力が感情を支える役目を担うのではないだろうか。

私自身、心の狭さを感じることがある。もっと冷静に考えることが出来ればと反省することも多い。心を鍛える、多くを学び思考力を付ける。これ自体自分自身の永遠のテーマだと思っている。常に思い、考える、その対象が子どもであり、両親であり、家族であり、自然であることを付け加えさせて頂く。

東北楽天イーグルスの皆さん、優勝おめでとうございます。

2013/11/4


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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