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【開催レポ】設立記念祭対談#2〜働く場所から今を、学ぶ場所から未来を〜

こんにちは!
earth tree広報チームのぺくです。

2022年もあっという間に終わりが近づいていますね…!
日本はすっかり寒くなりましたが、みなさん、いかがお過ごしですか?
私は、寒さが増すにつれ、earth treeのInstagramやTwitterを見ながら、常夏のカンボジアを訪れたい気持ちが大きくなる日々です(笑)。

さて、また随分と間が空いてしまいましたが、今回も設立記念祭対談の開催レポートをお届けします。

テーマは「働く場所から今を、学ぶ場所から未来を」
earth tree代表の加藤大地(かで)と、認定NPO法人GLOBE JUNGLE代表 森絵美子(えみぽん)さんのお二人に、earth tree現地スタッフのちばちゃんがインタビューする形でお話を伺いました!

同じカンボジアで、子供の教育や大人の雇用支援に携わっていて、現地の方だけでなく、関わる人たちをハッピーにしながら、活動を続けてきたお二人。
そんなお二人だからこそ語れる、熱い想いやエピソードが盛りだくさんの1時間でした!

カンボジアはもちろん、国際支援や教育・就労支援に関心のある方にとって、きっと参考になるはず。
ぜひお読みください!


それぞれの活動について

対談中のみなさん、本当に良い笑顔!!

かつてバックパッカーとして旅をしていたこと、そして旅の途中で訪れたカンボジアの虜になり、「ここで何かしたい!」と思ったことがきっかけで、活動を始めたことがお二人の共通点。

団体どうしで応援しあったり、共感しあったり…といった、素敵な空気感や雰囲気が随所で感じられる、素敵な活動紹介でした。
(詳しくは、ぜひアーカイブで!笑)


earth tree 代表 加藤大地(かで)

2009年に、現在おもに活動しているトロペアントム村に小学校を建設。
約180人の旅人と力を合わせて成功へと導いたこのプロジェクトで、それぞれが自分の「得意」を活かしながら進めることで、想像以上のものを生み出せるんだと気がつきます。

以来、建設した学校での運動会や縁日といったイベント開催など、継続的にカンボジアと関わり続けてきましたが、常に「みんながHAPPYになれることを、みんなでやろう!」というスタイルで活動を続けてきました。

長くカンボジアと関わり続けるなかで、楽しいこともたくさんあった一方で、村の人たちが直面している困難や課題も見えてきます。
その過程で、何もできない自分をふがいなく感じることもあったという、かでさん。

2018年には家族でカンボジアへ移住し、一般社団法人Kissoを設立。
そこから、学ぶ環境と働く環境づくりを通した、生活の基礎づくりに取り組み続けてきました。

村の人たちとともに試行錯誤を繰り返しながら行き着いた先は、「村の人たちの”得意”を全力で活かす」こと。
たしかに、日本のように機械を使って、何かを生み出すことはできませんが、長年自然素材を活かして生活を続けてきた村の人たちは、自然素材を活用するプロ!
その可能性に着目し、現在は竹を活かした竹建築、女性は籐を使った日用品やアクセサリーづくりを行っています。

現在進めている最大のプロジェクトは、earth treeビレッジの建設。
竹を中心とした自然素材だけを使って、工房・レストラン・宿泊施設などの働く場所と学校が一体となった複合施設の建設を進めています。
この施設では、子どもたちが学校に通いながら、働く大人たちの姿を間近に目にすることで職業選択の幅を広げつつ、子どもたちが大人になったときに働く場所を提供することで、未来の子どもたちが安心して学び続けられるような循環を生み出し続けることを目指しています。


GLOBE JUNGLE 代表 森 絵美子(えみぽん)

えみぽんさん:写真左から2番目

旅の途中で虜になったカンボジアで「何かしたい!」と思ったとき、たまたま持っていた日本語教師の資格を活かし、3ヶ月ほど日本語教師をされていたという、えみぽんさん。
当時教えていた中学生の子たちが、目を輝かせて、前のめりで「あいうえお」から一生懸命学ぶ姿に心を打たれ、「この子たちが日本語を流暢に話せるようになったら、一緒に働きたい!」というのが最初の夢だったそうです。
*実際、すごく日本語が話せるようになって、通訳スタッフとして働くようになった方もいらっしゃったそうですよ…!

