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私を裏切った上司の気持ちを考える〈人柄編〉#135

誰しも相手を裏切ったり、逆に裏切られたりして、人間不信でトラウマを抱えたり、恨んだり、信用していた相手の事がわからなくなることがあるだろう。

私も、かつて信用していた人に裏切られ
未だに根に持つ人は、2.3といる。


しかし、〈相手がこちらを裏切ったことに理由があると〉考えられることはないだろうか?

当然、自分の利益の為かもしれない
普通に、意味などないかもしれない

しかし、こちらに非があって、そしてやむを得ない事情のもと裏切った。そんな可能性を考える価値はきっとあるのだと私は思うのだ。


大抵は恨みを持っても、泣き寝入りし終わる。あるいは、自分に非があったと逆正当化して、恨んではいるが、行動に移さない、臆病な考え方など、考え方は多種多様に思える。

事実、私も自分の〈簡単に人を信じて疑わない〉という性格や〈金品の授受を口約束で成立させてしまう〉所は自分に非があるとしか言いようがない。(詳しくは明日後述)


しかし、裏切られた側は被害妄想を膨らませるしかない考えが多いはずだが、実は裏切った側には何か理由があって、私との〈縁を意図的に切った〉と考える可能性があるのだ。

元々、そこそこ深い信頼関係を築いていたと思っていたのに、こんなに簡単に裏切られるのには理由がある。

今回、今日と明日にかけて

私を裏切った
相手の気持ちと向き合ってみたい。


K.Eさん

私が新卒で入った会社の初めての上司だった。

第一印象は、ヤンキー、チャラ男、怖そう、口が達者、兄貴。そんな感じだった。

事実、Eさんは元ホスト。クラブのDJでもあった。その前は大手企業での生き辛さの苦悩を経験し会社を退いたり。そして、漫画、アニメ、ゲーム、車、釣りなど色んなことについてとにかく詳しい。物知りで世渡り上手な方だった。


しかし、Eさんは実はその時の上席の中の誰よりも部下思いで、「お前は絶対大物になるから一生懸命努力しろよっ!」といつも励ましてくれた。

まあ、しかしながら、私の非常識さに呆れるように一日に200回くらいは「ポンコツ」だの、「死ね」だの、言ってきては、腹を殴られてたのは実は良い思い出だったりする。

それが、私を鼓舞しているということを私は他の誰よりも理解していたつもりだったから、そのパワハラ紛い(パワハラで訴えていたら100%勝ててた)のこともアニキと弟のような関係で楽しかった。

まさに、最初にして実は理想で憧れの上司だったのかもしれない。(笑)


仕事〈全盛期〉

当時の私の働きっぷりといえば、新卒のやる気勢い元気そのままの状態で3ヶ月間走り続けた。

周りの新卒勢が1ヶ月とか、2.3ヶ月でバタバタ辞めていく中、配属された廃店舗になる予定だった店舗で、ど偉い成績をEさんと私で叩き出し、会社に対して店舗の存続を実力で証明して見せたのだ。

と言っても、仕事の内容は単純で、商業施設に買い物にきて、レジ袋に袋詰めしている初対面のお客様に対して、声かけ(キャッチ)し携帯電話の切り替え提案をするというもの。

「キャッチ」という作業を単純に一日200〜300ほど行うだけの簡単な仕事。

その中から、実際に興味を持ってくれた人や、タイムリーに携帯で困っている人、あるいは私の熱意に押されて話だけならと、聞いて行く人、様々だったが、一日5.6人は商談をすることができた。

あとは、当時店長だったEさんにパスして、メリットと限定感、極め付けの高額キャッシュバックでガンガン販売台数を量産。

店舗の売上はみるみるうちに黒字転換、156%の達成率を獲得。毎回赤字当たり前で廃店寸前だった店舗を堂々全国一位の店舗に押し上げ、当時社内で大々的に注目された。

そして私も入社三ヶ月の実績でショップの店長にまで昇進。Eさんが居たから成し得たことだったにも関わらず、調子に乗って自分の実力だと思い込んでいた自分がいた。自分の実力じゃないと気づいたのは、自分一人でお客様との商談をして行く中ですぐに気づいた。

しかし、この教訓を早い段階で身をもって教えてくれたEさんのことは今でも感謝してる。22歳、入社して四ヶ月後には店長として全責任を負える経験など、他では味わえないスリリングで貴重な体験だったからだ。


仕事〈省略〉

私がEさんと同じ店長という役職に昇進して、上司と部下だった関係が、ついぞライバルという関係に変わってしまった。

つまり、今度は私が部下を抱えて店長として売上を伸ばしていかなければいけないという、修羅場に立たされたのであった。

しかし、この試練の9ヶ月間はEさんとの話にあまり関係しないので、このnoteでは触れず、別の機会に記すこととする。


Eさんがマネージャーになる

私が店長として、くすぶっていた頃、全国的にも社内の雰囲気は悪かった。

理由は相次ぐ社内上層部の退職だった。

図ったかのように、雲の上の存在だった人たちが、次々と会社を去っていった。理由は当然誰も教えてくれなかった。

歴史で例えるなら、100人を統括していた百人将軍がいきなり消えて、付き従っていた100人が露頭に迷う事態。その人達は当然、将軍に忠誠を誓い付き従う者が多く、将軍が死んだなら切腹して自ら消えるようなイメージ。

