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自分は飲めないコーヒーを、毎朝ドリップで淹れる訳
私の朝は、飲めないコーヒーを淹れるところから始まる。
まずはお湯を沸かす。小サイズの鍋に8分目くらいまでだ。
お湯が沸く前に、ガラスのサーバーにハリオのドリッパーをセット。もちろん、ペーパーフィルターに折り目をつけ、ドリッパーにぴったりと沿わせることも忘れない。
そして、付属のスプーン2杯分のコーヒーを入れ、お湯が沸くのをじっと待つ。
そうそう、ドリップポットのフタも開けておかなければ。お湯が沸いたらドリップポットに慎重に注ぎ入れ、いそいそと蓋を閉める。
ながーい前置きの後には、やっと心躍る瞬間がやってくる。
平たくならしたコーヒーの上から、ドリップポットに入れたお湯をそろそろと注ぐ。
一気にお湯が出てもダメだし、お湯が少なすぎてもダメだ。
コーヒーがお湯と出会い、粉にお湯が馴染んでくると、キッチンいっぱいにコーヒーの香りが広がる。
すんっと匂いをかぎ、ひとつ、深呼吸をする。
後は、残りのお湯をそろそろと入れていくだけだ。
ただ、ここもまた難しい。お湯の量が均一になるように、慎重に、慎重にポットを傾ける。
私がお湯を注ぐと、サーバーに茶色の液体がぼたぼたと落ち、湖を作り出す。淹れている最中に、コーヒーが落ちる様子を楽しめるのも、ガラス製サーバーのいいところだ。
そうこうしているうちに、ポットが軽くなってきて、お湯を注ぎすぎそうになる。
いかんいかん。ペーパーフィルターの中が海にならないように気をつけなくては。
サーバーの6目盛までコーヒーがきたら、おしまいの合図。そろりとドリッパーを取り外し、深い深い色をした海を覗く。
そしてそこでまた、深呼吸。うん、今日もいい淹れ具合だ。
そしたら今度はドリッパーを片手に持ち、中身をマグカップへ。残りは魔法瓶に注ぐ。
またふわりとキッチンに香りが広がり、なんとも言えぬ心地よさを感じる。
私が、飲めないコーヒーを毎朝淹れる理由。
それは、心安らぐ香りを目一杯楽しむため。
そして、このコーヒーがリフレッシュになりますようにとの気持ちを込めて、今日もドリップポットの持ち手を、ゆっくりと握るのだ。
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