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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#独り言

疑問「独り言」

「アイデンティティー」存在の自己証明 夜の闇を照らすライトの奥から「声を出して、助けてと」お母さんらしい方の悲鳴に近い叫び声がこだました。広島県安佐地区で起きた土砂災害からの現場リポートだった。11歳と2歳の兄弟が帰らぬ人となった。胸を締め付けられるシーンだった。  天災と人災が重なった痛ましい事故であり事件だ。無理な宅地造成、無理な開発、今もなお続く危険な状態に、被害に遭われた方々は、これからの生活を考える夜も眠れぬ日が続く。果たして、この事故は想定できる範囲であったの

原点回帰「独り言」

「愛なき世界に」本能に逆らっては… 今朝のニュース番組から「家庭内離婚」ということばの後に、「死体遺棄事件」ということばが続いた。最近、年配のご夫婦にこの「家庭内離婚」が目立って来たという。家庭内では互いの存在を無視して生活をしていたらしい。縁あって結ばれた二人なのに、若ければ即離婚だったのだろうか。結果、相手の死を確認できなかった。こうした事件が相次いだことでニュースとして取り上げられた。かつて互いに誓い合ったであろう「愛」は何処にも見当たらない。残された者は、悲しいかな

思考が停止する子ども達

「学習中の独り言は…」 酷暑の中の夏期講習もいよいよ大詰めです。私は算数・数学の担当です、教室は冷房が効いている良いのですが、扇風機だけだっらと思うとぞっとします。この暑さでは脳も思考停止をしてしまうでしょう。新指導要領が展開されてから、学力遅滞、昔言われた「落ちこぼれ」について問題提起をしてきました。やはり、20年前の小学生と比較し、文章問題などの理解力、発想力は間違いなく低下しています。今、私の手元にある文章問題の資料は、1970年代後半のものです。中学入試に向けて文章

落ち着きのない社会 独り言

「ふれあい」 我が家にいる猫は飼われてから10年を過ぎている。夜中、家の裏の方で赤ちゃんの泣き声のような声が聞こえてきた。行ってみると、掌に乗るくらいの子猫で、このままでは可愛そうと思い飼い始めた。ところが、野良猫なのか、異常なまでに警戒心が強く、うなり声を上げたり、引っ掻いたりとひとしきりお転婆振りを発揮していた。それでも可愛いので、家族でスキンシップを繰り返した。すると言葉を交わせない者同士だが、次第に心を開いてきた。今では名前を呼ぶと「ニャー」と返事(?)をしてそばに

教育効果「独り言」

「手本」 我がラボスクールに新入室してくる生徒に対し、授業の最初に指導するのが家庭学習だ。子どもの学習状態は、記憶力ではフラッシュカード、集中力、持続力、はチャレンジ500(弊社の計算練習教材)で、またチャレンジ500では、どの学年で躓きがあるのかがわかる。中学生では、データベースシステム(吉備システム)で、その子の学校における位置がわかる。こうした学習情報を元に、学習上の問題点を探る。「まるで、病院のようだ。」と人は言う。 中学生では、それまでの何でもない問題点が、既に

「へいわっていいね」独り言

「子どもの心」 今朝、ウグイスの鳴き声で目が覚めた。実に気持ちの良い朝だ。我が家の周囲は樹木が多く、野鳥も多い。今日も平和な一日でありますようにとベッドから起きた。 先月亡くなった我が母の遺品整理がようやく終わった。昨日、雨の降りしきる中、主を失った家具がトラックの荷台に積み込まれ、長年一緒に過ごした家を後にした。業者は使わず、必要のなくなった家電製品を除き、全て処分は子どもや孫達の手で行われた。これで、今週末行われる49日法要と納骨を済ませると、子ども達、孫達一同で母を

ことばの軽さが気になる「独り言」

「全てはことばの乱れから」 先日、週刊誌の取材で、「小学校の入学式で、校長や来賓の挨拶に飽きた新1年生が暴言を吐いた。」ということを伝えた。大阪で問題となっている小中髙の校内暴力行為・恐喝・虐め問題に対応する大阪市についての取材だった。ことばの乱れは幼児から始まる。それは、子育ての過程で親から覚える事が多いのだが、幼稚園や保育園で友達から影響を受けることも多い。いずれにせよ、ことばの乱れの源は家庭にある。ことばを使い、物事を考え、理解し、伝えるのだから、ことばの乱れはそのま

