夫の扶養から抜け出したい
「夫の扶養から抜け出したい」
ふと、目の前の彼女がそうつぶやいた。
ストレートで大学を卒業した彼女は、フルタイムで仕事をしていた。25で結婚して夫の勤務先へ引っ越すことになり、仕事は辞めざるを得なくなって夫の扶養に入った。引越し先は縁もゆかりも無い土地だったけれど、事務のパートを始めて現地でも知人ができたようだった。ただ、夫は仕事が忙しくて全然家に帰ってこないし、知らない土地で一人は大変だとよく愚痴っていた。
戻ってきたよ、という連絡が来たとき、彼女は27になっていた。今