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子どもを勇気づけることば

「こどもが望むことば」

私は野球が好きで、少年野球チームに我が子を入れていた。三男は、幼児の時から硬球を握っていた。少年野球のチームは、お父さんがコーチや監督をすることが多い。自分の子どもを贔屓してしまうコーチもいる。人間的に信頼出来るコーチや監督に出会う機会は少ないと聞いていた。息子は恵まれていたのかも知れない。小学生チームのとき素晴らしいコーチと監督に出会った。

ある試合の時、息子は5回までのピッチングを託された。華奢な体つきで体力が無い、ただ、コントロールが良いので起用された。息子は5回までパーフェクトに押さえた。しかし、ダッグアウトでは、「まだいけるんじゃないか」「続投させよう」という声が数多く聞こえてきた。監督は悩んだ。後で「欲が出てしまった」と保護者である私の所まできて謝罪までして頂いた。次の6回、息子は連続安打を浴びた。監督からピッチャー交代の声が審判に届いた。途中降板だった。息子は目に涙を溜めていた。申し訳ない気持ちがそうさせたのだろう。次の瞬間、監督から拍手と、帽子を取り、息子に「申し訳ない、ここまでよく投げてくれた。約束を破った私の責任だ。本当に申し訳ない!」と監督は息子に対し深々と頭を下げた。その監督の姿を見たコーチや保護者から、そしてチームメイトから大きな拍手と「よくやった!」の声がかかった。「胸を張ってマウンドから降りてこい!」と言い放った監督のことばは感動的だった。相手チームもこの光景を見守っていた。グランドに心地よい風が吹いた。しかし、息子の気持ちは複雑だった。というより、予期せぬ監督のことばに戸惑ったのだろう。「何をやってるんだ!!」と罵声が飛ぶと思ったのかも知れない。時間が経つにつれ、息子の顔からいつもの笑顔が出てきた。監督と笑顔でことばを交わし、率先してチームの応援に回った。一回り大きく成長した息子の姿をみた。チームは勝利した。

子どもはまだまだ未完成だ。だから沢山失敗もする。しかし、その失敗は時折大人が招いてしまうものがある。子ども自身の力を普段から見ていればわかることだ。ところが欲を出し失敗する。過度な期待が子どものこころを踏みにじる。努力が大切だ!学力は積み重ねだ!結果より過程が大切だ!と鞭を振るう。こうしたことばとは裏腹に、内容を見ないでテストの得点のみで判断し、不必要なことばを子どもに向けてしまう。学校と違い、塾や学習教室には様々な子ども達が通ってくる。学力に悩む子ども達は、学年が上がれば一様に学力コンプレックスを抱えている。最近のことばを使えば「病んでいる」ということになるのだろうか。だから、精神的ケアから入らなければならない場合が多い。そして、基礎学力を身につけさせる。親は短期決戦を要求してくる。こういう場合、こどもは自身が望むことばを掛けられていない。「何をやってるんだ!」ということばや、首を横に振り「ダメだな!」の表情をする親の顔を見ているのだろう。

ことばには不思議な力があると思う。勇気を与える力、笑顔を引き出す力、やるきを引き出す力、そして、厳しいことば。

野球では声を出しているチームが強い。互いに声を掛け合うチームが強い。先の監督の一声はチーム全体の意識を変えるほどの力を持っていた。それは、監督自ら行動で示していたからだろう。チームを率いる責任者として、子ども達から絶大な信頼を得ていた。厳しさは半端ではない。それでも子ども達は慕っていた。子どもは、親から、教師から、大人から、厳しいことばを望んでいるように感じることがある。子ども達が望んでいることばがあるとすれば、それは、厳しさに裏打ちされた、信頼出来る大人からの生の声なのだろう。

2014/7/12


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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この度クラファンに挑戦することになりました!

今回は私たちの運営する学習塾・幼児教室のキッズスクールアップル富ヶ谷での無料塾 を企画し、その利用料をクラウドファンディング にて賄い、子どもたちに確かな学びを無料で提供するという取り組みになります。

他の団体が行っている無料塾というのは質が担保されておらず、宿題の面倒を見るという形で運営が行われているところがほとんどで、その指導者はプロではありません。学生ボランティアや契約社員、アルバイトがが子どもの大事な時期の学習指導をしており、塾というより学童保育の意味合いが強いです。

私たちのモットーは”できる子はよりできるように、できない子はできるように”と日々、学習指導をしています。

「本屋さんに売っているドリルをやらせれば、塾なんて必要ない。」
そうでしょうか?
ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けないように人は人でしか磨かれません。
AIロボットは問題を作ることはできても、教えることはできません。
なぜなら、子どもたちは未熟だからです。成人したリテラシーのある大人が扱うからすごいのです。
幼児期・小学生の学習指導、子育て相談は私たち専門家にお任せください!

でも、私たちの取り組みでは少子化は解決できませんし、生活困窮世帯に給付をして裕福にしてあげることはできません。

ですが、学力格差を解消することはできます!

まずは学力格差を私たちと一緒に解消して、子どもたちの未来を創造していきませんか?

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