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流れる今を切り取って特別にできるから、写真が好きだ。

過去の蓄積が今。今の連続が未来。
似たような日々を送っていたとしても、明日の私から見たら、今日の私は過ぎ去ったものだ。いつか命を失う日がくる以上、どんな時もきっとかけがえのない時間なのだと思う。
でも正直なところ「この時は二度とないんだ!」などと、ギラギラ気合を入れていたら疲れてしまうよね。
だから、写真を撮っておくのが好き。

* * *

例えば、仲の良い人と会う時。
取りたてて何をするでもなくほんのり共に過ごすだけだけど、とても素敵な時間。その空気感を記録したくて、私はなんとなく写真を撮る。
しっかりつくった笑顔も素敵だけど、普段どおりの柔らかい表情が撮れるととてもうれしい。

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他には、風景。
絶景を撮るには、季節、気候、時間など色んな要素を整えないといけない。
息を呑むような写真は、やはり撮影者の努力が生んだ渾身の一撃である。
その撮り方とは逆で、とりあえずカメラを出してなんとなく撮ってみる。
綺麗な風景の場所へ行くのではなく、自宅付近や街をあてもなくうろうろ。
いつもは前に固定している目線を上、下、自分を中心にぐるーっと動かしてみると普段は見えない世界が浮き出してきて、とても楽しい。
今しか見られないものの集合体で、ついシャッターを切る。

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脳内の"覚えておくリスト"に入らないくらい、些細な日常。でもふとした時に見返したら、優しい笑みがこぼれるような、ちょっと気持ちが豊かになるもの。
そういうものをたくさん残しておきたくて、私は今日もカメラを持ち出す。

* * *

写真を撮ってみたいけど、
「いいカメラは持ってないから」
「センスがないから」
そう思っている人にこそ、この
"力を入れずにとりあえず撮ってみる"という撮り方を試してみてほしい。
今のスマホは、昔のコンデジカメラより綺麗に撮れるはずだから、スマホでOK。
撮りたいように撮ってみて、その写真で少し優しい気持ちになれたら、それは最高に幸せなカメラの楽しみ方だ。

お読みいただきありがとうございました!
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