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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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2023年7月の記事一覧

子ども達の変化に対応できるのか!

「教育の原点がここにある」 私の教育活動の中で、30年近くご指導をさせて頂いている新潟長岡の希望ヶ丘保育園。園長のご主人である、亡くなられた事務長の想いを繋ぎ、園長先生は名実共に保育園としては異例の早期知的教育を取り入れた総合教育を完成させました。知育・徳育・体育・食育、そして音楽を加えた教育活動は既に保育園の領域を超え、本来あるべき幼児保育の道を切り開いてきました。近くにある有名な幼児教室に通う子ども達も、この保育園に入園を希望します。いつも私が申し上げる、一般の幼児教室

不安を期待に 訪問記

「指導しにくい子が急増」 先ほど、新潟の長岡から帰ってきました。テレビの電話取材、授業見学、職員研修とどれも緊張の連続で、正直つかれました。ただ、この疲れは仕事をやりきったという、充実した仕事の後にくるとても心地よい疲れです。 0歳から5歳年長まで、全てのクラス視察は初めてです。それも細部に渡り、授業展開を見せて頂きました。この保育園は、我が国の幼児教育の最先端の指導をしています。この園で抱える問題点は、全国の子ども達が抱える問題点でもあります。今回問題となったのは、「指

長岡から発信

「指導しにくい子が急増」 昨日は6時に新潟県長岡に入り、食事先の一室を借りて、テレビ朝日のグッド・モーニングの電話取材を受けました。この前に、同じテレビ朝日のモーニングバードからも依頼があったので対応に追われてしまいました。どちらも、愛知で起きた「いじめられている子をかばった子が虐められた」という問題でした。6月11日のモーニングバードに出演の際、「ゼロ・トレランス指導」が話題となりました。今回の事件は、この時の報道に繋がる内容で、出演されていたサッカー解説者の松木さんが仰

知育・徳育・体育・食育

「入学準備」 昨日の「食育」は、ブログ更新後、注意欠如症について書き加えましたのでお読み頂ければ幸いです。 現在、年長児の保護者の方から、小学校入学準備についての御質問を多数頂きました。入学という新たな環境に向かう子ども達にどのような準備、対応をすべきかお話しをさせて頂きます。特に年長児に限定ではなく、お読み頂くとよいのではないでしょうか。 まず、精神面のお話しをしておきましょう。近年、精神的に成長仕切れない子どもや大人が急増しています。本日も兵庫県議の号泣記者会見が朝

知育・徳育・体育・食育

「脳を守る」 教育の柱には、知育・徳育・体育・食育があると言われています。日常生活に照らし合わせ、最近になって注目されてきたのが「食育」です。食事は、生命を保つために欠かせないものです。そして、身体をコントロールする脳にも大きな影響を与えます。食育にも幾つものテーマがあり、同時に家庭力や親力が問われます。 身体の成長と栄養(成長に必要な栄養素) 脳の成長と栄養(脳を育てる栄養) 食事の内容(偏食・好き嫌い・和食の薦めなど) 食品添加物の影響(アレルギー・精神障害など

されていない学習指導?

「幼児教育を考える」 学習活動の中で、集中力・記憶力は共に関心度トップです。保護者も、子ども自身も、自分の学習活動の中で足りない力が何であるかほぼ解っています。関心度トップである集中力・記憶力ですが、共に語彙力が鍵を握っています。また、語彙力の影響は理解力や読解力まで及ぶとなると無視は出来ないのですが、語彙数はおいそれと獲得出来るモノではありません。また、子ども達の学習活動は、自発的と言うより、「やらされている」という状態が多くあるように思います。自立を促す筈の学習が、無理

気象変化と人間

「親の二極化」 今日は、プリンスジュニア多摩センター教室のセミナーに招かれ、2時間の講演を行ってきました。顧問としては最後のセミナーとなりましたが、今まで以上にお集まり頂き感謝申し上げます。これまで、皆様には私の拙い話をお聞き頂き感謝申し上げます。ありがとうございました。 先ほど、家に戻り、このブログを更新しています。晴れ男と言われるだけ会って、講演鹿子前は太陽も顔を出し、順調に話しも展開し、無事終了致しました。帰りの京王線では、途中、明大前で井の頭線が冠水のため不通にな

「ゼロ・トレランス問題」自分で考える

「問題児隔離教育の是非」 大阪市で提案された「ゼロ・トレランス方式」について、賛否両論の意見が飛び交っている。それぞれの環境の違いによる見解が、この問題の本質をぼやかす結果に繋がっているように思える。まず、何故、このような指導方式が提案されたのか、原点をしっかり見つめることが必要だろう。 社会全体として、生命の尊厳、個々の人権を踏みにじる行為が多発している。ある意味、差別という事も含め、正常に反応すべき事柄に人々の感覚が麻痺しているとしか思えない光景が実に多い。都議会のセ

学習と記憶

「記憶力を高める」書写のすすめ! 記憶力については、今まで何度もこのブログで取り上げてきました。記憶力を高める学習は、様々な指導法として紹介されています。それは、学習に於いてとても重要な意味を持っているからです。記憶には短期記憶と長期記憶に分類されます。テスト前に一夜漬けで覚えた歴史の年号や、化学記号など、テストが終了すると忘れてしまうというご経験があるかと思います。その時には必要であっても、必要なくなると、意識から消え、後から思い出そうとしても中々思い出せません。これは、

知性を感じることばの変化

「向き合う授業、促す授業」 最近、母子分離が難しい幼児が増加しています。それは、登園拒否、登校拒否へと繋がるとても大きな問題なのです。母子分離ができない、その第1の理由は子どもが持つ「心の不安」です。幼児教室でも、保護者と一緒に行う教室が多いようですが、子どもの成長発達、そして自立を考える教室は、母子分離の指導をしっかりとカリキュラムに組み込んでいます。常に、親子を同室させると、子ども側では依存心、不安症が、親側では、比較症、過管理、過干渉を招き、また、我が子への侮蔑や苛立

子ども達の変化

「言語指導と国語指導の徹底を!」 子どもの知的成長は、年中前後から顕著に表れます。それは、丁度、文字や数に興味を示し始める年齢と同じです。この時期こそ、子どもが最も学びたがる時期なのです。それは、まるで白い吸い取り紙に吸われていく水のようで、子ども達の頭の中に染み込んでいきます。ここで大切なことがあります。吸われていく水の存在です。吸われる水の量こそ、子どもの知的環境の善し悪しを表します。水の質も問われるべきでしょう。 この時期に必要な環境が言語環境です。言語刺激は、その

教育効果「独り言」

「手本」 我がラボスクールに新入室してくる生徒に対し、授業の最初に指導するのが家庭学習だ。子どもの学習状態は、記憶力ではフラッシュカード、集中力、持続力、はチャレンジ500(弊社の計算練習教材)で、またチャレンジ500では、どの学年で躓きがあるのかがわかる。中学生では、データベースシステム(吉備システム)で、その子の学校における位置がわかる。こうした学習情報を元に、学習上の問題点を探る。「まるで、病院のようだ。」と人は言う。 中学生では、それまでの何でもない問題点が、既に