脳卒中急性期に脳外科医が知りたいこと

こんにちは、脳外科医のノリです。

脳卒中が起きた時に、時間のない中、脳外科医が知りたい重要な情報があります。研修医や看護師、救急隊の方々も、これらの情報を最低限確認し、上級医に正確に伝えることが大切です。今日は、その3つの要点についてお伝えします。
Stand.fm.で話した内容を改変して記載しております。


最終未発症時刻

1つは最終未発症時刻です。発症時刻あるいは発見時刻も含みます。
「何時には大丈夫でしたよ」あるいは、「何時には大丈夫だった可能性がある」と ご飯食べていた形跡があるとか、「最後に見たのは何時です」とか で良いです。
発症した瞬間を見ていれば良いのですが、そうでなければ、「発見時刻」はあまり重要ではなく、発見する前に「何時が元気だったか」が重要です。それを思い出してもらって話してくれると非常に助かります。
これは最終未発症時刻から何時間経過したらこの治療ができる、できないということになるので、非常に重要です。それが過ぎてしまった場合は、急ぐことができないので、別の治療をするしかなくなります。
最終未発症時刻から特に4.5時間以内であれば、血液サラサラにするお薬が使えたりしますので、最終未発症時刻を意識してください。
早ければ早いほど治療の効果はいいと言われてます。

内服薬の内容

患者が通常服用している薬、特に血液をサラサラにする薬を服用しているかどうかは、脳出血や脳梗塞の予測、既往歴の確認に役立ちます。
普段からお薬手帳の場所だったり、内服の内容を家族で共有していただけたらいいなと思います。

普段の活動度

いろんな人が脳卒中で運ばれてきます。高齢の方が多く、年齢も様々です。4患者の日常の動きや活動度も重要な情報です。
60代で結構よぼよぼな人もいれば 80代でしっかり動けてる人もたくさんいます。そんな中で年齢だけじゃわからない情報でその普段どれくらい歩けてるかを知りたいです。
特に「自分で歩くことができるのか」「杖をつかないといけないのか」それとも「歩けないで車椅子なのか」など、元々の状態を教えて欲しいです。
元々の状態が治療の適応に関係することがあります。80歳や90歳でも元気に過ごしている方もいますので、年齢だけでは判断できないので、具体的な活動度の情報が重要になります。

まとめると、最終未発症時刻内服の情報元々の活動度、これら3点の情報を救急隊や医療者に伝えることで、適切な治療への道が開かれます。正確な情報収集と伝達は、脳卒中の早期対応において鍵となりますし、より良い治療と予後につながりますので、よろしくお願いします。


スキ、コメントは励みになります!
これからも脳や医療について発信していきますので、フォローよろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?