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カジュアル面談を面接にしないために採用担当がやるべきこと

カジュアル面談は候補者側が選考に進むかどうかを判断する機会です。同時に、採用担当側も候補者がマッチする人材かどうかを判断する機会なのも事実かと思います。採用担当の目的達成を優先して「カジュアル面談なのにほとんど面接だった」とならないよう、やったほうが良いことをまとめます。

※ここでの前提の「カジュアル面談」は60分1本勝負、職務経歴書かそれに準ずるプロフィール情報を事前に貰っていることとします。

ゴールを設定し、最初に提示する

カジュアル面談は各社目的が異なります。なので面談の最初に時間内にやりたいことを明確に伝えておくことが必要です。

例えば僕の場合は以下のようなゴールを設定して説明していました。
1. 事業内容や採用背景を理解してもらう
2. マッチしそうなポジションイメージをお互いで共有する

複数のゴールを設定する場合、時間が足りないこともあるので優先度も合わせて伝えます。僕の場合は1を必須で2は時間があればとしていました。

2について具体的なポジションイメージまで進める難易度は高いのですが、候補者が面接に進むのを決める際には必要になってきます。また候補者に対して質問をする理由付けにもなるので設定しておいたほうがベターかと思います。

アイスブレイクは最小限にする

候補者の緊張をほぐす目的でアイスブレイクを最初に挟むことが多いと思いますが、少し話すつもりが思っていたよりも長くなってしまうことがたまにあります。あまり長くならないような話題選びなどが必要です。

僕はアイスブレイクはやらなくていいと思います。理由として、序盤はほぼ採用担当側がメインで話すので、話を聞いてるうち自然に緊張がほぐれてくると思うからです。

カジュアル面談は意外に時間が無いので削れるところはとことん削ったほうが良いと思います。

興味を持った部分を伝える

なぜ会いたいと思ったのか、どういう経験に興味を持ったのかを直接言葉にして伝えることは重要だと思います。採用担当と候補者の間の関係を縮めることに繋がりますし、なにより直接伝えられるとちょっと嬉しいです(僕の候補者側の経験から。

ダイレクトスカウト経由の場合はスカウトした際の文面を掘り下げた内容や、エージェント経由などの場合はプロフィールの中で良いと思った部分をお伝えするイメージです。

また「あとでそのへんの話聞きたいなー」という前フリを序盤で入れておくことで、候補者側で後半のトークの準備をしておいてもらうという意図もあります。

プレゼン資料を必ず使う

トークに自信があってもしっかり用意しておくほうがベターだと思います。視覚の情報が優先されて、耳からの情報は補足ぐらいに考えておいたほうが良いです。なので、口頭で必ず伝えている内容があれば、資料に予め入れておきましょう。

また候補者の質問に対して回答する際、質問や回答に該当するページを見せながら説明することで質問と回答のミスマッチを防ぐ狙いもあります。

資料の中身について書くと長くなりそうなので、別の記事で書くかもしれないし、書かないかもしれません。。。

質問は採用背景に沿ったものに限定する

質問とは書いているのですが、厳密にはちょっと違います。
採用背景(現状の課題など)について採用担当から説明し、マッチしそうなスキルや経験について選考者に喋ってもらう形にします。質問ではなく話を振るようなイメージが近いです。
細かいスキルや経験を採用担当が掘り下げるのは面接に進んでもらった際に聞ければ良いのでここでは我慢します。
最終的に具体的なポジションイメージにマッチするかどうかについてお互いに共有できていればOKです。

気をつけなければならないのは採用背景が抽象的な場合です。
例えば「事業急拡大につき社員募集!」とかの場合は、選考者に近い従業員のスキルや経験を提示して、マッチするものがあるかどうかを聞くなど工夫する必要があります。
※そもそも採用のペルソナ設計をちゃんとやったほうがいいですけど。

比較的NGなものの方がイメージが湧くと思うので列挙します
* 職務経歴書の内容を順を追って説明を求める
* 退職理由、転職理由
* 志望動機
* 現職年収、希望年収、その他希望する条件
* 他社選考状況、転職時期

列挙したものが絶対にダメなのではなく、カジュアル面談のゴールに沿って聞いている事をキチンと説明できるのであれば問題ないと思います。

次回選考の話を最後にしておく

ポジションイメージにマッチした前提の話ですが「ぜひ選考に進んでほしい」というのは必ず伝えるようにします。その際、全体の選考スケジュールやそれぞれの選考の内容についても合わせて共有します。

担当する面接官についても役職や役割などをある程度情報共有をしたほうが良いです。例えば選考を通じて現場メンバーと会わない場合、選考者から引合せの依頼をもらえたりします。

また、あくまで選考者の雰囲気次第になりますが、選考意思確認までその場でしてもいいとは思います。ただ、正直対面だと断りにくいことや、少し間を空けて冷静に考えてもらうことも重要だと思うので、その場で確認することにこだわらなくて良いと思います。

面談のお礼はすぐ送る

「本日はお越しいただきありがとうございました」的なメールを候補者に送ると思います。面談後に会話内容をまとめるなどもあるかもしれませんが、お礼を優先したほうがベターだと思います。目標は候補者さんが帰り道で見ることができるぐらいのタイミングです。僕はお礼メールを送るまでをカジュアル面談のスケジュールに含めるようにして対応していました。

候補者と採用担当両方に言えることなのですが、面談の内容や印象も時間が経つとどんどん薄れてきます。面談終わりのテンションをそのまま文章でお届けするとどんな面談だったのかお互いに残ると思います。

内容については定型文ではなく、短くて良いので面談で話した内容を踏まえた文章を送ると良いと思います。定型文的なのを受け取ると「ダメだった感」でます。

もちろん選考者側が選考に進まないこともあるので、選考意思確認はぐいぐい行わずに選考者がやんわり断りを入れられるような距離感を心がけます。

無記名OKなアンケートを作っておく

カジュアル面談の品質改善を目的として、Googleフォームなどでカジュアル面談の内容に関するアンケートを作り、お礼メールなどでURLをお渡しするようにしておきます。

アンケートは以下のような内容です。
1. 面談担当者の名前
2. 面談担当者の5段階評価、理由
3. 説明内容の理解度の5段階評価、理由
4. 面談の良かった点と改善すべき点
5. 選考者のお名前(無記名OKにする)
不明点や追加で聞きたいことなどは趣旨から外れるためアンケートではなく、別の方法で連絡してもらうようにしていました。

重要なのはネガティブな意見を吸い上げて、カジュアル面談を改善することです。特定の選考者が辞退する理由を知るためでは無いです。書いてもらいやすいように無記名OKにしたり、書いた時間などから特定できないような仕組みを作ってアンケートにそれを明記したりなどを行いました。

最後に

採用を始めてすぐはWebに書いてあるとおり「カジュアル面談で質問をしてはいけない!」と思い、僕から質問をすることは一切行っていませんでした。が、候補者からのアンケート結果で「事業内容や求める人物像は理解できたが自分がどうあてはまるのかイメージが持てなかった」「自分のどこに興味を持ったのかわからなかった」という内容があり、考えを改め今回書いたような内容に変更しました。

事業内容や採用背景を説明するだけだったら資料を渡して質問に答えるだけで事足りるので、来てくれた候補者ひとりひとりに沿った機会を設けて何かしらの手応えを持って帰ってもらうことが重要かと思います。

おわり

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