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ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】【感想】


 友人が面白いと言っていたので、2020年の最後にライフイズストレンジ2をプレイした。前作であるライフイズストレンジとその前日譚のビフォアザストームはプレイしクリアしている。なぜ2をプレイしていなかったかと言うのは純粋に発売されていることを知らなかったのである。プレイして思った感想を書くため、ゲームの攻略方法やストーリーの考察などは一切しない。

以下、ネタバレを含む内容

大まかなストーリーとプレイヤーの目標
 『Life is Strange 2』はプレイヤーの選択によって物語の内容が変化するアドベンチャーゲームです。主人公は、シアトルに住むごく普通の兄弟。ある悲劇的な事件の後、兄のショーンは、超能力に目覚めた弟ダニエルを連れ、自分たちの居場所を求めて父親の故郷であるメキシコ「プエルト・ロボス」までの逃避行を始めます。

スクエニのページから引用

ストーリーは上記の通りである。プレイヤーはショーンの視点で物語を進めて行き、最終的な目標はショーンとダニエルのメキシコまでの逃避行を完遂すること。プレイヤーにできることはストーリー進行に必要な選択を迫られた時に最善の答えを選ぶ事である。そして、主人公にとってポジティブなエンドを目指すことがプレイヤーに課せられた使命なのである。

超能力を隠さないといけないジレンマ
 弟のダニエルが超能力を扱えるため常人では考えられないような選択をする事ができる。この力をどのように使っていくかがこのゲームの重要なポイントである。しかし、兄のショーンはこの力によってダニエルが普通の子供として暮らせないことを懸念している。そのため力を制御する練習はするが常に隠すようルールを設けている。

スクリーンショット (20)

↑力の扱い方のルールを確認しているショーンとダニエル
#5 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

ルールを守って進めて行くがダニエルが咄嗟に力を発動してしまう場面がある。そういった場面でショーンがどのような対応取るかで次の未来が変わってくる。エピソード2では隣人のクリスが木から落ちてしまうシーンがあり、ダニエルがクリスを助けようと力を使ってしまう。

スクリーンショット (31)

↑自分が落ちる瞬間に浮いた事を二人に確認するクリス
#6 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

その後、ダニエルはクリスと友好を深めようとするため、クリスにあたかも超能力があるかの様に振る舞ってしまう。それを見たショーン(プレイヤー)はクリスに真実を言うか、秘密を守るためダニエルに注意するかの選択に迫られる。私はここでの選択を後者にしたため、ダニエルがクリスについた嘘を正せず、ショーンとダニエルを追ってきたパトカーを止めようとしてクリスは事故に遭ってしまう。ショーンとダニエルもこの事故についてかなり後悔していたが、プレイヤーの私自身もかなり精神的ダメージを受けた。

スクリーンショット (34)

↑ショーンとダニエルを守ろうとしてパトカーの前に飛び出すクリス
#7 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】


このゲームに最善な選択肢は存在しない
 ゲームをプレイして、前作のライフイズストレンジとは全く別物なのだなと思った。前作の主人公であるマックスは時を戻す力を使い現状を最善の状態にすることができたが、今作の主人公は時を戻す能力は無い。そのため1度選んだ選択を戻すことが出来ない。それでいて選択肢が絶妙である。出現する選択肢のポジティブな面とネガティブな面がハッキリし過ぎているためプレイヤーはその選択をすると、どういう事が起こるのかが大体予測できる。それと、今後の展開に関係してくるという事を踏まえて選ばないといけない。そのために二つしかない選択肢でも悩み、苦しみ、膨大な時間をかけて選択する。エピソード3での出来事を例に挙げる。仕事仲間のフィンがダニエルの力を知って職場の金庫に強盗を企てるシーンがある。最初の選択肢でショーンはその計画を拒否する事ができるが、最終的にフィンはダニエルを連れて強盗を実行しようとしてしまう。フィンの友人であるキャシディはそれに怒り、フィンを止めようとショーンと一緒に職場に向かう。フィンとダニエルに追いつき説得をするが、意外にもダニエルがこの強盗に乗る気であったことを知る。理由としては、メキシコへの逃避行を実行するための資金を作るためだという(おそらくフィンが唆したのであろう)。強盗をしたいフィンとダニエル、それを止めるキャシディの板挟みである。

スクリーンショット (35)

↑強盗をやるかやらないか
#9 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

やろうを選択するとキャシディに文句を言われ、ダメだを選択するとフィンとダニエルから反感を買うだろう。そうなるともわかっていても選ばないといけない。私はダニエル優先の気持ちでプレイしいていたため、ここはやろうを選択した。その結果、やはりキャシディからは軽蔑されて怒り、その場から立ち去ってしまう。最終的に強盗計画は管理者にバレて殺されそうになったところでダニエルの力が暴走し幕を閉じた。ここでエピソードの最後にある選択リザルト画面を見ると、最後の選択に「キャシディがケガをした」「キャシディがケガをしなかった」とある。

