反張膝の原因② [麻痺側で支える感覚の誤学習]
お疲れ様です。はらリハです。
反張膝シリーズ、4つ目の投稿です。
次回から自主トレ編に入るので、もうしばし、反張膝の原因について深堀します。
反張膝の問題点のおさらい
簡潔にまとめると、反張膝は…
という、とこまで説明しました。
そこを踏まえると、解決しなければいけない課題は3つに分けることが出来ます。
① 支える為に必要な関節の可動性
② 支える為に必要な筋肉の活動
③ 本来の支える為に必要な身体の動かし方
前回の記事で、①と②の細かい説明は済んでいるので…
本日は…
「③本来の支える為に必要な身体の動かし方」
の説明をします!
誤った身体の使い方とは?
はらリハでは「身体を頑張らずに使えるようにする」為のリハビリをお伝えしています。
なぜかというと、脳卒中後遺症の方の殆どが「身体を頑張って使う」ことで、身体の本来の動きを阻害しているからです。
片麻痺の反張膝の方も、例外ではありません。
反張膝の方は、麻痺側に体重を乗せる時に「膝裏を伸ばす感覚(ピーン)」を使って支えている場合が多いです。
この感覚で麻痺側を支えてしまうと、本来支える為に必要な太ももの裏や、お尻、お腹の筋肉が働きにくくになります。
なぜかというと…
前回お伝えした通り、反張膝の姿勢は「腰は反り、股関節がやや曲がった状態で姿勢を保持するため、全体的に前傾姿勢」になります。
この姿勢では、お腹やお尻、太ももの裏の筋肉は、身体の構造上、使いにくくなります。
なので、いくら筋肉トレーニングやストレッチ、マッサージに時間を使っても、正しい身体の使い方を覚えなければ、歩く場面でトレーニングした部分が発揮されない為、リハビリや自主トレで効果を実感できません。
このパターンの方は非常に多く、リハビリあるあると言えます。
では、本来は「膝裏をピーンとする感覚」は、支える時に使わないはずなのに、なぜ、脳卒中後遺症の方は、この方法を選択してしまうのでしょうか?
入院中のリハビリが問題かもしれません。
発症時と退院時の違い
脳梗塞や脳出血発症時は、退院時と比べて、脚が動かない感じが強い為、「感覚に意識を向けるより力を入れる方に意識」が向くことが多いです。
力を入れる方に意識を向けると、筋肉を使うより、骨や靭帯でロックしたほうが固定しやすいことを学習できるので、反張膝での支えとなります。
その結果、病院で「膝裏を伸ばす感覚」で支える方法を覚えてしまい、本来の脚の使い方が分からない為、退院後、毎日自主トレに励んでも、反張膝を使った歩き方が変化しないのはこのためです。
では「膝裏をピーンとする感覚」で支える方法から抜け出す為に、何をすればいいのでしょうか?
答えは…
『足裏の感覚に意識を向ける』
です。
「膝裏をピーンとする感覚」ではなく「足裏の体重の感覚」が大事!!
先の話では、脳卒中後遺症の方は、「膝裏をピーンとする感覚」を使いますが、元々はこの方法を使いません。
本来は、床反力という物理の法則を使うことで、足裏から体重を感じ、その感覚を使って身体を支えることが出来ます。
※ 詳しい床反力について以下のリンクを参照ください。
床反力について簡単に説明すると…
この感覚を受け取るために、足裏の体重移動を感じる必要あります。
足裏の体重に偏りがありませんか?
先ほどの画像でも見て分かるように、反り腰と膝が過度に伸びた状態により、反張膝の方は「踵重心」になりやすいです。
踵で体重を支えると、膝関節は曲がらなくなります。
試しに、非麻痺側や家族で実験してみて下さい。
踵に体重を乗せた状態で膝を曲げようとすると、膝が「ガクッ」となると思います。
また、脳卒中後遺症の場合は、つま先に体重が掛かり過ぎる場合もあります。
いわゆる、内反尖足です。
この場合も反張膝を起こしてしまいます。
足裏の体重を感じる
非麻痺側では、足裏全体に体重が乗っている感覚が分かると思いますが、麻痺側はどうでしょうか?
普段、足裏の体重移動に意識を向けていない方は、なかなか難しいと思いますが、まずは感じる事が大切です。
先も述べた通り、足裏の体重に意識を向けると、脳卒中後遺症の方は、踵やつま先など、足裏は偏った体重移動の場合が多いです。
理想は「外くるぶしの真下に体重を乗せ、足裏全体が着く状態で支える」が望ましいです。
まずは、足裏の体重移動に意識を向けるところから始めましょう。
まとめ
今回の記事をまとめると…
ということです。
次回からやっと自主トレの紹介になります!
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