カンボジアに関わり続けるなかで、さまざまな課題にも気づき、一緒に井戸を掘ったり、学校の壁を直したり・・・自分にできる範囲のことから活動を始め、今ではくっくま孤児院運営、村でのフリースクール(2校)運営、学校建設、「パパママ大作戦」という奨学金支援、フェアトレード商品の販売などなど、じつにたくさんのプロジェクトを軌道に乗せることで、ご縁があった子どもたちを応援し続けています。

活動のモットーは「まわり めぐる ハッピー」。

「何かをしてあげたい!」と思って現地を訪れたり、「困っている人の手助けをしたい!」と思って支援をされたりすると思いますが、実際に現地を訪れると、いただくものの方が多かったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その気持ちを大切にしていきたいという思いを持つ、えみぽんさんとGLOBE JUNGLEのみなさん。
支援に上下関係はなく、出会った人はみんな友達であり、家族。
そのなかでハッピーがたくさん連鎖していくことを目指して、今日も日々楽しみながら、活動を続けておられます。


活動当初と比べた、カンボジアの変化

最近の首都・プノンペンの様子

今や首都のプノンペンは大都会。
シェムリアップも、2009年当時は、街中に信号機が1つしかなかったり、物乞いの子が多かったりもしたようですが、今は日本から訪れても快適に過ごせる環境が整ってきました。

ただ、郊外の村には、今も支援を始めた頃と状況的に変わらない場所があったり、貧困から出稼ぎに出ている家庭があったり・・・まだまだ課題が残る部分もあります。

そのようななかで、お二人が今、感じていることについてお話を伺いました!


課題の一歩目は脱したが・・・(かで)

2009年時点で、トロペアントム村には約256世帯1200人が生活していました。
そのうち就学年齢の子どもたちは514人でしたが、学校に通えていたのはたったの56人。
学校が遠すぎて、6歳の子どもが通い続けるのには無理があったり、仮に通えたとしても周辺4つの村から子どもたちが集まってきてパンクしていたり…という状態でした。
現在は、村に1つは小学校があるので、最低限通える状態にはなったという意味で、課題の一歩目は脱したと言えるでしょう。

ただ・・・せっかく入学しても、半数程度の子どもたちはドロップアウトしてしまっているのが現状。
勉強についていけない、貧しいから家の手伝いをする…など、理由はさまざまですが、ドロップアウトした子どもたちが「いかに自分の人生に希望を持てるか」が次の課題です。

学歴がないから、望んだ仕事に就けない、明るい未来を描けない・・・そう思うのではなく、earth treeビレッジの中で働く場所を提供したり、フリースクールの授業を通して、

人が喜んでくれることや助かること、これまで苦労してきたことを解決する方法を考えて、実行に移したら、絶対に周りに必要とされる。そこに対価をつけたら、それが必ず仕事になる。

そんな風に伝えていきたいと、かでさんは考えているようです。


これまでやってきたことが間違っていなかったと確信(えみぽん)

孤児院を何年も運営するなかで、幼かった子どもたちが大人になって巣立っていく過程を何度も見てきたという、えみぽんさん。
その過程で、自らのしていることに本当に意味があるのか、本当に為になっているのか、・・・何度も何度も考えながら、支援者の方々からお預かりした大切なお金を、現地でカタチにし続けてきました。

最近では、幼かった子どもたちが大人になってかけてくれた言葉から、「これまで続けてきたことは、決して間違っていなかった」と思わせてもらうことがすごく増えてきたそうです。

