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本能型起業家の「勢い」や「感性」が通用しなくなったら

自分が感覚でやっていることが、なぜか時代の追い風を受けるかのように、世間の求めているニーズにハマりまくって、何をやっても上手くいってしまうことがあります。

そんな時は「好き勝手に振る舞う」ことこそが、最も効率的で、そして論理的なアプローチになったりするもので、いわば自分の直感力が商売道具と言っても過言ではないわけです。

僕はオンラインのマーケティングだったりコミュニティ運営だったり、ビジネスのフィールドでそれを実感していますが、スポーツや芸能、音楽などアートの世界でもよく聞かれる話です。

キングダムでいうと完全に「本能型」で、麃公将軍のようなタイプですね。

僕がビジネス分野の発信を始めたのは、今から6年以上も前になるんですけど、当時はまだ20代前半で「直感とセンス」だけで、普通に何とかなっていて、多くの方からの反響をいただける発信ができちゃっていたんですね。

その時に僕が信じていたものは「自分の感覚」であり「自分がキャッチした世の中の温度感」で、マーケティング本だったり専門書で読んだことでも「これはちょっと違うなぁ」と思うことがあれば、自分の気持ちの方を優先して、結果的にそれが上手くいくことがほとんどでした。

ただ、どんな分野でもそうだと思うんですけど、どんどん自分が1つの分野を突き詰めていけばいくほどに、あるいは歴が長くなればなるほどに、自ずと視点や感覚が「大衆」から離れていってしまうものです。

元々は自分自身が「大衆代表」みたいな感じだったのに、1つのことを続けていけばいくほど、どんどん自分の持つ希少性が高まっていき、結果として大衆から遠いところにポジショニングせざるを得なくなる。

この状態で「自分の感覚」だけで何かをやろうとしても、やっぱり世間とのズレは大きくなってしまいますし、今までのような反応も取れなくなってしまいます。

じゃあ、どうすればいいのか。

完全に理論型に身を振ればいいかというと、それはそれで違うような気がしています。

結局のところ人の心をガッチリ掴むようなコンテンツを発信するためには「その人だけが持っている熱量」を伝えることが重要だと考えられるからです。

ということで、答えとしては「自分の感覚をロジックで理論武装すること」が最適解なんじゃないかと思っていますが、そのためにどんなことをすればいいかというと以下の通りです。

とりあえずたくさん勉強する

本を読んだり、映画を見たり、色々なコンテンツに触れることです。

特に自分よりも若い世代に受け入れられているものは、ちゃんとチェックした方がいいでしょうし、Twitterやインスタグラムを眺めていれば、どういう空気感が今という時代を反映しているのか、なんとなくわかってきます。

感覚だけでやってきた人が勉強を怠ってしまうと、途端に「痛い人」に成り下がってしまうので要注意です。

ブレーンを側に置く

忌憚のない意見を聞かせてくれる人をちゃんと用意しておくことですね。

できれば「ロジックで客観的な意見を寄せてくれる人」と「感覚的で今っぽくてセンスがいい人」の両方を抑えておければベストです。

どうしても自我が強くなりすぎてしまうと、客観的に見た時に良いコンテンツが作れないですし、周りもイエスマンで固める傾向が出てしまいます。

時代の空気を無意識に切り取ることが難しくなったら、それを無意識でできている人を側におけば万事解決です。

全てを自分ひとりでやる必要はないのですから。

個人的な感性の中に大衆性を見出す

活動を続けていれば続けていくうちに、自分の中の大衆性は薄れていくと言いましたが、人が抱える悩みの本質は、いつだって似たようなものだったりもするわけです。

例えば、成功者には孤独がつきものですが、世間一般のマジョリティ層とも言えるフォロワーたちも、一人一人それぞれの孤独を抱えていきているものです。

だからこそ、ミリオンセールスを飛ばすトップミュージシャンが極めて個人的な孤独をテーマに曲を作ったとしても、ちゃんと一般大衆の心に刺さるメッセージとして機能するわけですよね。

個人的に抱えている感情の中に、群集の心に刺さるポイントが見つけられないだろうか、そういう主観と客観を行き来する視点は、これからのマーケティングを考える上で非常に大事だと思います。

まとめ

「感覚とロジック」はどの世界でも議論に上がりやすい題材ですが、そこに優劣をつけるのではなく、どちらもバランスよく採用していける人ほど、正解のないビジネスの現場で活躍できるのでしょう。

今回は「本能型」の人がジリ貧にならないための考え方についてお話ししましたが、少しでも参考になれば幸いです。


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