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手のROM治療【基礎編】
手の訓練は、多くの可能性が考えられます。
手掌という空間、対立やグリップ時に生じる手の空間などの空間処理を始め、言語と手の関係性や注意を考慮したモダリティを教える訓練、末梢神経系における固定部位と動的部位の訓練など、様々です。
その一部として、ROMという基本中の基本をテーマに学んでいきたいと思います。
はじめに
手の役割を考えた時、臨床では「ペットボトルを持つ」や、「箸を使う」など、生活行為に介入することが多いです。
実際に手の役割はどんなことがあるかを挙げます。
☑︎ 力強く体を支える
☑︎ 接触により姿勢を安定させる
☑︎ なにかを操作する
☑︎ 他者とのコミュニケーション
☑︎ 感情や意思を表現
など…
操作性以外にも、言葉との関係性なども組み合わさることができ、より精密かつ自由度の高い脳機能が関連していきます。
なので、高次脳機能障害の影響を受けやすい身体分野となります。
今回は、その分野は置いておいて、『手の精密な運動器官としての役割』と、『知覚探索器官としての役割』を説明します。
運動器官としての役割
最大の特性は、対象物の形や大きさに対して、柔軟的に形を合わせることができる構造になっていることです。
【解剖学的側面のまとめ】
☑︎ アーチは3種類あり、縦アーチ/近位&遠位横アーチ/対立アーチが存在する。
☑︎ 母指CMC関節は鞍関節。(対立リーチ)
☑︎ 尺側は手の操作に向けて安定性を担う。
☑︎ 橈側は手の操作に向けて動的役割を担う。
☑︎ 外在筋と内在筋の相互協調的に作用。
知覚探索器官としての役割
最大の特徴は、優れた識別性と能動性です。
識別能力は、指尖や手掌が非常に敏感な部分であり、皮膚の2点識別などがいい例です。
能動性は、どの身体部位と比較して非常に能動的性質が強いです。
【アクティブタッチ】
❶ テクスチャー
❷ 硬さ
❸ 温度
❹ 重さ
❺ 容量
❻ 形
【ダイナミックタッチ】
物を持って振ったりすることでその長さや形がわかる。
これらは、皮膚をはじめ、関節や筋肉、靭帯、腱などに存在する感覚受容器が興奮し、まとまったものとして統合され、対象物を繊細に識別しています。
この時、脳内では視覚的に確認した対象に対して予測的にかつ、絶え間ない探索とその結果の修正を繰り返し、環境適応していきます。
この阻害の原因として、1つはROM制限の影響と仮説立てることが可能です。
今度は上記を踏まえた知識を使って、痙性手と浮腫手に対しての知見を投稿したいと思います。
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