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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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2018年11月の記事一覧

運転免許を失効した。あの冬僕はヤンキーと出会った。

車の運転免許を失効した。更新をすっかり忘れていた。半年以内なら講習を受ければ済むのだが、すでに1年を越えていたので完全に失効した。 思えば学生の頃に免許合宿に行って以来、運転をしたのは2回だけだ。免許合宿は20万円程かかったから、1回につき10万円だ。なんで免許取ったんだろう。とにかく運転をするのが怖かった。僕はバンジージャンプが好きでこれまでに何回も飛んでいるのだが、車を運転する方がよっぽど怖い。バンジーのゴムより自分の腕が信用できない。みんなよく平気だなと感心する。 そ

ねぇ、きみの嘘なんてだいたいお見通しなんだよ

無駄なセックスをした朝は、コーラが飲みたくなる。 自嘲気味に話すと、「え、なんで」と笑われた。 本当につまらない男だな。そう思った。 今、私はいわゆる二股をしている。二人の男、どちらと恋仲になるか天秤にかけているのだ。 一人は、メーカーで働く優しい男。 もう一人は、テレビ業界で働く面白い男。 前者を「あんしんくん」、後者を「おもしろくん」とニックネームをつけるようになっていた。 神様はきっと性格が悪い。好きな人ができたと思ったら、全く違うタイプの異性を寄越してくる。そ

【#noteでよかったこと】Paletteにて漫画を描くことになりました

みなさん、こんばんは。 今回はnoteお題「#noteでよかったこと」に参加します。 ちょうど、今回のテーマは自分の中で書こうと考えていたことでした。タイミングよくお題になったので、この機会に整理して書いてみようと思います。noteを書くまでの話から、WEBメディアに寄稿するようになるまでの話です。 * noteを始めたきっかけ さて、私 遠山怜は、作家のエージェントという仕事をしています。大まかにいうと新規作家の発掘や書籍企画の立案、出版社への営業や交渉代行などをメ

noteと意志と友達と

さっき読んだ本『過剰な二人』の中で、林真理子さんは「運命の正体は意志」だと言っていて、編集者の見城徹さんは「努力とは意志の持続」だと言っていた。 わたしには長らく意志がなかった。 困らないように優先順位を決めて行動してきたことは「意志」ではあるけど、そこにはいつも「しょうがないから」「こうするしかないから」と諦めの色が濃くあった。「こうしたい」という思いで先を見据えて動いたことがなかった。 気がつくと、ほんとは欲しくてしょうがないものも「自分にはないからしょうがない」「

早く大人になって自由になりたいと彼はいう。だけど。

最後の晩餐になってもいいくらい美味しい会食ののちダッシュで帰宅して21時15分に息子氏を受け取ったシッターさんと話し込んでいたら、22時15分になってた。 この1時間分のお支払いすべきだ、ごめんなさい。 息子が今日シッターさんにふざけて後ろからぶつかって、シッターさんは転んでしまい、危なかったので、ちょっと強く叱ってしまいましたという話を聞いた。 私は、「そうでしたか、すみません、そういうような人に危害を与える可能性があるときは時は叩いていただいてもいいですし、思ったよう

80代のセンパイと暮らす。(32)

センパイは、無類の柿好きである。 我が家には柿の木がある。しかし、古木で弱っており、栄養不足なのか、今年は実がかなり落ちてしまった。3年前は300個くらいとれたのに、20個くらいに激減した。殆どの実が2階の窓と同じくらいの高さになっており、今年は鳥が嬉々として食べるのを見ているしかないなぁと諦めていた。 残り15個くらいになった時、センパイは新聞配達のお兄さんたちに、高枝切りバサミを持ってこさせ、取って貰った。「え?なんで新聞配達の人がそんなことするの?」 「なんか、いろ

noteが世界を手術したから

もしも、 noteがない世界線に生きていたら。 私はメンヘラという黒歴史を葬り去ったまま、自分の過去全般を恥じ嫌ったまま、平気な顔をひきつらせ過ごしてたかもしれない。 もしも、 noteがない世界線で子育てしてたら。 有り余る承認欲求を家庭内のみで爆発させ、割れんばかりのプライドを町内のみで炸裂させ、ママブロガーの充実を呪い、書き込めないクソリプをiphoneのメモ欄に貯め続けたかもしれない。 もしも、 noteがない世界線で人類を眺めてたら。 何でも議論しあえる気の許せ

隣の席の若者は、私に枕を差しだした

長距離バスにはよく乗る。 月に1回はこの国の埃っぽい首都まで、片道8時間から10時間かけてバスで往復する。20年ほど住んでいるから、200往復以上はしているんだろうなと思う。 しかし、バスの中で隣の席の人に枕を差し出されたのはその日が初めてだった。しかも、そのお隣さんときたら、20代後半〜30代前半と思われるアジア系のなかなかのイケメン男子ではないか! さわやかな笑顔とともに目の前に差し出された枕を、シャイな(?)私は思わず丁重に断ってしまう。 確かに、窓際に座った私