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「かみかさ」第11話

本当に傘が送られてきた。
饒舌だったし、その場限りの話かもと思っていた。
おじさんの話は、本当だったのだ。

高級傘を家族分4本も。
母は晴雨兼用の黒の傘。縁取り10cm程に黒の上品なレースが重なっている。
父には焦茶で合皮の持ち手の傘。
弟には濃紺の傘。
私のは縦糸に抹茶色、横糸に山吹色の傘。布製なのに決して重くない、16本針の一番上等な傘。

それは花束でも届けられたように梱包されて贈られてきた。

大切にしようと思った。お礼の手紙を書いた。
そして、そのおじさんと会う事は、二度となかった。


傘の花束を
ありがとう

届ける方法を知らない
私の約束

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ごめんなさい。詩に夢も憧れもありません。できる事をしよう。書き出すしかない。書き出す努力してる。結構苦しい。でも、一生書き出す覚悟はできた。最期までお付き合いいただけますか?