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『姉と弟と告白と』

『姉と弟と告白と』 【超短編小説 050】

祐一
姉ちゃん、ようやくまとまったから聞いてくれ

亜紀
おっ!出来たか、どれどれ

祐一
美樹ちゃん、君に出会うために、僕は今まで生きてきたんだと思う
一ヵ月前にはじめて君と出会った瞬間に、君は僕に舞い降りた天使だって確信したんだ
これ、君の年齢と同じ本数のバラの花束と君が生まれた年のワインだよ
僕にとって最初で最後の女であってほしいいんだ
君の瞳に乾杯 付き合ってください!
、、、どう姉ちゃん?

亜紀
だいぶ良くなったわ

祐一
ほんと!(喜)

亜紀
でもねぇー、まだ何か物足りないのよねぇ

祐一
そっか、まだかぁー
姉ちゃん、僕、今回は必ず美樹ちゃんと付き合いたいんだ
すごく美樹ちゃんのことが好きなんだ

亜紀
分かった!

祐一
何?何?

亜紀
バラの花束が生きていないから、バラの説明入れよう!

祐一
バラの説明?

亜紀
そう、まず真っ赤なバラの花言葉は「あなたを愛しています」
そして、24本の本数の意味は「一日中思っています」
これを入れて、さらに、付き合ってくださいの前に「愛して愛して止まないのです」って入れて

祐一
分かった!やってみる
美樹ちゃん、君に出会うために、僕は今まで生きてきたんだと思う
一ヵ月前にはじめて君と出会ったときに、君は僕に舞い降りた天使だって確信したんだ
これ、君の年齢と同じ24本のバラの花束と君が生まれた年のワインだよ
真っ赤なバラの花言葉は「あなたを愛しています」で
24っていう本数にも意味があって「あなたを一日中思っています」意味なんだこの花束は、僕の想いそのものなんだ
どうか、僕にとって最初で最後の女であってほしい
君の瞳に乾杯、愛して愛して止まないのです、付き合ってください!

亜紀
完璧!祐ちゃん、完璧よあんた!

祐一
ありがとう、姉ちゃん!これから美樹ちゃんに告白してくる!

亜紀
いってらっしゃい!一語一句間違えるんじゃないよ!

祐一
大丈夫!絶対に間違えないよ、今度こそ彼女を作るぞ!

亜紀
がんばれ!

祐一
行ってきまーす

祐一は白いスーツで、バラの花束と赤ワインとグラスを2個もって美樹ちゃんに告白をするために出掛けた。祐一の後姿を見送った姉の亜紀は玄関にしばらくの間、ぼーっと立っていた。

亜紀
(私のかわいい弟よ、おそらく今回の告白も失敗に終わるだろう
祐ちゃんの告白を聞いて、全身に鳥肌が立つ美樹ちゃんの姿が容易に想像できるぞ
でもそれでいいのだ、私は大切なあんたを、他の女に渡す気はさらさら無いのだ
泣きながら帰ってくるあんたを私のこの胸で受け止めてあげるよ
傷ついた心を私の温かい手料理で癒してあげるよ

てか、ごめんね、迷セリフ仕込んじゃって
本当は現場まで行って盗み聞きしたいけれど、きっと笑い転げちゃうから、家で待ってるね、祐ちゃん(愛))

姉弟01

《最後まで読んで下さり有難うございます。》

僕の行動原理はネガティブなものが多く、だからアウトプットする物も暗いものが多いいです。それでも「いいね」やコメントを頂けるだけで幸せです。力になります。本当に有難うございます。