知識偏重でありながら「独り言」

「知識獲得へ向けて」 急激な角度で学力重視に向かう教育界だが、その方向性に、現場も子ども達も、そして保護者もついて行けない状態ではないだろうか。こうした社会の変革期では、必ず犠牲者がでる。それは、時代の急激な変化に脳が対応できないからだ。先を読み、準備をするだけの余裕もない。子ども達の学力に目を向けると、知識偏重教育からの脱却を目指し、思考力重視へと大きく舵を切った教育界だが、思いの外子ども達の学習知識は浅く、必要とされる語彙力も不足している。ゆとり教育にどっぷりと浸かって

変化と進歩「独り言」

「イノベーション」 何度も書いてしまうが、覚悟をしていても母の死は私にとってかなりのショックであった。いるべき人がいない、叱ってくれる人を失う辛さ、そして形あるもののはかなさ、自分は生かされていたのだという実感を母の死を通じて悟った。今、毎週土曜日主を失った家に出向き荷物などの整理をしている。玄関のドアを開けるとき、いるはずのない母の姿を探してしまう。自分自身、このままでは進歩がないとスタッフと共に新たな教材開発と教室の刷新に取り組み始めた。時に頭の中をリセットするのも大切

叱る「独り言」

「親だから」 教育の仕事というのは、子ども達の幸せを願い授業を通して指導するものと思っている。人の幸せを願う、学ぶ事も同じだと子ども達には伝えている。人の不幸を願うなどとは無縁の、仕事に対する思いは全ての職に共通した基本だと思っている。 その人の持つ人間性とは、その人が亡くなった時に解ると両親から教わった。なる程、母が亡くなってそれを実感した。誰にでも気遣いを忘れない人だった。それは、弔問に訪れる人の表情、言葉、涙で理解出来た。ヤクルトの方など、声にならず泣き崩れてしまっ

考える「独り言」

「言葉の重み」 テレビから安倍さんの持論を展開する画面が流れている。この人の発する「国民の安全」「国民の平和」「国民の幸せ」に、本来は人の心を捉えるはずの言葉なのだがとても違和感を感じる。それも毎回なのだ。安倍さんのこうした言葉本来の意味を伝えきれない要素に何があるのだろうか。人の「心」を伴うはずの言葉は空しく宙を舞うだけだ。それは、安倍さん自身が「軍事的平和主義」を前提にしているからではないだろうか。力は力で制するものという非人間的な考え方が根底にくすぶっている。先の大戦

事実を知りたい「独り言」

「美味しんぼ問題」 東日本大震災とその後の大津波で被災し、大きな事故を起こした福島第1原発。この事故による二次被害は私達の目には見えない放射線との戦いとなった。居を構える流山市もお隣の柏市と同じホットスポットよ呼ばれる放射線量の多い地域として警戒を強めていた。自治会でも、放射線量の定期的計測を行っていた。我が家でも、測定器を購入し計測を試みていた。放射線被害は、広島、長崎、そして福島と3県に及ぶ。しかし、福島だけは違う。国の意志で作られ、東京電力によって管理運営されてきた。

水の話し「独り言」

「身体と脳が必要とするもの」 子ども達だけでなく、大人にも大切な健康管理。その健康管理の基本は運動と食事、そして正しい生活習慣となる。大人の場合、運動と食事が話題となるが、生活習慣も見直す必要がある。これは、自分自身に当てはまり、書きながら身が小さく縮む思いだ。私は、20代の頃から花粉症に悩んでいた。しかし、今春発症以来初めて薬を飲まず過ごす事ができた。多少の目のかゆみや、くしゃみは出たものの、気付いたら薬を飲んでいなかった。それも、医者から薬を出しますかと言われ、「そうい

指導の限界「独り言」

「子どもの自立学習」 最近、「子どもの学力がなかなか上がらないその理由は?」という質問が多く寄せられる。答えは至って単純「学習していないから」となる。年齢が上がる毎に、成績の上がらない事に対し、当の本人は様々な理由付けをしてくる。こういう子どもはいつまで経っても、自己責任という言葉がでてこない。申し訳ないが、保護者も塾に預ければどうにかなると思いがちだ。強制的に塾に行かされるわけだから多少の成績は上がるだろうが長続きしない。こうした意識の低い子どもの割合が増え、それは、その