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「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」見所箇条書き備忘録


●はじめに


 公開初日に鑑賞した「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」は、予想以上の傑作だった。
「同窓会映画」としてのキモを抑えたキャラクターの立て方、ギミックとサプライズとケレン味に満ち溢れたロボバトル、TV版で提示された管理社会「デスティニープラン」に対する完全な否定。2時間でよくここまで詰め込み、かつ消化できたものだ……と感服せざるを得ない。初日の鑑賞だけあって熱量の高いファンの方々が訪れていたためか、上映終了後には拍手喝采が起きていた。俺以外の多くの方にとっても、本作は満足のいく出来だったのだろう。
「色々とはっちゃけ過ぎ」「ナチュラルとコーディネイターとの問題への解決がなされていない」との意見も理解できるが、それらが気にならないほど夢中になって鑑賞できたことは疑いようもない。


貰った入場者プレゼント。


限定版パンフレット。通常版と併せた2部入り。
もう少し設定面への言及が欲しかった。


 あれこれ偉そうに書いたものの、俺はガンダムシリーズのファンではあるが、SEED古参ファンという訳ではない。SEEDアニメ本編+スピンオフ作品「スターゲイザー」を観たのは10年ほど前で、アニメ続編「デスティニー」を観終えたのはつい1ヶ月以内。しかも総集編「スペシャルエディション」4部作である(SEED本編の綺麗な締め括り方に満足していたため、どうにも食指が伸びなかった)。
 そのため内容を理解できていない箇所は間違いなく多く、恥ずかしながら古参ファンの方々に顔向けできない。とはいえ、そんな俺でも熱中するだけの猛烈なエンタメりょくを本作は持っていたことを、ここに強く主張したい。



 さて、映画関連のサイトやSNS上をネットサーフィンをしていると、様々な方の優れた考察・感想を目にする。それらの意見を目にすることも映画鑑賞の楽しみの一つだが、あまり熱中しすぎると「鑑賞後に自分が感じた素直な感想」が霧散してしまう……とのリスクがある。
 本来ならば長文による纏まった感想をしたためたいところだが、コンテンツ語りにはそれなりの時間を要する。しかし考察も楽しみたい。よって今回は「俺が個人的に感じたSEED FREEDOMの見所を、忘備録として箇条書きにしていきたい。感想は概ね作中の時系列に沿っているが、度々間違っている箇所・勘違い等もあると思われる。その旨、どうかご容赦いただきたい。


●「SEED FREEDOM」感想箇条書き


※人名は敬称略にて表記しております。


◯冒頭、お馴染みの「サンライズ」ロゴのハロがピンク色に(本来は緑色)。この様な「作品に合わせた企業ロゴの特殊演出」好きです。「シュガー・ラッシュ」冒頭のミッキーがドット絵になっている……的な。


◯作戦開始とともに流れる主題歌:西川貴教「freedom」。初聴時は「invoke」「ignited」と異なる曲調に少々乗り切れなかったが、劇中の映像と併せて聴くとクセになる。鑑賞後iTunesで購入。


◯イモータルジャスティス搭乗者、当然アスラン……かと思いきやまさかのシン。俺含め、想像できたファンはほぼ居なかったのでは?


◯3DCGで大暴れするモビルスーツ。巨大ロボットらしい重量感とSEEDらしいスピード感が両立できており素晴らしい。スピードが早過ぎて時折何が起きているのかわからない箇所もあったので、2回目の観賞以降に改めて追いかけたい。


◯交際相手アリのキラに近付く、シンを煽る等、いかにも危険分子感のある新キャラ:アグネス(CV:毎度お馴染み桑島法子)。嫌な予感は後に的中した。


◯トニー・スターク邸並みに立派なキラ&ラクス邸。キラのPC横に貼られた写真に視線が向く。バイクに跨るラクス、元アークエンジェル搭乗員の姿(特にナタル)……。


◯「ガタカ」的管理社会「デスティニープラン」と提唱者デュランダルのことを引き摺り続け、じわじわとメンタルを蝕まれていたキラ。「SEED」でフリーダムに搭乗した後の彼はは迷いが見えなさすぎて怖かったが、今回見せた弱みによって人間性が見えた気がする。この件はまた後述。


◯泣きっ面に蜂、振り返るラクスの浮気疑惑(敵の洗脳?精神干渉?能力の仕業)。事情を知らずに曇らされるキラが益々気の毒に。


◯食器の使い方が汚いシン。食べかけの食事をムウに差し出していたのは気のせいか?


◯ゲスト声優:森崎ウィンが上手すぎる!SEEDに出演した他業種声優は皆上手い(小田井涼平・西川貴教)が、その中でも特に演技達者なのでは?上手いかどうかは別として、個人的にはビビアン・スーの声もキャラと合っていて好き。


◯洗脳されたキラの領空侵犯と攻撃。PVで印象的だった「止めろキラ!」「駄目よキラ君!」はコレか〜……と納得。キラの気の毒度数が高まっていく……。


◯発射されてしまう核ミサイル。結局1発撃墜・2発着弾という大惨事となったが、地球の被害はいかほど……?


