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ONLINE THEATREーDISTANCE FREE-とは(P)

2020年。
STAR☆JACKSは今年いっぱいを“武者修行期間”とし、
メンバーそれぞれが外部出演などで己を磨く期間と定めていました。
そんなさなか世界を襲ったコロナショック。
政府の緊急事態宣言以前からライブエンターテインメントは立て続けに自粛に入り、
当然ながら我々もその例に漏れず、(まだ公表してなかった作品も含め)外部出演はすべて吹っ飛び、
予定していた妹分ユニット・Cheeky☆Queens初の東京大阪二都市公演の延期も決断しました。


さて、どうしたものか・・・


自分たちに何が出来るのか、自分たちは何をする集団なのかを改めて見つめ直し、
月額制の会員サイト『浪花娯楽旗艦』を立ち上げて毎日コンテンツを発信してきましたが、
やはりひとつ大きな欲求から目を背けることは出来ませんでした。


舞台がやりたい


自分たちを見つめ直せば見つめ直すほど、この想いは募る一方でした。
ですが、想いは募るものの物理的に公演が出来ないという現実に、忸怩たる想いを抱いてきた三ヵ月でした。


私事ではありますが、今年からSTAR☆JACKSファミリーだけではなく、
MousePiece-reeさんのプロデュース協力にも携わるようになりました。
10月末に本公演を予定しているものの、まだ今後どうなるかは誰も分からない状況です。
ぶっちゃけて申し上げますと、コロナ前と同じ予算組み・公演の打ち方をしたらきっと大赤字になります。
これは恐らくSTAR☆JACKSやMousePiece-reeに限った話ではなく、
今ライブエンターテインメントを行う人たちがすべからく直面している課題です。


そんな中発表された【大阪府文化芸術活動(無観客ライブ配信)支援事業補助金】の話。
もしかしたらここに可能性があるのではないか。
今後、否応なく変わらざるを得ない舞台公演のひとつの可能性を試すチャンスなのではないか。
普段とは違う状況だからこそ、従来なら考えられないようなことが出来るのではないか。
STAR☆JACKS×MousePiece-reeという毛色の全く違う二団体が対バン公演をしたら面白いのではないか。
直観的にそんなことを考え、大急ぎで企画に着手しました。


そんな想い先行で動き出した私の企画を快諾し公演を主催して下さったインディペンデントシアターの相内さん、三坂さん。
配信に関する知識が全く無い私に色々と教えて下さった観劇三昧((株)ネクステージ)の福井さん。
そして、いつもSTAR☆JACKSの公演を支えてくれてる現場スタッフ陣。
色々な人たちの想いや力を合わせて今回の無観客配信公演『ONLINE THEATRE』の開催にこぎつけた次第です。


演劇のみならずライブエンターテインメントにとって、
同じ時間・空間・経験の共有が最大の魅力であることは我々も重々承知しています。
そしてそれは、恐らくオンライン公演では味わえません。
今後我々はオンラインで出来る事・オフラインじゃなければダメなことを検証していくことになるでしょう。
そして、オンラインで観る演劇と劇場で観る演劇を、それぞれに違う体験として今後育てていかねばならないと感じています。
つまり、オンライン公演を、客席観劇でもDVD鑑賞でも味わうことの出来ない第三の楽しみ方とするべく、
企画的にも演出的にも挑戦していくことが、今の私たちの使命なのではと感じています。

と同時に、オンラインで観る演劇を魅力的な体験として育てることで、
例えば、お仕事でなかなか劇場に足を運べない方、子育てや介護などの事情で時間を割くのが難しい方、
遠方にお住まいで簡単に劇場に足を運ぶことが出来ない方、などなど、
様々な事情で今までは諦めざるを得なかった方たちに楽しんで頂く方法論のひとつになるのではないか。
コロナ禍の今現在を凌ぐ術としてだけではなく、未来の楽しみ方の模索として考えています。

以上のようなことを鑑みると、オンラインで観る演劇はきっと我々製作者側のアイディアだけでは完成しません。
ご覧になった皆さまと一緒に、こうした方がもっと面白い、こんなことが出来たら魅力的、と創り上げていく新しい文化なのだと考えています。
ライブエンターテインメントを愛する皆様には、ぜひこの新しい文化の黎明期をともに楽しんで頂けたらと願う次第です。


≪-DISTANCE FREE-≫


公演のサブタイトルであるこの文言は、
公演タイトルを考えていた際にSTAR☆JACKS主宰のドヰタイジの発案で付けました。
同じ場所にはいないけれど想いは繋がっているんだ。
オンラインだからこそ距離なんか関係ないんだ。
画面越しであっても知恵を絞って距離なんて忘れさせてやるんだ。
そんな想いと決意でこの公演の製作に挑もうと思っています。

我々の想いが、作品たちが届きますことを心より願って。

『ONLINE THEATRE』
プロデューサー
浜口望海(STAR☆JACKS)

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