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原点回帰「独り言」

「愛なき世界に」本能に逆らっては…

今朝のニュース番組から「家庭内離婚」ということばの後に、「死体遺棄事件」ということばが続いた。最近、年配のご夫婦にこの「家庭内離婚」が目立って来たという。家庭内では互いの存在を無視して生活をしていたらしい。縁あって結ばれた二人なのに、若ければ即離婚だったのだろうか。結果、相手の死を確認できなかった。こうした事件が相次いだことでニュースとして取り上げられた。かつて互いに誓い合ったであろう「愛」は何処にも見当たらない。残された者は、悲しいかな死体遺棄ということで逮捕された。

 愛知県の団地押し入れから少女の遺体が発見された事件があった。少女は自分の居場所を求めて友人宅に居候していた。本来であれば、彼女の居場所は家庭であるはずだ。彼女が家庭に求めたもの何だったのか。それだけ無理なものを求めていたのだろうか。先の「家庭内離婚」も含め、現代社会で発声する事件の殆どから、「愛なき社会」の実態が浮かんでくる。皆、求めているものは同じような気がするのだが。

 人間の持つ脳には、本能があるという。脳神経外科医の林成之先生によれば、人間の脳神経細胞の持つ本能は3つだという。

  • 「生きたい」

  • 「知りたい」

  • 「仲間になりたい」

この3つの本能が互いに結びつき脳の活動が行われているという。では、この本能に逆らうとどうなるのか、それぞれの逆を考えて見ると、

  • 生きたい→逝きたい、死にたい

  • 知りたい→興味が無い、勉強などしたくない

  • 仲間になりたい→一人になりたい、孤独、好きなようにしたい

 以上、逆の考え方を当てはめてみると、物事に否定的な人生が浮かび上がってくる。それだけではない。「仲間になりたい」という本能に逆らうと、個人主義・利己主義という考え方が見えてくる。こうした背景には、携帯電話から始まった「個」の社会形成があるように思う。人は携帯やスマホの回線で繋がっているように錯覚をしているのではないだろうか。人と人の結びつきは、面と向かった状態から始まるはずだ。まずは会って話すことが基本だ。幼児を見ていると、林先生の仰る人の本能がよくわかる。幼児は学びたがっている。友達を欲している。精力的に動き回っている。彼らの生き方こそ、人間の本能なのだろう。

 林先生によると、人は、「生きたい」「知りたい」という本能から「科学」を生み出したと言う。また、「知りたい」「仲間になりたい」という本能から「文化」を、「生きたい」「仲間になりたい」という本能から「宗教」を作り出したと言う。更に、現代社会では、「生きたい」「共に生きたい」という本能として「家庭」を築いてきた。「知りたい」という本能は、「教育」そして「学校」を作り上げた。「仲間になりたい」という本能は「会社」を作り維持してきた。今の社会をも回すと、人としての本能の真逆を歩み始めている。最小単位の社会である「家庭崩壊」は人々を不幸にしか導かない。「仲間」を無視した世の中は、最早社会というシステムを根底から崩壊させるだろう。

 今朝のニュースでは、広島の安佐地区でおきた土砂災害を報じていた。今夏、私達は、地球規模で起きている異常気象を目の当たりにする事になった。常に尊い人の命を犠牲にしてから学ぶという、場当たり的対応がどれだけ愚かなことかも同時に味わっている。国や地方自治体などの想像力のない対応は、既に、組織としての役割を担ってはいないのだろう。

 結果、世の中全体が「愛なき社会」へと突き進んでいる危険性を感じる。常日頃から、教育に携わる仲間と共に「教育の原点は愛だ」ということを互いに言い合ってきた。そんな仲間がいることを私は誇りに思っている。今、自分が求める教育には、やはりこのことばが相応しいと改めて思った。「思えば思われる」亡くなった母の口癖だった。幼児教育こそ、この教育が基礎からできる。改めて幼児期の教育(人間教育・命の教育・ことばの教育)の必要性と重要性を感じた。

人間は本能には逆らえない、逆らうところに問題が起きている。

2014/8/20


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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