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片脚立位と歩行の関係

歩行と片脚立位の関係性

歩行周期における80%は片脚立位です。

歩行動作は慣性(運動状態に伴う変化に適応)の中で生じる為、片脚立位のような性的な姿勢と歩行との関連性はイメージしにくいかも知れません。
 
しかし、脳卒中患者の立脚相の特徴として、反張膝や膝屈曲など一側下肢の指示に問題を抱えていることが報告されています。
 
また脳卒中患者の立位時、下肢には同時収縮を認め、特に両下肢支持期の非麻痺側に強く認めるという報告があり、麻痺側だけでなく非麻痺側への介入も必要と考えられます。

一側下肢の支持を維持する為には十分な足関節制御が必要とされます。健常者では姿勢制御の要求が増すのに合わせて、足部内在筋の活動が増し、足部を安定させることでバランスが維持されます。
 
また踵骨のアライメントは足部内反に影響を与え、足部のアーチが高いと重心移動量が多くなるとの報告があります。

要約

以上、片脚立位の獲得に向け、非麻痺側下肢や麻痺側の足関節(踵骨およびアーチ、内在筋の活動)を考慮し、評価および治療を進めていく必要があります。

評価ポイント

○ 前額面からの評価(一側支持の評価)
足関節/膝関節/股関節を結ぶ線上に対して、上前腸骨棘〜肩峰を結ぶ線上に立ち直りを認めるか否か確認。
↪︎ 下肢の支持に問題を抱える場合、体幹側屈や股関節内転での代償を認めやすい。
↪︎両上肢がどのように位置しているか評価することも重要。代償的な肩関節外転による反応は見られやすい。

○ 矢状面からの評価(抗重力性の評価)
立位と動揺に外果前方/膝関節前方(膝蓋骨後面)/大転子/肩峰/耳垂が垂直線上に配列されているか評価。
↪︎股関節屈曲や体幹前傾による代償を認めやすい。

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