第1章:現在の判断は正しいのか ⑩

ただ、現在は企業がリスクを恐れてしまう傾向や中小企業が展開していた事業を大手企業が買収するなど外見上の市場原理は変化しないのだが、これらの買収等により企業方針が変更になるケースや社員の配置換えなど人事関係の問題が出てくるなど雇用を守るための基盤が崩壊するおそれや良く小耳に挟むのが“あなたは若いからリストラされてもすぐに仕事が見つかると思うけど、私たちは年齢も年齢だから仕事が見つかるか不安”という声も聞こえてくる。

 確かに、現在の転職市場はかなりシビアな条件が課されている求人も増えていることから、転職後のキャリア形成に対して不安を感じる人も増えてくることは事実だろう。

 その理由として、多くの人が“仕事を選ばないなら、いくらでも仕事がある”という認識でいることから、仮に解雇や倒産による失職等が発生したとしても“新しい仕事はすぐに見つけられるから問題ない”という考え方が芽生えているということがあるのだ。

 そのうえ、現在は転職回数も個人差があることから、個々の経験上における認識の違いが顕著になることは多いのだが、全ての人にその理論があてはまるわけではないことから、場合によっては経済的な影響に発展することやブランクが長期化することで自己肯定感などが低下してしまうおそれがあるのだ。

 これも日本の社会構造における“歪みの発生”における重要項目であり、この項目は他の項目よりも早期に解決することが望ましいのではないかと思っている。

 現在は就労開始年齢に個人差を含めたばらつきがあることや社会経験年数に関しても個人差が発生することになるため、同じ年齢であっても経験年数や業務実績などが異なっていることも多く、企業として重視するポイントに“社会経験年数”などが入っている場合には不利になりやすい。

 また、最近の求人では“連続勤続年数◯年”や“◯◯経験年数◯年”のように“即戦力”でかつ“育成期間の短い”人材を求める内容を見かける機会が増えたことから、これらの採用傾向が今後”ソーシャルスタンダード“になっていった場合にブランクのある人材をどのように同じ条件に引き上げていくのかという人材育成と人材価値の向上における課題が出来てくるのだ。

 現在はこのテーマに関してあまり取り上げられることはないが、今後の状況次第ではこの観点を問題として取り上げなくてはいけない状況になることから、厚生労働省や経済産業省、文部科学省などがこのような事態が発生することを今から想定しながら相互連携を取ることで深刻な事態や最悪の状況を避けられる可能性も残されているのだ。

 しかし、現状では問題視されていないことで対象となる人材が社会復帰に時間がかかっていることや企業側の採用方針が変更されたことにより採用基準に満たない人材として判断されてしまうなど本人が方向性を見いだしていたとしてもそこから先の道が突然無くなってしまうことで向上心などが喪失するおそれも出てくるのだ。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。