◯アスラン、満を持して参戦。何と赤いズゴックに搭乗して。劇場が微かに沸いた気がした。笑い声込み。


◯早口系切れ者キャラ:アルバートの台詞に注目したい。この手の早口、大抵アニメ作品では「つまりどういう事?」「難しくてよくわかんねーよ!」と他のキャラクターに遮られがちで、その都度「最後まで聞いてあげなよ……」と俺は妙な感情移入をしていたが、本作では誰も遮らず早口を通していた。しっかり聴いていたキャラクター達、偉い。演じた福山潤にも拍手。


◯かつてのキラの仲間達:サイ・ミリアリア、そしてカズイも登場。カズイの出番はほんの一瞬だが、無事に生存していたようで安心した。


◯明かされたラクスの能力と出生の秘密。コーディネイターをも越える存在、デスティニープラン発動時の統率者となり得る存在。TVアニメ当時には存在しない後付け設定かもしれないが、「何故コズミック・イラの人々は皆ラクスの言う事に従ってしまうのか?」に関する答え合わせにもなっており、個人的には納得。


◯ラクスの裏切りを疑うキラ、そして拳を交わすキラとアスラン(一方的にキラがボコられていただけだが)、挙句ついに決壊するキラの本音。一人で戦いの全てを抱え込もうとした苦悩、そして「みんなが弱いから!」との叫び。SEEDの「やめてよね!」のやり取りを彷彿とさせる……いやその一歩先へ進んだ名シーン。「ぶつかる事で深く結び付く友情」。「Gガンダム」が言っていた通りだ。


◯キラとアスランの殴り合いを止めようと(アスランを殴ろうと?)するも、板挟みとなり二人から殴られるシン。ここで劇場内が遂に爆笑に包まれる。あとシン、キラに対しては「さん付け」するのにアスランは呼び捨てなんすね……。シンのアスランに対する感情は一々面白い。デスティニー受領後の「ジャスティスだから勝てなかった(意訳)」とか。


◯決起し敵基地へのカチコミをキメる面々に対し、見事な意図的全弾誤射を炸裂させるオーブ軍。トダカ一佐の名前が出てハッとさせられた。


◯艦隊戦、やってる事は相当無茶だが迫力抜群。マリュー艦長、ここまで肝が据わっていた人だとは。


◯「ブリッツガンダム」とニコルを彷彿とさせる作戦が決行される。デュエルガンダムにブリッツを思わせる装備が(何と名前も「デュエルブリッツガンダム」らしい)!巷で噂?のイザーク母も登場。


◯「デスティニープラン」は「職業適性を強制的に定められる」程度のものかと思っていたが、恐らく結ばれる遺伝子まで定められてしまう(具体的な言及は無いが、そのように解釈した)……?それを「愛」で否定するラクス。問題をロマンチックに単純化させただけ……と言うこともできるが、キラとラクスの関係に焦点を当てた本作の中では納得のいく論理構造と思われる。


◯「ハレンチな妄想(全裸のカガリを敵の思考にぶつける)」とMS遠隔操作の合わせ技で精神干渉を乗り切るアスラン。またも劇場で爆笑が漏れる。アスラン美味し過ぎる。「思考を読む能力者にどう勝つか?」に新たな最適解が生まれてしまった。いや、それよりMS遠隔操作なんて可能だったのか……。



◯キラを守るアスランのズゴック、パージされるズゴックの装甲、そして中からインフィニットジャスティス!ここでも劇場が沸いた。そしてトドメは頭突き(頭上のサーベル)。もう呆気にとられるしかない。完全にスーパーロボットアニメだ。


◯シンの心に入り込もうとした敵、ステラの亡霊に取り込まれる。「闇に堕ちろ!」→「コイツの闇は深すぎる!」のくだり、シリアスギャグとして秀逸過ぎるのでは。そして大暴れする新型デスティニーの強さたるや。お馴染みのバンクシーン(光の翼展開→剣を携えて画面に向かってくる)も大スクリーンで炸裂。バンクでテンションが上がるアニメ、そうそう無いのでは?ただ、新型デスティニーに関しては見た目に大きな変化があっても良かったのでは……と感じなくもない。



◯「逆襲のシャア」のクェスばりに敵に取り込まれたアグネス、彼女と戦うルナマリア。搭乗する新型インパルスはパッと見前作と変わらないが、まさかの「G-セルフ」的な全身カラーリングチェンジを披露。真っ赤なソードインパルスが格好良い。



◯キラ邸に飾られていたバイクに跨るラクスの写真、まさか終盤への布石だとは……。「コードギアス」を彷彿とさせる「跨り型操縦席」に乗って、新型バックパックを届けにキラの元へ。それにしてもパイロットスーツのデザインが気になって気になって仕方がない。宇宙人が着る宇宙服のようだ。



◯敵に押され絶対絶命のキラ・ストライクフリーダム。バックパックを携えて訪れるラクス。そして流れる「Meteor」、届けられた装備を身にまとった新型ストライクフリーダム(パンフで「マイティーストライクフリーダム」と知る)。勝ち確演出というやつか。もう負けるわけがない。



◯定められた(と思い込んでいる)運命ゆえに「恋」、またその相手たるラスボス:オルフェから逃げていた彼の秘書官かつ複座パイロット:イングリッド。キャラクター造形自体も、キラ&ラクスとの対比としても秀逸。本作の新キャラで一番好きかもしれない。「運命の恋なんてありはしない」が本作の裏テーマだろうか?


◯ラスボスへの止めとともに映画は幕を閉じる。パイロットスーツを脱ぎ捨て、どこかの浜辺で全裸でたたずむキラ&ラクス。若干やりすぎな描写ではあるが、もしかして本編OPで頻出した「謎全裸演出」オマージュなのでは……!?


◯結局世界はまだ平和になっておらず、むしろ戦禍が拡大したようにも思える。「SEEDシリーズ」、そして戦いは今後も続くのだろうか。出来ることならパイロットスーツという鎧を脱ぎ捨て全てを露わにしたキラに、今度こそ安息の時が訪れることを切に願う。


※ヘッダー画像は映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公式サイトより引用しました。

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