スクリーンショット (37)

↑エピソード3の選択リザルトの画面。章の終わりで毎回自分の進んだ道を確認できる
#9 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

キャシディが犯行現場から立ち去るような選択を取ったため、ケガをしなくて済んでいる。つまりジャンケンで言うところグーを出して目の前のパーに負けたが、後からきたチョキに勝ったと言うところだ。ひとつひとつの選択肢がジャンケンの様に最善の手というのは存在しないが、どれも勝つ可能性を秘めていると言う感じである。キャシディはプレイヤーではないのでケガをする別次元を知らないため感謝はされない。ただ、この事実でプレイヤーの心が少しは軽くなるだろう。実際に私はエピソード2でクリスを事故に遭わせてしまっている分安堵感が大きかった。

細部への探索と選択の可能性
 
ストーリーを分ける重要な選択以外にも細かい部分での選択が後々の行動に影響を及ぼすことがある。それを知ることをできるのが、ストーリー冒頭でショーンが友人とのパーティに向けて準備をするシーンである。ここで用意するべきものは飲み物と食べ物、少しばかりのお金だ。全ての準備が整ったら、悲劇的な事件が起きて、ショーンとダニエルの逃避行が始まる。私が手に入れたのは、ビールとポテトチップスと$40である。この三つのアイテムは次のエピソードに関わってくる(ニュアンスとしては出てくる)。逃避行中のショーンとダニエルはとにかく逃げるため林道を進んで行く。その道中でハイキングコース地帯に着く。プレイヤーはそこからゲームを進行できる。そこで最初に選択した三つのアイテムが出てくる。

スクリーンショット (38)

↑飲むパンことビール。意外にも間違いではなかった?
#2 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

スクリーンショット (41)

↑ポテチを食べる二人。クッキーやハロウィンお菓子だとまた違う光景がみれたかも
#2 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

スクリーンショット (42)

↑カットシーンでダイナーに立ち寄っているため$10ぐらい消費しているがクレーンゲームを遊ぶぐらい余裕がある
#3 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

ビールとポテトチップスは野宿で一晩過ごした際の夕食で、お金は翌日立ち寄ったガソリンスタンで食料を調達するために使用できる。この辺りは最終の着地点に関係してこない。しかし、プレイヤーが選択したことがしっかりと影響しますよと言うゲーム側のアプローチ(チュートリアル)なのではないかと思う。つまり、小さな選択肢のひとつひとつに今後の展開や場面に影響があるという事を示唆している大事なシーンである。パーティの準備をしていたが、実際にそれらを使うのは逃避行の道中であったりと展開まで予測はできない。ただ、いきなり最重要な選択肢を迫られても深く考えずにプレイヤーが選択してしまう可能性があるため、こういった細かい選択肢をどのエピソードでも張り巡らせているのだと考える。後、純粋に自分が選んだ選択肢がこの世界に影響しているという実感を得られるのでプレイしていて楽しい場面もある。このゲームは辛い選択ばかりではない。

まとめ
 本来のアドベンチャーゲームでは主人公がポジティブなエンディングを迎えるためにプレイヤーは尽力するべきだ。しかし、ライフイズストレンジ2はゲームオーバーやバッドエンドの概念が無い。私が迎えたエンディングはショーンは国境を越えてメキシコへの逃避行を成し遂げるが、ダニエルはそれを拒否してしまう。「離別」というエンドなのだが、これは決してバッドエンドではなく、旅の道中で得てきた選択の最終着地なのである。どうしてもプレイしていてダニエルを守らないといけないというショーンの感情が乗り移ってしまった。ショーンが自ら進んで窃盗や暴行という行為に及んでも、ダニエルが無事であるという安心感の方が強く出てしまう。それでいてダニエルの超能力を窃盗や暴行に利用することを避けきた。そのため、最終の選択肢でダニエルに社会規範に従う様に伝え、ダニエルは一緒に逃亡出来なかったと考える。

スクリーンショット (44)

↑同じ選択肢を選んでいる人でもプレイした体験は異なる
#15(終) ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】

上記は一見すると最悪なエンドに見えるかもしれない。しかし、エピソード1でフロディという男がこのゲームの全体を示しているセリフがある。「正しいと思うことをすればいいさ。メキシコに行くのが正解だとお前が感じたらそれでいい、それが正しい決断だ。」つまりショーンとダニエルとプレイヤーの私自身が正しいと思った選択をし決断してたどり着いた人生である。

スクリーンショット (45)

↑フロディのおかげでショーンとダニエルだけでなくプレイヤーも救われた
#4 ライフイズストレンジ2/Life ls Strange 2【ゲーム記録】


以上、ライフイズストレンジ2面白かったです!

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