たとえば、対談当時はちょうどカンボジアのお盆の時期。
カンボジアのお盆は、「目の前にいる家族やお世話になっている人にまず感謝をしよう」という時期です。
くっくま孤児院を卒業し、国費留学を勝ち取って現在日本で勉強中の女性、技能実習生として日本で働いている男性の2人が訪ねてきてくれたそうです。

そのうちの1人が涙しながら、

小さいときから、家族みたいに応援してくださって、本当にありがとうございます!
ずっと日本のみなさんに感謝をしていて、その日本で勉強できている今がすごく幸せだってことを、十何年も応援してくれた日本のみなさんに伝えたいです。

とお話してくれたそうです。

みなさんの応援が彼女の頑張りに変わり、彼女が笑顔で頑張ることが、次の笑顔の連鎖に繋がることを、またひとつ教わった瞬間だったと言います。

もちろん、活動を続けるなかで、無我夢中でやったけど間違っていたこと、思い描いた支援にならなかったことも多々あったそう。
それでも、こんな風に「間違っていなかったんだ」と思える瞬間があったからこそ、今もなお活動を続けられているんだと、力強くお話される、えみぽんさんの姿が印象的でした。


今後について

「まずは”自分が楽しんでいるか”にフォーカスしよう!」

関わる人やお客様が楽しいかも、もちろん大切。
だけど・・・誰よりもまず「自分」が楽しくないなら、ハッピーはきっと連鎖しない。

笑顔の連鎖を生み出し続けるための在り方も、お二人やそれぞれの団体に共通しているポイントでした。

そんなお二人が描く未来にも共通点が・・・!

GLOBE JUNGLEが描く未来

くっくま孤児院の子どもたちは、伝統舞踊を長年続けていて、踊りがすごく上手。
また、バンドを組むなど、音楽にも一生懸命に取り組んでいます。
成長した子どもたちが、音楽や伝統舞踊を披露するために、日本に招待されるのが、夢のひとつ。

カンボジアには、文化祭や運動会がありません。
そういった行事を通して、子どもたちの成長を大切にしながら、芸術を通して生きていく力を育めたら…という話をしているところだそうです。
そこに向けて、少し大きな音楽学校を立ち上げるのか、そこはまた子どもたちと相談しながら決めていかれるとのこと。

また、日本にいても、児童養護施設などで生まれ育った子どもたちは、カンボジアに行くほどの経済的余裕がないという現実もあります。
そこに対して、孤児院の子どもたちが伝統舞踊を披露するツアーなどを通して、日本の子どもたちがカンボジアの子どもたちと触れ合う機会をどんどん作っていきたいとお話されていました。


そのビジョンに対し、現在earth treeビレッジの建設に携わる職人さんたちが、自然素材を活かした建築技術を日本に伝えにいけるような未来を描く、earth treeも大いに共感!

今後も、団体の垣根を越えて繋がりながら、笑顔の連鎖を生み出し続ける…そんな明るい未来が感じられて、最後まで心温まる時間でした。


おわりに

10年以上にわたって、カンボジアで活動を続けてきたお二人のストーリー、いかがでしたか・・・?

カンボジアという国に関わり続けるなかで感じる魅力、活動のやりがいや面白みだけでなく、活動を続けるなかでの苦悩や葛藤も含め、ありのままにお話してくださったことで、心動かされる部分がたくさんあった対談でした。

「まずは自分が誰よりも楽しむ!」
それが幸せや笑顔の連鎖への第一歩。

忘れずに日々を過ごしていきたいなぁと、私自身も強く感じています。

まだまだ書き足りない部分もたくさんあるので、気になる方はぜひアーカイブ動画をご覧ください!


earth treeでは、今後もさまざまなイベントを企画していきます。
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また、GLOBE JUNGLEの活動詳細については、下記Webサイトをぜひ一度ご覧いただけると嬉しいです。


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