夫が逮捕されて ー経緯2ー
精神科へ措置入院となった夫
発狂し、わたしの目の前でトラックに轢かれた夫は頭から血を流し、
そのまま措置入院となった。
何針も頭を縫い、全身の打撲はあったが、その程度のケガで済んだのは奇跡的だと思う。
措置入院とは、自殺の可能性があるものを国が強制的に精神科へ入院させるものである。
3か月ほど夫は入院となったが、
この時物理的に距離を置くことが出来たのは、今となってはわたしたち夫婦にとってよかったのではないかと思う。
離れているこの間、
私は自助グループに通い、同じ境遇の方や、境遇は違えど仲間と呼べる人たちと出会うことが出来た。
SNSを初め、自分の気持ちを吐き出すようにした。
助けてほしい時に、助けてと言える人々が出来たこと。
居場所があるということに気付けた。
きっと、あの時夫婦だけで過ごしていたら狭い空間だけで誰かを頼ることなく過ごしていたと思う。
わたしが今こうして生きて過ごせているのは、たくさんの人や行政や施設に頼ったからだった。
自分自身の回復 共依存症とは
(この先リンクすべてアフィリエイトではありません。)
夫と物理的に離れている間、
私は時間という時間をすべて自助グループへの参加と、読書に費やした。
前職を離職中の出来事だったから、時間ははるかにあった。
性依存症とは何なのか。
依存症専門病院臨床の先生が書かれた本がたくさんある。実際の症例も多く書かれ、読んでいるとフラッシュバックを何度起こし吐きながら読んだ。
夫を理解しなければという強迫観念で読んでいたけれど、
そのうち、共依存症という言葉が気になるようになった。
共依存症とは、様々な依存症者を持つ他人の世話をしてしまう人のことを指す。
他人の人生の世話して、自分の人生から現実逃避をしてしまうのが症状だ。
「私が夫を何とかしなければ。私が夫を治してあげなければ。夫を理解してあげられるのはわたしだけだ。」
そう思い込み、自分の体力や気力、時間、すべてを夫の人生のためにささげようとしていた。
そして、それが正しい妻のあり方なのだと思っていた。
メロディビーティという方の本を読んだとき、私は目からうろこが落ちた。
今迄いろいろな依存症の本や漫画を読んで、共依存症というワードと何度も出会ってきたけれど、それが自分事であるということはそれまで一度も思わなかった。
むしろ自分は、離婚をしようとしていて、夫がいなくなっても一人で生きていくつもりで依存などしていないと思っていた。
実際は、経済的にも精神的にも夫に頼りきりだったことを、本を読んで気付いたのだ。
メロディビーティという方は、自分自身もアルコールや薬物依存症者で、またパートナーにも依存症を抱える方を選んだ経験がある。
依存症者本人であり、また依存症者家族でもあるのだ。
考えることや境遇があまりにも同じで、自分のことが書かれているのかと驚いた。
そこでやっと、自分自身が共依存症者だったということに気付いたのだ。