見出し画像

保育園の取り組み

「保育士のレベルアップに臨む園長」

私は、以前、故水野茂一先生、故七田真先生と共に、幼児教育の可能性を追求してきた。現在も総幼研(総合幼児教育研究会)として全国の幼稚園を保育園でこの指導を取り入れている。この頃からのお付き合いである新潟の長岡にある保育園園長から研修のご依頼があった。保育園としての活動以外に総合教育をされている。保護者は、保育園に通いながら都心にある幼児教育と同レベルの授業を受ける事が出来る。市内の幼児教室はあるが、週1回の授業に対し、毎日の活動となると保護者がどちらを選択するか迷いはない。

朝、園児が集まってくると、園の玄関が子ども達の「おはようございます!」の元気な声でいっぱいになる。園の日課は体育ローテーションから始まる。北陸新潟の地、真冬であっても上半身裸で飛び回る子ども達の元気な姿がある。体育ローテンションは、いわゆる運動面と共に、感覚運動を多く取り入れている。実は、ベテランの先生であれば、何故こうした運動を取り入れているのかを研修で理解している。しかし、保育士の入れ替わりが指導理解に対するレベルを下げてしまう結果を招くことがある。こうした保育士の指導レベルを維持するため、またアップするため園長から定期的な研修の依頼がくる。研修は全ての分野に及ぶので、指導する私にとってとても勉強になる。

体育ローテーションが終了すると、ラジオ体操があり園長からの講話がある。その際、園児全員で福沢諭吉の「心訓」を唱和する。体育ローテーションは、基本を走る事に置いている。そして、回る・跳ぶ・はねる等の要素が入り、更にはつく、投げるという要素も時に加わる。運動と知能の発達は共に関係する。こうした理論的背景を説明研修することも私の勤めだ。足の筋肉を動かすことの意味、回る、跳ぶ等の運動と共に、平均台を使う意味など、こうした研修で先生方は確認し学ぶ事になる。先生方は、こうした論理的背景を知ることで、指導の幅が広がる。

体育ローテーションが何故行われるのか、何故必要なのか、指導者が其の意味を理解しているのがこの園の強さだ。それは保護者からの大きな信頼が物語っている。

こうした研修も、園長の思いを理解し行うのだが、園長と私との教育観の一致が最も重要になる。園長が教育の基本としているのが「命の大切さ」だ。ここを保育のスタートにする園長だから、当然私も力が入る。一つのビジョンを掲げ始まったこの園の教育改革は、既に多くの幼稚園や保育園の手本だと言われるまでになった。こうした周囲からの評価を聞くことなく、園長のご主人である事務長先生は数年前亡くなられた。誰よりも研修に厳しい方だった。其の思いが、良い伝統となりつつある。ここで指導される先生方も素晴らしい。ベテランの主任先生、娘さんの副園長とご主人の次長先生、長年この園で指導されている先生方が支える園は地域で最も信用と信頼、そして人気の高い園となった。

時代は変化してきている。しかし、教育の基本は変わらない。子ども達は幼ければ幼いほど学びたがっている。学ぶ事を当たり前と受け止める素直さを持っている。幼児期の大切な時間を園としてどう捉えるか、待機児童の問題もあるが、保護者目線だけでなく、子ども目線の対応が望まれる。常に教育の主体は子ども達であることを忘れてはならない。ことばでは「子ども達のため」というのは容易い。しかし、単に保護者受けする政府の対策に一抹の不安を感じてしまう。

この園では、知的活動としてフラッシュカード・プリント学習などが組み込まれている。フラッシュカードやプリントは当研究所の教材をお使い頂いている。音楽にも高い指導レベルを持ち、子ども達の演奏や歌声に感動する大人達は数知れない。この園の保育士は、どの園でも指導面でトップとなるだろう。しかし、園長の掲げる教育のハードルは高い。このブログのコメントで問題にもなったが、以前、この園を「真似た」幼稚園があった。しかし、研修も受けず付随する教材もなくすすめた指導内容は途中頓挫巣することになった。表面だけを真似ても子ども達の成長を見ればよくわかる。幼児教育の指導はそれほど甘いものではない。久しぶりに訪れる園はどう変化しているか、今から楽しみだ。いつもはじっくり見ることが出来ない実践活動を朝からつぶさに見させて頂く、そして午後の研修に入る。私もレベルアップしておかなければ。

2014/5/10


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
内容は公式HPへ

相談やお問い合わせ、無料体験教室の申し込みなど最新情報も受け取れる公式LINEアカウントも開設致しました!
ぜひお友だち登録して下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?