エンジェルハートに騙されて
すべては2年前に始まった。Pairsというアプリをダウンロードして、とある女性とマッチングした。恵子だった。
僕は11番目の彼氏だった。つまり10人の男と付き合った慣れの果てが、僕の順番だ。
恵子は自立していれば何をしても良いと言う考えの持ち主だと言うことに、ようやく気がついた。
恵子の遍歴はそれは凄まじいもので、アプリを使ってはセフレを釣り、生活保護を、うるおしていた。
僕は、そんな彼女と、いつか結婚できるものと信じていた。
しかし、彼女の自立は、自分自身を守るもので、僕と結婚した場合のその後の苦労を考えると、一生セフレでも構わないと言う。
暑い夏、大阪から彼氏を呼んで、部屋の中で1週間全裸で過ごし、やりまくったと胸を張って言っていた。
彼女は、そんな生活厭わないと言うことを僕は知った。
だから、1度で良い。僕も同じ思いをしたかった。
しかし、彼女は許さなかった。その理由はわからない。
僕が全裸になって、深夜徘徊していたことを話した時は、受け入れてもらえると思った。彼女の論法通り、自由なことをしたからだ。
しかし、それだけは受け入れられなかった。
夜の暗闇の中、海辺の砂浜でセックスしたことを話してくれた友達もいたと言うのに。
違いが僕にはわからない。
彼女も僕も、精神疾患と身体にも疾患を持っている。お似合いカップルだと思っていた。
僕は半分旦那の心境になり、他界した父親が残してくれた遺産を彼女に注ぎ込んでいた。楽しいデートの思い出だけが、今蘇る。
今は元カレ、元彼女の中。もう付き合ってはいない。
それでも彼女は今まで付き合っていた男性のことを今も大切に思っていると言っている。
天使の心エンゼルハート。騙された。
2年間近く付き合ったけど、恵子のことを僕は理解していなかった。
暗いトンネルの中を走り続ける2年間だった。
今、午前5時5分。外はもう明るい。
セックスを教えてくれた彼女。はじめての女性だった。前戯で5回も逝かせるプレーで鍛えあげられた僕。もう僕はテクニシャンだ。
生まれて初めてLINEを使い意見交換をした。(本音で)
経過を楽しむ女。結果重視の男。この違いだった。
だったら、僕も自立すればいい。彼女が言った通り、行動と言葉に責任を持って。
それさえできれば何をやっても問題ない。
もう怖いものは何もない。恵子から解放され、僕は自由になった。
僕は恵子にはなれない。自分で自分を変えていく。
残りわずかな人生どう歩んでいくか、今問われている。
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