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歩幅を広げるために

脳卒中患者は足関節を持ち上げて歩くことに難渋しやすく、この問題は「下垂足」と呼ばれ、床面に引っかからないような様々な生活を活用して代償する事で安全に歩こうと試みます。

以下、脳卒中後に生じやすい典型的な4つの歩行方法を挙げます。

典型的なパターン4選

☑︎ 鶏歩:過剰に膝と股関節を曲げ、足を床から持ち上げて歩くスタイル
☑︎ 分回し歩行:麻痺側の脚を振り出す際に、床に引っかからないような外側に振り回しながら歩くスタイル
☑︎ 伸びあがり歩行:麻痺側の脚を振り出す際に、床にひっかからないよう非麻痺側でつま先立ちをして歩くスタイル
☑︎ 骨盤引き上げ歩行:麻痺側の脚を振り出す際に、骨盤を体幹の筋で引き上げて歩くスタイル

上記の不自然な歩行パターンを活用すると悪い方向に進む場合があります。

腰部や腹部、関節などにストレスが積み重なり、骨/軟骨/靭帯/腱などに関節炎や他の疾患が生じます。

また、このような歩行スタイルは正常な歩行よりも多大なエネルギーを費やすことや、転倒を引き起こすリスクを高めます。

短下肢装具の活用のメリットとデメリット

足首が上がらない「下垂足」という症状に対して、医師やセラピストからは短下肢装具(AFO)と呼ばれるものを処方することがあります。

【短下肢装具】
☑︎ 脳卒中患者の側部を持ち上げることで、代償ではなく正常に近い振り出しをサポートしてくれる
☑︎ 足首を固定することで捻じれを防ぎ、転倒を防ぐ
☑︎ より安全な歩行を保障する
☑︎ 余計なエネルギーを使わないように促してくれるため、長距離の歩行が可能性となる

装具をつける事で歩けない場所を歩けるようになる為、装着するメリットがありますが、同時にデメリットもあります。

【短下肢装具:デメリット】
☑︎ 通常、足首を持ち上げる為に活用される筋肉の弱化
☑︎ 足首を持ち上げる為に活用される脳の特定部位領域の機能低下(学習性不使用)。神経可塑性が悪い方向に進み、結果的に潜在能力を挟めて多くの機能が失われる。
☑︎ ある一定の可動域に固定されるため正常な運動を抑制し、最大の可動域を得る機会がなくなる。結果的に足首の他動可動域が低下する。また関節を取り込む軟部組織が効果することも可動域低下の現になる。

機能的電気刺激(FES)

このシステムは運動の質、関節可動域、筋力、安全性、効率性を改善させる可能性があります。

研究ではFESによる歩行能力の改善と下肢機能の向上を示したことが報告されています。

具体的な方法

下腿の前面、すねの外側に足部を持ち上げる筋肉が付着しています。これらの筋が脳卒中により弱くなると下垂足が生じます。

FESシステムは歩行中にこれらの筋肉に低刺激の電気信号を送ります。

短下肢装具とは異なり、足へのFESは脳卒中患者が自身で足を挙げようとする筋収縮をサポートしてくれます。

機械から刺激が送られ、皮膚に装着された原曲を介して筋や神経に伝わります。

医師やセラピストが歩行の質を最大限に高める為に足に対してそれを活用します。

【FESの期待できる効果】
・筋の弱化や麻痺に対する強化
・痙性が存在する筋群や他の軟部組織のストレッチ
・痙性を弱める
・能動的可動域の増大
・足部を持ち上げる為の特定の脳出力を高める
・転倒を防ぐ

注意点

このシステムは気軽に購入できる機品ではありません。

医師の処方や医師とセラピストのチェックが必要です。

「レンタルや中古の購入、専門スタッフは誰なのか」など、詳しい部分は業者が適切に回答してくれます。

業者にはウェブサイトや電話で問い合わせする必要があります。

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