ハンドリング後編【6つのポイント】
前回の続きです。
❹ 強さ
身体を触るときの力の強さとは、必要最低限の強さであることが重要です。
痛みを与える強さは基本的に避けるべきです。
この際の必要最低限とは、目的に応じて異なってきます。
また、深い組織を触る際は強く押しがちですが、強さと深さは必ずしも比例しない事を覚えておいてください。
▸ 闘値
ここでの閾値とは、受容器が応答するまでの刺激の事です。
介助する際は、重さを除去しつつ、相手の反応/状況を感じ取れる最低限の量、施術をする際は相手が知覚できる最低限の量で関わります。
▸ 深い組織を触る際
粘弾性の理解が重要です。
組織は粘性と弾性に分かれています。
粘性は液体の性質で速度に対し比例し強い抵抗を示し復元するスピードは遅いです。
弾性は個体の性質で変位量に対して比例して強い抵抗を示し、復元するスピードは速いです。
↪︎ 深部を触るコツは「ゆっくりとして圧迫」で粘性成分を除外していく事が重要です。
❺ 馴染ませる
以下、5つの事を意識して触りましょう。
1.押そうとせず、相手からの情報を受け取る気持ちで触る
2.触っている部分を動かさない
3.手で相手の呼吸を感じる(呼吸を合わせる)
4.相手の身体を自分の手の温度が一緒になるまで持つ
5.その後の操作でも上記の意識を保ったまま行う
❻ 後遺症に対する配慮
4つの問題を配慮しましょう。
▸ 感覚障害
感覚を感じずらい場合、強い刺激を与えても気づかない事があります。
感覚が過敏な場合、触れること自体が侵害刺激となる可能性があります。
▸ 痛み/痺れ
どの部位が/どんな触られ方をしたら痛みや痺れがあるか、触れる前に十分に確認する必要があります。
▸ 筋緊張
痙性の場合、素早い速度や高い頻度で触るとより硬さが増す可能性があります。
弛緩性麻痺の場合は、無理に動かすと関節に負担を掛ける可能性があります。
▸ 高次脳機能障害
失語症の場合は、説明/共有の方法に注意が必要です。
半側空間無視の場合は、本人が対応できる範囲から介入します。
情動のコントロールが難しい場合は、本人の状態に合わせながら介入します。
以上、ハンドリングを行う上で必要なことでした。
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