見出し画像

『手帖』と手“帳”(2)【『平岡手帖』クラウドファンディング 4月1~30日】

『平岡手帖』のクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/747748)が4月1日から始まりましたが、最終日の30日まで、毎日、【『手帖』と手“帳”】と題したコラムの連載(ごっこ)をしていきたいと思います。
前回投稿については、平岡の各種個人アカウント(Instagram/Facebook/X)やnote( https://note.com/nozomu_h )を、クラウドファンディング全体の詳細については下記、あるいは @hiraokatecho をご覧ください)

この“コラム”では、

① 『手帖』について(特に、現在構想中の3月号を通して、いかに書いているのか)と、

② 投稿日当日や前日のこと=私の実際の手“帳”(A5判のコクヨ製キャンパスダイアリー)に書き込まれた、『平岡手帖』4月号として綴られるはずの出来事

の二つを紹介していきたいと思います(特に4月号は、定期購読していただけた方へ初めてお届けする本になります)。

…と書いている時点でぜんぜん『手帖』3月号が進んでいない。

昨日は、【『手帖』と手“帳”】を小田急線内で投稿した後すぐにトリゴヤ/ナミイタへ行って、作業用の服(ナミイタ主宰の東間嶺さんからは『アンダーニンジャ』に似ていると言われ、画像を見ると確かにフードが似ている)に着替えて罹災ごみの片付けを手伝う…はずが、飯島剛哉さんの“生ハム小屋”に入ってしばらく光を眺める。

この前の28日にも観に来ていたけれど、その日は曇っていて、燃え残った作品や木材で作られた小屋の中は暗く、ちょうど私の背丈くらいの天井に触れた髪が、ギシギシとしたのは煤のせいだろうか。

昨日1日の14時前は、ちょうど日ざしがたっぷりと零れていて(そのあと急にひんやりとして、2時間後くらいには雨になったけれど)、“小屋”の中はオレンジの光で満たされている…のは、正面の壁に唯一開けられた窓に、水あめで生ハムが貼り付けられているからで、顔を近づけると眩しいくらいだ。

本当は一日過ごしたいくらいだったが、遮光性は高いのに遮音性はさっぱりな小屋の中では周りの声がよく聞こえる、平岡さん倒れてるんじゃないっすか、という東間さんや、大丈夫かな、という吉川陽一郎さんの声が聞こえたので飯島さんに出してもらう(小屋の開口部にはかんぬきが嵌められているから、中からは開けられない)

その後、ナミイタで知り合ったUさんも偶然来て(手帖のコメントもお願いしていたから、その数時間前までメールでやりとりしていた)、Uさんが見終わり次第、小屋をみんなで解体したが作家の人たちはみんな素早い。吉川さんは天井に飛び乗ってネジをどんどん外していき、飯島さんは制作者として指示を出していく、Uさんも彫刻科出身らしいから木材を運ぶ手つきが慣れている、私はまごまご、ぼーっとしていて、東間さんは記録写真を撮っている。

作業を終え、みんなでトリゴヤ/ナミイタを後にしようと坂を上る、向こうの空では、雲がそこだけ切れていてレースのカーテンみたいに光が漏れている。
それは生ハムを透過した光のようだったし、ちょうどその直前に開いたSNSで知った、神戸の“お嬢様”パンダ(母がパンダ好きだから、私も少し詳しい)が天へ召される光景のようでもあった。

…ということを、カレンダーを見て思い出すことが、『手帖』を書く最初の段階で、今日は家で、3月のことを思い出して過ごしたいと思う。(続く)

―――――

【クラウドファンディングはじまります!】

本日から『平岡手帖』定期購読者を募る
クラウドファンディングを開催いたします!

詳細は「平岡手帖」アカウントプロフィールに記載のURLからご確認ください
@hiraokatecho

○『平岡手帖』
○場所:CAMPFIRE(https://camp-fire.jp/projects/view/747748
○クラウドファンディング期間:2024年4月1日〜4月30日(予定)
○目標金額:170万円(定期購読者300人)
○企画:平岡手帖制作委員会、ハンマー出版、額縁工房片隅

―――――
『平岡手帖』について。

1年のうち300日以上を美術に出会うために歩き回っている平岡希望さん。ここ数年は、毎年600カ所以上の展覧会に足を運び、その空間とそこにある作品1つ1つを熱心に鑑賞している。その動向はSNSでなんとなく目にしていた。最近では、かなり長い文章で美術との出会いを克明に記している。しかし、平岡さんの全貌は謎に包まれている。日々どんな生活をしていて、どんなふうに動いて、なにを考えているのか。そして、その美術への熱量はどこからくるのか。僕はずっと気になっていた。美術と出会うために、全てを注ぎ込んでいるような人。そんな人が、1人くらいこの世の中にいてもいんじゃないか。いや、いてもらいたい。そして、そんな生き方を応援したい。そんな思いを数人と話しているなかで、平岡さんの手帖を公開して、日々の美術との出会いを記録発信していく『平岡手帖』という企画は面白いんじゃないかという話になった。平岡さんに話してみると、ぜひやってみましょう、という事になった。展覧会とは、オーロラのようなものだ。その時その場所に行かないと出会えない。そして、その一瞬の会期が終わると風に吹かれた塵のように消え去ってしまう。そんな儚い展覧会というもののアーカイブとして、この「平岡手帖」が、もし5年、10年、続く事ができたならば、未来において日本の美術シーンを語るうえでの重要な資料になるのではないかと夢想する。そして、美術に出会うために自らの全てを注ぎ、歩き回っている1人の人間のドキュメンタリー・ノンフィクション小説として読むことも出来るだろう。平岡さんの1ヶ月を1冊の小説のような形にまとめて、それが1年間12冊、毎月送られてくる。今回のクラウドファンディングでは、そんな『平岡手帖』の定期購読をしてくれる人を募りたい。

この「平岡手帖」を定期購読するという事は、少し大げさかもしれないが、美術という1つ1つの小さな出来事を、1人の存在を通して美術史に小さく書き残していく、そんな事への協力になる。ぜひ、多くの方に平岡さんのそんな生き方を応援してもらいたい。

きっと今日も平岡さんは美術に出会うため歩き回っている。こんな人この世の中になかなかいないと思う。だからこそ。ぜひ『平岡手帖』の定期購読をしての応援、よろしくお願いいたします。

(平岡手帖制作委員会_佐塚真啓)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?