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ともだちやめよう

「明日から友達やめるから!」
こんな残酷で幼稚なことを口走れたのは
いつまでだっただろうか。

友達やめると言っても、
次の日また学校で会ってしまうのに。
どちらからともなく謝ったり、謝らなかったり。
それでも、同じ毎日の繰り返しの中で、
自然と元通りの「友達」に戻ったりできる。
今はもう戻らないそんな時代が、
うらやましい。


小さい頃から友達がとても少なくて。
その少ない友達と大切に付き合ってきた。
保育園からの友達がひとり。
中学校からの友達がひとり。
高校でできた友達がひとり。
大学でできた友達がふたり。

いま現在、
その誰とも連絡を取っていない。
厳密に言うと、連絡を取ることはあるにはある。
けれど、
仲が良かった頃のそれではなくなってしまった。


嫌な思いをしても、忘れればいいんだよ。
友達に求めるものが、厳しいだけだよ。
また会おうとすれば、普通に会えるよ。

それは半分正解で、半分不正解。

一度でも心を閉ざしてしまったら、
きれいさっぱり元通り、とはいかない。
連絡先を知っているからといって、
ずっと繋がっているとは限らない。
どんなに近くにいても、
会おうと思わなければ、会えない。

逆に、

しばらく会っていなくても、
昨日会ったみたいに話せることはある。
住所しか知らなくても、
伝えたいことがあれば手紙を書く。
どんなに遠く離れていても、
会いに行こうとすれば、会える。


会いたいと思わなければ、
話したいと思わなければ、
その思いが一方通行ならば、

わたしにとっては、
もう、

友達じゃない。




いつもと同じように、
「またね」
と言って別れたあのとき。

わたしは心の中で
「さようなら」
をいった


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