つまり幹部が次々と居なくなり、後を追って辞める人が続出した。

私もその一人になりかけたが…
そこで輝きを放ったのがEさんだった。


彼は全国が沈んでいる中、たった一人だけ成績をグングン伸ばしていた賢人だった。

というのも、組織というのは上には上の役職がいるもので、Eさんは実力があったのに、それをひた隠しにし、自分の時代が来るのを見計らって、マネージャーが消えたタイミングを狙って、ここぞとばかりに頭角を現し始めたのだった。


私は同じ店長という役職だったにも関わらず、その状況下におけるEさんの躍進に心がワクワクした。

Eさんがマネージャーになれば、またEさんの元で、楽しく働くことができる。そう思った。

そして、2019年1月Eさんは念願のマネージャー昇進を意図も簡単かのように成し遂げたのである。

そして、Eさんは私に行った「久しぶりだな。俺の下に着いたからには、お前も同じ道を早く登ってこいよ。お前は俺の右腕になるんだからな。」と。

私は心が震えるほど激動した。

退職の道を蹴って、そこまで世話になった、転職エージェントなどの全ての関わりを蹴って、Eさんについて行くと決心したのだ。

こんなに、ワクワクして熱量を持って、きつい仕事が楽しいと感じたことはなかったかもしれない。これは今だから言えることだ。


求められることの大きさと苦難

私は新卒2年目の5月、つまり社会人になって、13ヶ月目ですでに、北海道エリアのNo.2となっていた。

というのも、先述したとおり、北海道エリアでも、幹部が次々と退職していき〈経験の浅い私が〉No.2をせざるを得ない状況だったとも言い換えられる。

もちろん北海道エリアのトップはEさん。

そして、店長の役職の私が二番手という構造。

〈正直に言うと荷が重すぎた〉

私は自分で言うのもなんだが、真面目で、やることは一生懸命やる。いわゆるバカ真面目タイプの人間だ。

その頃、お客様に携帯電話を販売する熱量はあっても、エリアの士気を高めたり、部下や年上の同僚をマネジメントする能力なんて皆無に等しかったからだ。


それでもEさんは私に求めた。

「お前がエリアを引っ張れ!」

「北海道はお前にかかってる!!」

私は二つ返事で「はいっ!!!」

と言うしかなかった。しかし、鼓舞されてできるなら誰も苦労しないもの。

そして、店長に課せられる膨大なノルマに応える活動と部下の育成で葛藤する毎日。

私は精神的に追い詰められていた。


しかし、Eさんは私に答えだったのか、ヒントだったのか定かではないが(精神的にも体力的にも一杯一杯だった為)店長の私に、マネージャーになる為の道筋を確かに、示してしてくれていた。

・部下に徹底させるタスクを与えられるのは月に一つまで
・部下の数値管理、それに基づくフィードバックは上司として当然の仕事(自分のことで一杯一杯になっている場合じゃない)
・お前にできないことを、お前が教えるな。しかし、お前が一番得意なことは課員が完コピするまで徹底的に叩き込んで教えてやれ
・エリアのLINEが静かで落ち込んでいる時は、先陣を切って士気を高めること
・稼働時間が減るのであれば、自分の仕事のスケジュールの管理をして、自分自身をマネジメントすること。
…他にも沢山

当時、Eさんが教えてくれた事は、私が今でも列挙できるほど、鮮明に覚えている。

当時の私は余裕がなくて、できないことばかりで、本当にポンコツ店長だった。しかし、Eさんの教えだけはしっかり守って行動した。


結果的に、ダメダメ店長だった頃から比べて随分、部下との関わりも良くなっていったし、部下を店長に押し上げたり、主任に昇格させたりと、周りがついてきてくれるようになった。

いつしかEさん連合軍のような、少数精鋭だがが、全国で最も数字をあげられる組織になっていったのである。


そして、ほぼ前人未到だった北海道エリアのエリア達成(全員が全員の目標を達成させてエリアの目標を達成させること)を成し遂げて、エリアメンバー8人全員が熱狂の雄叫びをあげようとした最中、事件は起きた。


北海道エリアの全店舗閉店…


え…??

私はその連絡をきいて、15分沈黙し考えた。

そして、事態を飲み込んで1時間は泣いた。


北海道メンバー全員が混乱し

裏切りや騙し合いなどの混沌が訪れたのは

これがきっかけに違いなかった

…後編に続く。


最後までお読み頂きありがとうございました。

(4012文字/執筆時間106分)


■追伸

文章を書いててやはり

裏切られたことまで書けてないが

それを踏まえてもEさんから受け取ったものの方が大きい気もする。私がこの会社を去らずにEさんに付き従ったのは、いくらパワハラに思われることをされても、信頼や与えてくれるものが多くて、なにより優しいアニキだったからだ。

この文章がEさんの目に触れる事はないだろうが、この感謝は感謝し尽くせないことに変わりはない。

本当にありがとうございました。

ではまた明日‪🍀

いつもnoteを読んで頂きありがとうございます✨ サポートをして頂けましたら、創作活動の勉強費用に当てて、ゆくゆく必ず社会に還元させて頂きます‪🍀