イノベーションを起こすコラボレーション戦略とは?/「イノベーションを起こすクリエイティブ思考術」ゼミ第4回
エリック松永氏が率いるNewsPicksアカデミア「クリエイティブ思考術」ゼミ。第4回は「イノベーションを起こすコラボレーション戦略」をテーマに、コラボレーションの大切さを事例紹介を交えて講義し、ワークによるアウトプットを行いました。その様子をゼミ受講生の”すぎもん”こと、杉本竜弥さんがレポートします!
1.試験試合所感
8月20日に埼玉スーパーアリーナにて、バスケの試験試合を観戦しました。そこで強烈に感じたこと、それは「ルールがよくわからない」ということ。
ルールがわからないなりに楽しめはするのですが、それはあくまで点を追っかける楽しみ方。バスケに詳しいゼミ生・GTさんによる解説を聞きながらだと、プレーの一つ一つの楽しみ方の幅が広がりました。
プレー、一つ一つに意味があるんですよね。
いかにルールを楽しみながら学ぶか。
それはサービスの中に組み込んでいく上でも、大切な視点だと感じます。
2.コラボレーションがなぜ大切か
コラボレーションの歴史
日本はコラボレーション下手な企業が多く、中でどうにかしようとする傾向が高いといいます。元々コラボレーションは、
内製(自社内でやることが偉いという文化)
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アウトソーシング(自分たちの本流以外は他で任せたので良いのでは?)
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コラボレーション
といったように内製から始まり、時代に合わせて形を変え、現在に至っています。
「内製→アウトソーシング」については、AT&TとIBM、accentureとAT&Tの事例を用いて、具体的に説明していただきました。
以前はITは便利なグッズだったため、アウトソースが主流でした。しかしいつしか、ITそのものがサービス自体の中心に移り変わってきました。
テレビの在り方が変わる
「ネットにシフトしていく上で、テレビの在り方も変わってくる」とエリックさんは仰ります。
❶不祥事に関する放送
→ネットで放送したものを、テレビが後追いで放送する。
❷ネットフリックスの質の高さ
→お金のかけ方がすごい。市場がグローバル。
※テレビは規制が強いため、強烈なものがつくれない。
❶・❷は現代を象徴するトピックスであり、ネットが勢いづいていることを示唆しています。
オープンイノベーションが進む
話は変わり、オープンイノベーションについてです。
以前は「自社(事業全体)」「他社」「地方自治体」「大学」「政府」「研究機関」というように組織がつながっていましたが、現在は変わってきています。
「自社(事業全体)はA氏」「他社はB氏」「地方自治体はC氏」「大学はD氏」「政府はE氏」「研究機関はF氏」といった具合です。
つまり「組織と組織のつながりから、組織内の個人と個人がつなる時代に変わりつつある」ということ。人と人が繋がると、プロジェクトが動く。人材の流動が進んでいるため、それにより副業の後押しにもつながっているといえます。
個人と個人がつながった事例を、エリックさんの実体験を用いて説明してくださいました。
人選する上で大切なこと。それは、
「何をやりたいのか?」
まさに、アベンジャーズ的な発想です。アウトソーシングではなく、コラボレーション。個人と個人をつなぐことで、最大の価値を生み出す仕組みをつくり上げます。
コラボレーションの目的
そもそも「コラボレーションの目的」とは、何でしょうか?
エリックさんは、コラボレーションには6つの目的があるといいます。
1、コスト削減
2、リスクシェア
3、新規顧客獲得
4、マーケットの拡大
5、ブランド力強化
6、新しい領域、市場やサービスの開拓
ほとんどの企業が1~4を目的とする場合が多いです。売り上げのためにコラボする。利益のためにコラボする。もし5や6を目的としたコラボレーションを望むなら、「誰と組むか」がとても重要になってきます。
コラボレーションのポイント
その上でコラボレーションを行うポイントは、押さえておくべきだと感じます。
キーポイントは、共感。
私が伝えたことに対して「はぁ?」ではなく、「だよね!」と返してくれること。それが大切です。
まさに今、ゼミで大切にしている「概要化」の話。これがコラボレーションでも、大きく関わってきます。
自分たちの「Value」は、なにか?
自分の経験に基づくValueは、自分がわかっていない場合もあります。それは、自分にとって当たり前になっているためです。「知っている」が良くて、「知らない」が悪いではなく、どちらもValueになり得るということです。
バスケについて「知らない」から、解説ありのバスケ観戦が面白いと感じた。
これが「知らない」をメリットにしている事例です。
3.グループワーク(プレゼン&フィードバック)
与えられたミッションについて、アースフレンズ東京Zの山野オーナーに「それいいね!」と言ってもらえるような深掘りを、各グループで行いました。
最後に、各グループごとに発表し、エリックさんからフィードバックをいただきました。
ポイントは、概要化を膨らますこと。
エリックさんのフィードバックはとても心地よく、発想を膨らませるヒントをたくさん与えてくださいます。
理論的に詰められるのではなく、各々に寄り添い、可能性を見出してくれる。
これはゼミに参加した方だけが感じられる体験価値だと思っています。次回のゼミも楽しみです!
※
エリックゼミは、第5回「PRベースのデザイン思考戦略「Neo-PR経営」入門」に続きます。
<プロフェッサープロフィール>
青山学院大学教授/アバナード デジタル顧問
松永エリック・匡史
バークリー音学院出身のプロギタリストという異色の経歴を持つアーティスト、教育家、ビジネスコンサルタントとマルチに活動。戦略コンサルティング、デジタルトランスフォーメーションのパイオニアとしてアクセンチュア、野村総合研究所、IBM、デロイトトーマツコンサルティング メディア・エンターテイメントセクター アジア統括パートナー/執行役員、PwCグループ デジタルサービス日本統括パートナーとしてデジタル事業の立ち上げと業界をリードし現職。現在青山学院大学の教授と並行しONE+NATION Digital & MediaのCEOとしてデジタルサービスのプロデュースを行う。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。ONE+NATION Digital & Media Inc. 代表取締役CEO
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