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臨床を変えるための応用動作の見方〜ステップ動作から考えられること①〜

いつも脳外ブログ 臨床BATONをご購読頂きありがとうございます。

本日も臨床BATONにお越し頂きありがとうございます。

臨床BATON427日目を担当します応用歩行・動作特化型セラピストの橋本一平がお送り致します。

そんな私が今回お送りするブログは臨床を変えるための応用動作の見方〜ステップ動作から考えられること①〜をお届けしていきたいと思います。

前回のブログでは臨床を変える側方(サイド)ステップの見方〜動作開始時に着目して②〜を書かせてもらっていましたので、ご興味があれば一度覗いて下さい。

*気になったブログには「スキ」や「コメント」もお待ちしています。


はじめに


 皆さんは側方ステップ動作をどのように活用していますか?

側方ステップをリハビリ練習の1つとして活用し、何かしらの機能の回復を狙うことが多いでしょうか?

また、その際にどのような目的を持って行なっていますか?

側方ステップ自体は特に難しい手技ではなく、皆さんもとりあえず側方ステップしておこうと思って練習したこともあるかもしれません。私自身も新人の時はそうでした。

では、側方へのステップはどのような目的で、なぜ必要になるのでしょうか?

それは、「転倒予防」というのがほとんどではないでしょうか?

転倒の危険因子には、下肢筋力低下、反応時間の遅延、歩行能力低下、バランス能力低下などが挙げられています。さらに滑りやつまずきなどの急激な外乱による転倒が最も多い転倒様式とされています。

バランス回復するにあたり、股関節戦略あるいは足関節戦略のような足固定戦略ではバランスの回復が不十分な場合は、ステップ戦略を使うことで身体バランス安定性を回復させています。


1、 サイド(側方)へのステップとは

 ステップ動作は外乱を受けた場合などにバランスを回復するための姿勢制御戦略の1つとされています。足関節戦略や股関節戦略によってバランスを回復することが困難な場合、ステップ動作によって新たな支持基底面を形成する踏み出し戦略で用いられています。

そして、加齢による立位姿勢制御の低下については、前後方向よりも側方において著しいとされ、側方の姿勢制御能の低下が転倒の危険性と強く関連しているとされています。

また、側方への転倒に関しては、大腿骨頚部骨折に直結する危険性が高いと言われているので、サイドステップを分析・評価することは重要になります。


側方ステップ動作において、動作開始時のCOP(足圧中心移動距離)の変化としては、ステップ側下肢の方へ移動して、その後に支持側下肢へと移動して足底離地が行われています。

これは、COG(重心移動距離)との解離を生じることによって、COGの支持側および側方への移動を推進する動きになっています。上記の移動に関しては前方歩行時にもみられるCOPの変化と同様の動きになっています。

前方へのステップ動作では、支持面を動揺させたり、腰部等へ外力を加えるなどの外乱からバランスを回復する高齢者ではより多く足を踏み出すバランス戦略が取られる傾向が多いとされています。

また、転倒経験者では、その場でバランスを保つよりもステップを踏んで新たな支持基底面を生み出すことが多かったとされています。

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