「会話」と「対話」の違い
僕が最初に自費リハで学んだのは、「コミュニケーションスキル」についてです。
ここが圧倒的に足りませんでした。本当に…
以前、投稿させて頂いた患者様は
「あいつらはやる気がない!」
と発言しました。
そう思わせてしまった最大の原因は
『対話ができていない』です。
コミュニケーションと言っても、他愛のない話をするな、と言うことではありません。むしろそう言う話から人間関係や信頼関係が生まれるので、ぜひ実践して頂きたい事です。
僕がここで言いたいのは、意味を共有する事です。
会話と対話の違いとは??
会話と対話の違いを理解する鍵は「意味」にあります。
例えば、
『肩周囲筋の筋緊張の調節』に対して
セラピストは「三角筋と大胸筋の癒着を目的に」
患者は「硬い筋肉のマッサージを目的に」
同じ場を共有しながらも、『意味』がお互い違うということです。
同じことを見ていても、その人にとっての意味はバラバラです。
そこで生じた意味の違いにより、コミュニケーションが噛み合わないことは日常的に多いことです。
コミュニケーションのコツ
1.相手の興味に関心を持つ
2.相手をありのままを受け入れる
3.相手の話を100%理解できると思わない
1.相手の興味に関心を持つ
・1日のスケジュール
・その1日の中で、麻痺に対し何を考え、何に取り組んでいるのか
・どこに困り、どこを治し、どうなりたいのか
など、悩みの本質を聞き入れる事で、何が変わればその悩みから解放できるかを相手自身も整理できますし、リハビリ後の比較学習にも大きく影響します。
加えて、自費リハではリピーターを作る為にも、「満足度」を上げることが大切です。
達成すべき目標を明確にすることで、相手自身が望んでいる事に取り組みやすく、その行為(目標)が達成できれば、明確になっている分「満足度」も上がっていきます。
2.相手をありのまま受け入れる
自分と考えが異なる場合こそ、相手に集中してみてください。
まずは自分と違う意見をそのまま受け入れて、話を聞き続けます。
そうすると、なぜ相手がその思考に至ったのか理解できるはずです。
3.相手の話を100%理解できると思わない
メタ認知という言葉をご存知でしょうか。
相手は『私の中の相手と会話をしている』、と言うなかなかややこしい事をして会話をしています。
話の内容を明確にしたいばかりに、相手との会話の最中に心の中で自分と対話してしまうことがあります。もし、無意識に自分との対話が始まったら、一旦別の話題に切り替えましょう。
アクティブリスニングの3要素
最後に、アクティブリスニングを紹介します。傾聴する為に意識することです。
アクティブリスニング(ActiveListening)は、アメリカの臨床心理学者であるカール・ロジャース博士が1957年に提唱した「傾聴姿勢」のことです。
アクティブリスニングの手法について、2つの種類があります。
1つ目の「バーバル・コミュニケーション」は、言葉のやりとりによって相手の話を聞く言語的コミュニケーションです。
2つ目の「ノンバーバル・コミュニケーション」は、態度や仕草などから相手の本意を読み取る非言語的コミュニケーションです。
バーバル・コミュニケーション
✔️ 共感する
✔️ 相槌をする
✔️ おうむがえし
✔ 5W1H
※ Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)
ノンバーバル・コミュニケーション
✔️ 視線
✔️ 姿勢
✔️ 表情仕草
✔️ 声のトーンや仕草
セラピストは経験を積むにつれて手技や知識に意識が向きがちですが、それよりも大切なことは、その人の思い描く生活に近づけることです。
手が上がりやすいや、足を降り出しやすいなど、機能ばかりに向くと失敗します。
相手が望むものをリハビリとして提供できなければ、生活の質は変わりません。
その為にもコミュニケーションが鍵となりますので、この投稿をふと見返して頂ければ幸いです。
読んで頂きありがとうございます。
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