尖足による足裏が着かない方への自主トレ
お疲れ様です。脳リハ。
本日は脳卒中後遺症者向けの投稿です。
内容は…
「歩行時に踵が浮き床に足裏がつかない現象(尖足)の自主トレ」について説明します。
なぜ尖足になるのか??
尖足とは…
「歩行時に足関節が勝手に下を向き、踵が浮いてしまい、床に足裏が設置できない現象」をいいます。
なぜ、このような現状が起きるのでしょうか??
原因の多くは「痙性麻痺」にあります。
☑︎ 筋肉が過剰に働く(痙性)
痙性では筋肉の張りが強い状態を指します。
一度、力が過剰に入ると力を抜くことが出来ない為、つま先を床に押し付ける動きや、足の指を握り込んでしまったりと、足裏が上手く接地出来なくなります。
また、運動麻痺により、股関節や膝関節、足首を別々に動かせないことで、全部の関節を同じ方向に動かしてしまうことも、問題としてあげられます。
尖足(痙性)の原因
本来、脳からの指令が筋肉に送られて、その命令に従って関節や筋肉は動きます。
脳卒中後は「脳からの命令が届かなくなる為、筋肉を保護する為に勝手に硬くなる現象」が起きます。
つまり、脳と足の繋がりを作ることで、この勝手に硬くなる現象はコントロールすることができる、ということです。
自主トレを説明していきます。
① 股関節を曲げる
まずは、動きの始まりである股関節から動かしていきましょう。
股関節を曲げる筋肉がコントロール出来れば、足を降り出す時に起こる勝手に硬くなる現象は軽減できます。
☑︎ 自主トレ(股関節を曲げる)
肢位 : 仰向け
方法 : 膝を曲げた状態から膝をお腹に近づける。この時、動かす方向は膝のお皿が、反対側の方に近づけるイメージで行いましょう
② 踵を滑らせる
股関節が曲げれるようになったら、床に足を近づける「キック」の練習が必要です。
入院中ではよくブリッジやキッキングと呼ばれる訓練を行った方は多いと思います。
ここでは、パワー(筋肉)を付けるより、脳と筋肉の繋がりを作ることが目的なので、力強さは必要ありません。
上手く麻痺則の足をコントロールする事が大切です。
☑︎ 自主トレ(踵を滑らせる)
肢位 : 仰向け
方法 : 膝を曲げた状態から、ゆっくり踵をベッドに付けたまま、滑らすように膝を伸ばして行きます。1人では難しいので軽く介助してもらってから、徐々に1人で滑らす練習を行いましょう。
この自主トレでは、股関節の動きだけでなく、膝関節のコントロールが必要になる為、①の自主トレより難易度が上がります。
また、目標は尖足を無くすことなので、踵に体重を乗せることは必須です。
その為にも、踵を軸に滑らすことが、尖足から卒業する為の近道です。
まとめ
尖足などの痙性は、力が弱いのでは無く、脳と足が伝達が上手くいってないことで起こります。
必要なのは、脳と足の繋がりを作り、各関節が別々に動かせるようになって初めて、自分の思い通りに動かせるようになります。
筋肉トレーニングも必要ですが、力だけでは無く、上手く身体を使う練習も必要です。
今日から実践あるのみです!
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