Photo by jotm5 「かみかさ」第11話 3 なゆた 2023年6月7日 07:42 本当に傘が送られてきた。饒舌だったし、その場限りの話かもと思っていた。おじさんの話は、本当だったのだ。高級傘を家族分4本も。母は晴雨兼用の黒の傘。縁取り10cm程に黒の上品なレースが重なっている。父には焦茶で合皮の持ち手の傘。弟には濃紺の傘。私のは縦糸に抹茶色、横糸に山吹色の傘。布製なのに決して重くない、16本針の一番上等な傘。それは花束でも届けられたように梱包されて贈られてきた。大切にしようと思った。お礼の手紙を書いた。そして、そのおじさんと会う事は、二度となかった。傘の花束をありがとう届ける方法を知らない私の約束マガジン↓ 「かみかさ」|なゆた|note 小説「かみかさ」 傘を美容院に忘れてしまうところから始まる、恋愛未満小説。 note.com ダウンロード copy この記事が参加している募集 #熟成下書き 10,585件 #詩 #詩人 #梅雨 #熟成下書き #花束 #髪 #自作小説 #梅雨入り #雨傘 #かみかさ #傘職人 #高級傘 3 ごめんなさい。詩に夢も憧れもありません。できる事をしよう。書き出すしかない。書き出す努力してる。結構苦しい。でも、一生書き出す覚悟はできた。最期までお付き合いいただけますか? 記事をサポート