『宝の箱』お金なんて持っていなかったあの頃は、割れた瓶の欠片が宝石だった...夜話 message from spirits
石ころも
小さなガラス片や タイルの欠片さえも
大切な 大切な宝物だったよ
きらきら光る思い出と
ぼくの夢を詰め込んだ あの宝箱...
今はもう無い...
noZomi
・・・
・・・
素敵だな、綺麗だな...
そう感じる物と出会うと、
お金と引き換えに自分の物にする...
いつの頃からか、それが当たり前となった。
子供の頃は、そうではなかったのだよなぁ...
思い起こせばあの頃、
素敵だとか、綺麗だとか感じる対象が、
店では買えないものばかりだった。
当時、僕が魅力を感じていたあれこれ。
それは、
割れた硝子瓶のかけらだったり、
真っ赤に紅葉した落ち葉だったり、
時には、
錆びて曲がった釘なんかもあったりして…。
そこには、まだ小さかった僕が、
果てしない浪漫を感じた
「美」
というものがあった。
美しい宝石を拾ったような、
唯一無二の宝を手にしたような...
心躍らせながら大切に持ち帰ったそれらを
「たからばこ」
と、大きく書いてもらった
僕だけの特別な箱にしまっておく。
そして、
時々蓋を開けては、
ひとつひとつ手に取って、眺めて楽しむのだ。
今思えば、
どれも何の役にも立たないガラクタばかり。
それでも、
お金なんて持ったことがなかったあの頃、
小さな僕が手にしたあれこれは、
今、身の周りに在るどんな物よりも、
遥かにキラキラと輝いて...
僕の毎日は、
じゅうぶんに満ち足りていたのです...🍀
noZomi hayakawa
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