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学習と記憶

「記憶力を高める」書写のすすめ!

記憶力については、今まで何度もこのブログで取り上げてきました。記憶力を高める学習は、様々な指導法として紹介されています。それは、学習に於いてとても重要な意味を持っているからです。記憶には短期記憶と長期記憶に分類されます。テスト前に一夜漬けで覚えた歴史の年号や、化学記号など、テストが終了すると忘れてしまうというご経験があるかと思います。その時には必要であっても、必要なくなると、意識から消え、後から思い出そうとしても中々思い出せません。これは、記憶の仕方が間違っているのかも知れません。テストの時などで覚える内容は、長期的な記憶にならず、短期記憶として忘れ去られてしまうのかも知れません。

学習現場では、「この前授業で教えただろう!」という先生からの怒りに似た発言がよく聞かれます。しかし、記憶というものは忘れるように出来ているのです。全ての出来事を記憶出来るのはコンピュータだけです。人は、生きています。生活をしています。人間関係もあり、全てを覚えておくこと自体が苦痛となります。嫌なことを忘れる、記憶の中で忘却、消去というのは覚える以上に重要な事と言えます。事件後にあるフラッシュバックは、強烈な事件の印象が映像として焼き付き、そこに音、臭い、皮膚感覚等が加わり強烈な印象を持った記憶として脳に残り引き起こされます。以前、ある幼児教育団体で、このフラッシュバックに似た状態を引き起こしたことが問題になりました。幼い子への強烈な学習刺激は、時にして脳のパニックを引き起こしかねないのかも知れません。この場合、ことばの発声を規制されていた事もあり、指導上のストレスも加わっていたと推測できます。

石川教育研究所として、記憶に関しある仮説を立てました。物心がつく、皆さんはいつ頃だったでしょうか。記憶を遡っていくとある時期までの記憶が蘇ります。しかし、それ以前の記憶は確かではありません。何故でしょう。それは、まだことばを習得していなかったからではないでしょうか。つまり、記憶はことばに置き換えられる、ことばによって記憶されると言う事ではないかと考えられます。そして、ここでことばの獲得、語彙の獲得が記憶力を高めるのではという仮説が成り立ちます。以前ご紹介した語彙数調査では、語彙数は成績に比例する。語彙数は読書数に比例する。という結果が出ました。今までの記憶を高める指導法の殆どが記憶=暗記であったように思います。ことばの獲得、語彙数の量により暗記もより可能となるのではないでしょうか。

ことばの獲得は、読書、会話等が主流ですが、もう一つ、書写があります。読む事、聞くことだけでなく「書く」ことを日頃から付け加えるべきです。書写から学べる事は数多くあります。語彙数書くだけでなく、文章の構成、接続詞や助詞の使い方、数々の品詞等々、学べる事が満載です。学習の中で意外に語られないのが「丁寧さの追求」でしょう。文字や数字を丁寧に書く。これは学力向上3要素の内の一番に上げられます。(他の2要素は、「興味・関心が高い」「最後までやりきる」)もうすぐ夏休みです。この時期こそ、幼児でも出来る書写学習を行いましょう。低学年のお子さんにとって、書写学習は必須学習です。

2014/6/27


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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