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背臥位の特徴【利点と欠点の使い方】

お疲れ様です。

セラピストの脳リハです。

本日は、背臥位についてお伝えします。

よく、リハビリ室に着くや否、ベッドに横になる光景を多く見ていました。

目的があれば特段悪い事はありませんが、とりあえず「横にしよう」は勿体無い時間です。

背臥位とは何が得られるのか…

整理してみましょう。

背臥位の特徴

基本的に、伸展位の特性を持っています。

その中で、

☑︎ 支持基底面が広い
☑︎ 重心は広い
☑︎ 筋緊張は緩みやすい
☑︎ 姿勢トーンは低くなる

が想定できます。

脳卒中の場合

背臥位姿勢は構造上、反り腰(過前弯位)になりやすいです。

その為、腹筋群が低緊張で体幹の不安定な脳卒中の方の場合、

『腰椎の過前弯や骨盤前傾が助長』

されやすく、支持基底面が狭小化に伴い、

『頭部/上肢/仙骨部/踵で床面を押し付ける』

傾向があります。

【脳卒中患者の背臥位の特徴】

☑︎ 腰椎過前弯/骨盤前傾
↪︎ 頸部-上肢-仙骨部-踵で押しつけ

☑︎ 腹直筋の低緊張

☑︎ 腰筋群/大腿直筋の過緊張

背臥位の優位な点

その姿勢に適応できていれば、
短縮し不活性な筋群への治療に適しています。

脳卒中の方であれば、安全に自主トレができたり、ストレッチなどに起きやすい代償動作も最小限に止めることができます。

臨床的には座位から臥位、臥位から座位のそれぞれの相で、段階的な協調運動や屈曲/伸展/外転/内転/回旋要素の相互作用を用いて、身体部位間の安定性とか可動性のコントロールを促すことができます。

不利な点

臥位における姿勢トーンは基本的に低いです。

その為、重力に対抗する筋収縮の動員が難しくなる可能性があります。

脳卒中の方では、各身体部位の位置関係への適応を無視して動く代償戦略を用いやすい為、注意が必要です。

臨床アイデア

下肢の質量をサポート(枕や台を使って)することで、腰椎の前腕が軽減し、肩甲骨辺りの支持基底面が安定性が広がります。

自宅でも、バスタオルを4枚折りにし仙骨あたりに入れながら両膝を曲げて左右に転がる運動をするだけでも、腰背部/大腿前面の緊張が抜け、腹部や肩甲帯の筋活動が入りやすくなります。

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